会計監査人の選任議案と監査役会の同意|記載例と決議要件
目次
- 会計監査人の選任手続の全体像
- 議案の内容を決定するのは監査役会
- 機関設計別の決定機関
- 取締役会の役割は「招集の決定」にとどまる
- 候補者の資格・欠格事由を先に確認する
- 株主総会参考書類の法定記載事項
- 選任議案の記載例
- 議案本文の記載例
- 候補者とした理由の記載例
- 監査役会議事録の記載例
- 株主総会の決議要件と定足数
- 選任後に必要な手続
- 報酬等の同意に関する議事録の記載例
- 実務で起きやすい誤り
- まとめ
- 参考文献
- よくある質問
- 会計監査人の選任議案は取締役会で決めてよいですか。
- 現在の会計監査人を続けてもらう場合、再任の議案は必要ですか。
- 株主総会参考書類には「候補者とした理由」をどこまで書きますか。
- 会計監査人の選任決議に定足数はありますか。
- 税務顧問を依頼している会計事務所を会計監査人の候補者にできますか。
- 選任後の登記はいつまでに行いますか。
- 会計監査人の報酬はどのように決めますか。
会計監査人を新しく選任するとき、実務でつまずきやすいのは「誰が議案の内容を決めるのか」と「株主総会参考書類に何を書けばよいのか」の2点です。取締役会で候補者を決めて議案を確定させてしまうと、会社法の手続を踏んでいない議案になります。
この記事では、会計監査人の選任議案について、議案の内容を決定する機関、株主総会参考書類の法定記載事項、議案と監査役会議事録の記載例、そして選任後に必要な手続までを会社法・会社法施行規則の条文で整理します。そのまま自社の文案に置き換えて使える記載例を載せています。
会計監査人の選任手続の全体像
会計監査人は株主総会の決議によって選任します(会社法 第329条第1項)。ただし、株主総会に提出する選任議案の内容そのものを決めるのは取締役会ではなく監査役会等である点が、取締役の選任議案との決定的な違いです(会社法 第344条第1項、第3項)。実務は次の4ステップで進みます。
| ステップ1 候補者の選定と資格確認 |
監査法人の候補を絞り込み、公認会計士または監査法人であること、欠格事由に該当しないことを確認します(会社法 第337条第1項、第3項)。並行して監査報酬の見積りを取得します。 |
|---|---|
| ステップ2 監査役会による議案内容の決定 |
監査役会が、選任議案の内容(候補者と候補者とした理由)を決議で決定します(会社法 第344条第1項、第3項)。決議は監査役の過半数で行います(会社法 第393条第1項)。 |
| ステップ3 招集通知と参考書類の作成 |
取締役会が株主総会の招集を決定し、監査役会が決定した議案を株主総会参考書類に記載します(会社法施行規則 第77条)。 |
| ステップ4 株主総会の決議と選任後の手続 |
普通決議で選任し(会社法 第329条第1項、第309条第1項)、就任承諾を得たうえで変更の登記を行います(会社法 第911条第3項第19号、第915条第1項)。 |
大会社に該当したために新たに会計監査人を置く場合は、定款変更(会計監査人を置く旨の定め)も同じ株主総会で決議します。設置義務そのものの判定は、次のコラムで確認できます。
関連コラム会計監査人の設置義務がある会社は?大会社・委員会設置会社の判定フロー▸
議案の内容を決定するのは監査役会
監査役設置会社では、株主総会に提出する会計監査人の選任・解任・不再任に関する議案の内容は、監査役が決定します(会社法 第344条第1項)。監査役が2人以上いる場合は監査役の過半数をもって決定し(同条第2項)、監査役会設置会社では監査役会が決定します(同条第3項)。
会計監査人の独立性を確保するため、監査を受ける側である取締役から議案の決定権を切り離している点が条文の建て付けです。実務では「取締役会で監査法人を決め、監査役会には事後報告する」という順序になっている会社が見られますが、これは条文が予定する順序と逆になります。
機関設計別の決定機関
| 機関設計 | 選任議案の内容を決定する機関 |
|---|---|
| 監査役設置会社(監査役1人) | 監査役(会社法 第344条第1項) |
| 監査役設置会社(監査役2人以上) | 監査役の過半数(会社法 第344条第2項) |
| 監査役会設置会社 | 監査役会(会社法 第344条第3項) |
| 監査等委員会設置会社 | 監査等委員会(会社法 第399条の2第3項第2号) |
| 指名委員会等設置会社 | 監査委員会(会社法 第404条第2項第2号) |
監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社は、会計監査人を必ず置かなければなりません(会社法 第327条第5項)。また、監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社を除く会計監査人設置会社は、監査役を置く必要があります(会社法 第327条第3項)。
取締役会の役割は「招集の決定」にとどまる
取締役会が行うのは、株主総会の招集の決定と、監査役会が決定した議案を招集通知・参考書類に載せることです。取締役会が独自に候補者を差し替えたり、監査役会の決定と異なる内容の議案を提出したりすることはできません。監査役会の決定日が取締役会の招集決定日より後にならないよう、決算スケジュールの逆算時点で監査役会の開催日を先に押さえておくのが安全です。
候補者の資格・欠格事由を先に確認する
会計監査人になれるのは公認会計士または監査法人に限られます(会社法 第337条第1項)。さらに、次のいずれかに該当する者は会計監査人となることができません(会社法 第337条第3項)。
- 公認会計士法の規定により、計算書類について監査をすることができない者(第1号)
- 会社の子会社またはその取締役・会計参与・監査役・執行役から、公認会計士または監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者およびその配偶者(第2号)
- 社員の半数以上が第2号に該当する者である監査法人(第3号)
税務顧問報酬を継続的に支払っている会計事務所は、第2号に触れる可能性があります。候補者を絞る段階で、子会社を含めた報酬支払関係を洗い出しておくと、議案を確定した後で候補者を差し替える事態を避けられます。なお、監査法人が選任された場合は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、会社に通知する必要があります(会社法 第337条第2項)。
株主総会参考書類の法定記載事項
取締役が会計監査人の選任議案を提出する場合、株主総会参考書類には会社法施行規則第77条が定める事項を記載しなければなりません。書面投票・電子投票を採用している会社では、この記載漏れが指摘の対象になります。
| 候補者の基本情報 | 公認会計士の場合は氏名・事務所の所在場所・生年月日・略歴、監査法人の場合は名称・主たる事務所の所在場所・沿革(第1号) |
|---|---|
| 就任承諾の有無 | 就任の承諾を得ていないときは、その旨(第2号) |
| 候補者とした理由 | 監査役会等が当該候補者を会計監査人の候補者とした理由(第3号) |
| 会計監査人の意見 | 会社法第345条第5項で準用する同条第1項の意見があるときは、その概要(第4号) |
| 責任限定契約 | 会社法第427条第1項の契約を締結しているとき、または締結予定があるときは、その内容の概要(第5号) |
| 補償契約 | 補償契約を締結しているとき、または締結予定があるときは、その内容の概要(第6号) |
| 役員等賠償責任 保険契約 |
候補者を被保険者とする役員等賠償責任保険契約を締結しているとき、または締結予定があるときは、その内容の概要(第7号) |
| 業務停止処分 (現に受けている場合) |
現に業務の停止の処分を受け、その期間を経過していないときは、当該処分に係る事項(第8号) |
| 業務停止処分 (過去2年間) |
過去2年間に業務の停止の処分を受けた者である場合、参考書類に記載することが適切と判断した事項(第9号) |
| 多額の財産上の利益 (公開会社のみ) |
会社・親会社等・その子会社等または関連会社から、監査報酬等を除く多額の金銭その他の財産上の利益を受ける予定があるとき、または過去2年間に受けていたときは、その内容(第10号) |
第5号から第7号は、責任限定契約・補償契約・役員等賠償責任保険に関する記載です。監査法人との間でこれらの契約を結んでいない会社では該当なしとなりますが、「締結する予定がある」場合も記載対象になるため、契約交渉の状況を確認してから参考書類を確定させます。
選任議案の記載例
ここからは、監査役会設置会社が定時株主総会で新たに会計監査人を選任する場面を想定した記載例です。自社の機関設計・候補者の属性に合わせて置き換えてご利用ください。
議案本文の記載例
第○号議案 会計監査人選任の件
当社の会計監査人である○○監査法人は、本定時株主総会の終結の時をもって任期満了となります。つきましては、会計監査人として△△監査法人を選任いただきたく存じます。
なお、本議案の内容は、会社法第344条第1項および第3項の規定に基づき、監査役会が決定したものです。
候補者の概要は、次のとおりです。
名称 △△監査法人
主たる事務所の所在場所 東京都○○区○○一丁目1番1号
沿革 2005年○月 △△監査法人設立/2015年○月 ○○事務所と合併/2024年○月 ○○業務部を新設
当社および当社子会社との特別の利害関係 当社および当社の子会社との間に、記載すべき特別の利害関係はありません。
新設ではなく現任者を再任する場合は、任期満了時に別段の決議がされなければ再任されたものとみなされるため(会社法 第338条第2項)、そもそも選任議案を提出する必要がありません。あえて再任の決議を取ることも可能ですが、みなし再任の仕組みを理解したうえで判断します。
候補者とした理由の記載例
会社法施行規則第77条第3号の「候補者とした理由」は、実務で最も差が出る項目です。「適任と判断したため」だけでは、監査役会が何を検討したのかが読み取れません。品質管理体制・独立性・体制面の3つの観点を具体的に書くと、監査役会の審議内容がそのまま伝わります。
監査役会が候補者とした理由
監査役会は、△△監査法人について、公認会計士法および会社法上の欠格事由に該当しないこと、当社および当社子会社との間に独立性を損なう関係がないことを確認しました。あわせて、同監査法人の品質管理体制、当社の事業規模および業種に対応した監査実施体制、監査計画の内容ならびに監査報酬の水準を検討した結果、会計監査人として適任であると判断したため、候補者といたしました。
監査役会議事録の記載例
議案の内容を監査役会が決定した事実は、監査役会議事録で残します。監査役会の議事については議事録を作成し、出席した監査役が署名または記名押印します(会社法 第393条第2項)。決議は監査役の過半数をもって行います(会社法 第393条第1項)。
第○号議案 会計監査人の選任に関する議案の内容の決定の件
議長は、当社の会計監査人である○○監査法人が第○期定時株主総会の終結の時をもって任期満了となるため、会社法第344条第1項および第3項の規定に基づき、同株主総会に提出する会計監査人の選任に関する議案の内容を決定する必要がある旨を説明した。
続いて議長は、候補者として△△監査法人を推薦し、同監査法人の品質管理体制、独立性、監査実施体制および監査報酬の見積りについて説明した。
慎重審議の結果、出席監査役全員の賛成により、第○期定時株主総会に提出する会計監査人選任議案の内容を、候補者を△△監査法人とする原案のとおり決定した。
報酬等の同意を同じ監査役会で決議する場合は、議案を分けて記載します。報酬等の決定に関する同意については、後述します。
株主総会の決議要件と定足数
会計監査人の選任決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の過半数をもって行う普通決議です(会社法 第309条第1項)。
ここで見落とされやすいのが、取締役・監査役の選任決議に適用される定足数の下限(議決権の3分の1)の規定は、会計監査人には適用されないという点です。会社法第341条は「役員を選任し、又は解任する株主総会の決議」を対象としており、この「役員」は取締役・会計参与・監査役を指します(会社法 第329条第1項)。会計監査人は役員に含まれないため、定款で定足数を完全に排除している会社では、会計監査人の選任は定足数の制約なく決議できます。
解任については、株主総会の決議でいつでも解任できるほか(会社法 第339条第1項)、職務上の義務違反・非行・心身の故障がある場合には、監査役会が監査役全員の同意によって解任できます(会社法 第340条第1項、第2項、第4項)。この場合、監査役会が選定した監査役が、解任後最初に招集される株主総会でその旨と理由を報告します(会社法 第340条第3項、第4項)。なお、会計監査人は、選任・解任・不再任・辞任について、株主総会に出席して意見を述べることができます(会社法 第345条第5項において準用する同条第1項)。
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選任後に必要な手続
株主総会で選任した後も、登記・報酬の決定・事業報告への記載という3つの実務が続きます。特に登記は期限が短く、失念すると過料の対象になります。
| 就任の承諾 | 候補者から就任承諾書を受領します。監査法人の場合は、社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、会社に通知してもらいます(会社法 第337条第2項)。 |
|---|---|
| 変更の登記 | 会計監査人設置会社である旨および会計監査人の氏名または名称は登記事項です(会社法 第911条第3項第19号)。変更が生じたときは2週間以内に本店所在地で変更の登記をします(会社法 第915条第1項)。登記を怠ると100万円以下の過料の対象になります(会社法 第976条第1号)。 |
| 報酬等の決定と 監査役会の同意 |
取締役が会計監査人の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が2人以上ある場合はその過半数)の同意が必要です(会社法 第399条第1項)。監査役会設置会社では監査役会の同意となります(同条第2項)。 |
| 事業報告への記載 | 会計監査人の氏名または名称、報酬等の額と同意した理由、非監査業務の対価、解任・不再任の決定の方針などを事業報告に記載します(会社法施行規則 第126条)。 |
報酬等の同意に関する議事録の記載例
報酬等の同意は、金額を追認するだけの形式手続ではありません。事業報告には「同意をした理由」を記載する必要があるため(会社法施行規則 第126条第2号)、何を検討して相当と判断したのかを議事録に残しておくと、そのまま事業報告の記載につながります。
第○号議案 会計監査人の報酬等に対する同意の件
議長は、取締役が定めようとする第○期の会計監査人の報酬等の額が金○○円である旨を説明した。監査役会は、監査計画の内容、監査時間の見積り、前期の監査実績との比較および報酬単価の水準を検討した結果、当該報酬等の額は当社の事業規模および監査手続の内容に照らして相当であると認めた。
審議の結果、出席監査役全員の賛成により、会社法第399条第1項および第2項の同意をすることを決定した。
報酬水準の目安や決まり方については、次のコラムで規模別のデータとともに整理しています。
関連コラム会社法監査の費用相場と決まり方|会計監査人報酬の実務▸
実務で起きやすい誤り
会計監査人の選任議案をめぐる誤りは、会社法上の決定権の所在を取り違えていることが原因になっている場合がほとんどです。実務で見かける典型例を挙げます。
- 取締役会が議案を確定してしまう: 監査役会が決定するのは「議案の内容」そのものです(会社法 第344条第1項、第3項)。取締役会での決定は招集の決定にとどめます。
- 監査役会の決議日が取締役会より後になる: 議案の内容が決まっていない状態で招集を決定することになるため、開催順を逆算して押さえます。
- 「候補者とした理由」が一文で終わっている: 会社法施行規則第77条第3号の法定記載事項です。独立性・品質管理体制・監査体制の検討結果を具体的に書きます。
- 子会社との非監査報酬の関係を確認していない: 会社法第337条第3項第2号の欠格事由に触れるおそれがあります。子会社を含めて洗い出します。
- 登記の2週間を徒過する: 会計監査人の氏名・名称は登記事項であり(会社法 第911条第3項第19号)、変更から2週間以内の登記が必要です(会社法 第915条第1項)。
- 現任者の再任に選任議案を出している: 別段の決議がなければ再任されたものとみなされます(会社法 第338条第2項)。不再任とする場合にこそ、監査役会の決定と議案が必要になります。
また、会計監査人が監査役と意見を異にする場合には定時株主総会に出席して意見を述べることができ、株主総会で出席を求める決議があったときは出席して意見を述べなければなりません(会社法 第398条第1項、第2項)。監査役と会計監査人の役割分担については、次のコラムで整理しています。
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まとめ
会計監査人の選任議案は、監査役会が内容を決定し、取締役会が招集を決定して参考書類に載せる、という二段構えの手続です。決定権の所在を取り違えると、株主総会の議案そのものが会社法の手続を欠くことになります。
実務で押さえるべき要点は次のとおりです。
- 議案の内容を決定するのは監査役・監査役の過半数・監査役会・監査等委員会・監査委員会のいずれかで、機関設計により異なります(会社法 第344条、第399条の2第3項第2号、第404条第2項第2号)。
- 株主総会参考書類には、候補者の基本情報から責任限定契約・補償契約・業務停止処分まで、会社法施行規則第77条の各号を漏れなく記載します。
- 選任決議は普通決議で、取締役・監査役のような定足数の下限規定(会社法 第341条)は適用されません。
- 選任後は、就任承諾・2週間以内の変更登記・報酬等への監査役会の同意・事業報告への記載まで一連で完了させます。
候補者の欠格事由の該当性や、機関設計に応じた決定機関の判断は、個社の資本関係や契約状況によって結論が変わります。具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。
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よくある質問
会計監査人の選任議案は取締役会で決めてよいですか。
監査役設置会社では、株主総会に提出する会計監査人の選任議案の内容は監査役が決定し、監査役が2人以上いる場合は監査役の過半数、監査役会設置会社では監査役会が決定します(会社法 第344条第1項、第2項、第3項)。取締役会が決定するのは株主総会の招集であり、議案の内容ではありません。
現在の会計監査人を続けてもらう場合、再任の議案は必要ですか。
会計監査人の任期は選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までですが、その定時株主総会で別段の決議がされなかったときは再任されたものとみなされます(会社法 第338条第1項、第2項)。したがって、続投させる場合に選任議案を提出する必要はありません。
株主総会参考書類には「候補者とした理由」をどこまで書きますか。
会社法施行規則第77条第3号は、監査役会等が当該候補者を会計監査人の候補者とした理由を記載事項としています。条文上の分量の定めはありませんが、欠格事由への非該当、独立性、品質管理体制、事業規模に応じた監査実施体制、報酬水準といった検討事項を具体的に示すと、監査役会の審議内容が読み取れる記載になります。
会計監査人の選任決議に定足数はありますか。
会計監査人の選任は普通決議で、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権の過半数を有する株主の出席と出席株主の議決権の過半数で決議します(会社法 第309条第1項)。取締役・会計参与・監査役の選任に適用される定足数の下限規定(会社法 第341条)は役員を対象とするもので、役員に含まれない会計監査人には適用されません(会社法 第329条第1項)。
税務顧問を依頼している会計事務所を会計監査人の候補者にできますか。
会社の子会社またはその取締役・会計参与・監査役・執行役から、公認会計士または監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者およびその配偶者は、会計監査人となることができません(会社法 第337条第3項第2号)。税務顧問報酬の支払関係がある場合は、子会社を含めて該当性を確認したうえで候補者を選定します。
選任後の登記はいつまでに行いますか。
会計監査人設置会社である旨および会計監査人の氏名または名称は登記事項であり(会社法 第911条第3項第19号)、変更が生じたときは2週間以内に本店の所在地で変更の登記をする必要があります(会社法 第915条第1項)。登記を怠った場合は100万円以下の過料の対象となります(会社法 第976条第1号)。
会計監査人の報酬はどのように決めますか。
取締役が会計監査人または一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が2人以上ある場合はその過半数)の同意を得なければなりません(会社法 第399条第1項)。監査役会設置会社では監査役会の同意となり(同条第2項)、同意をした理由は事業報告の記載事項です(会社法施行規則 第126条第2号)。
本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。



