監査役監査と会計監査人監査の違い|相当性判断のチェックリスト
目次
- 監査役監査と会計監査人監査の違い(早見表)
- 監査役の位置づけ
- 会計監査人の位置づけ
- 誰が何を監査するのか
- 相当性判断のチェックリスト
- 1. 会計監査人の職務の遂行体制を確認する
- 2. 監査の方法が相当かを確認する
- 3. 監査の結果が相当かを確認する
- 4. 期中の連携が機能していたかを確認する
- 5. 「相当でない」と認めた場合に何が起きるかを理解しておく
- 決算期の作業順序と通知の流れ
- 監査役が会計監査人に対して持つ権限
- 実務で起きやすい取り違え
- 監査報告に会計監査人と同じ適正意見を書いてしまう
- 事業報告の監査を会計監査人がやると思い込む
- 後発事象の記載範囲を重複させる
- 監査範囲限定の監査役と混同する
- まとめ
- 参考文献
- よくある質問
- 監査役の監査報告に「適正意見」を書いてよいですか。
- 「相当でない」と認める基準は条文にありますか。
- 会計監査人は事業報告も監査しますか。
- 会計監査人の報酬は誰が決めますか。
- 監査役の監査報告はいつまでに通知する必要がありますか。
会社法監査が始まると、決算期に「監査役の監査報告」と「会計監査人の会計監査報告」という二つの報告書が並びます。どちらも計算書類を対象にしているのに、書かれている内容がまったく違う。この違いを一言でいうと、会計監査人は計算書類そのものに意見を述べ、監査役は会計監査人の監査の方法と結果が相当かどうかを判断するという役割分担です。
ここを取り違えると、監査役の監査報告に会計監査人と同じ適正意見を書いてしまったり、逆に相当性の判断根拠を何も残さないまま署名してしまったりします。この記事では、両者の違いを条文ベースで整理したうえで、監査役が決算期に実際に使える「相当性判断のチェックリスト」を先にお渡しします。
監査役監査と会計監査人監査の違い(早見表)
まず全体像です。会計監査人設置会社では、監査役と会計監査人の両方が置かれます(会社法 第327条第3項)。二つの監査は重複しているのではなく、対象・資格・任期・報告の性質のすべてが異なります。
監査役の位置づけ
| 監査の対象 | 取締役(会計参与設置会社では取締役及び会計参与)の職務の執行の全般。業務監査と会計監査の両方を含みます。 |
|---|---|
| 根拠となる条文 | 会社法 第381条第1項 |
| 資格要件 | 資格の定めはありません。ただし当該会社・子会社の取締役や使用人等との兼任は禁止されます(会社法 第335条第2項)。 |
| 任期 | 選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで(会社法 第336条第1項)。 |
| 作成する報告書 | 監査報告(会社法 第381条第1項) |
| 会計監査人設置会社 での会計に関する結論 |
計算書類への適正意見ではなく、会計監査人の監査の方法又は結果の相当性についての判断(会社計算規則 第127条第2号)。 |
会計監査人の位置づけ
| 監査の対象 | 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類、連結計算書類。事業報告は対象外です。 |
|---|---|
| 根拠となる条文 | 会社法 第396条第1項 |
| 資格要件 | 公認会計士又は監査法人でなければなりません(会社法 第337条第1項)。 |
| 任期 | 選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで。別段の決議がなければ再任とみなされます(会社法 第338条第1項、第2項)。 |
| 作成する報告書 | 会計監査報告(会社法 第396条第1項) |
| 会計に関する結論 | 計算書類が財産及び損益の状況を全ての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見(会社計算規則 第126条第1項第2号)。 |
実務で最も誤解が多いのは、最後の行です。会計監査人設置会社の監査役は、計算書類そのものに「適正である」という意見を述べません。会計監査人設置会社でない監査役の監査報告には、計算関係書類が適正に表示しているかどうかについての意見を記載しますが(会社計算規則 第122条第1項第2号)、会計監査人設置会社の監査役の監査報告にこの項目はなく、代わりに相当性の判断が入ります(会社計算規則 第127条)。会計監査人を新たに設置した年度に、前年までの監査報告の文例をそのまま流用して事故が起きやすいのはこの部分です。
誰が何を監査するのか
会計監査人設置会社では、書類ごとに監査する者が分かれます。計算書類及びその附属明細書は監査役と会計監査人の両方の監査を受け、事業報告及びその附属明細書は監査役だけの監査を受けます(会社法 第436条第2項第1号、第2号)。連結計算書類も監査役と会計監査人の両方の監査の対象です(会社法 第444条第4項)。
事業報告について監査役が述べるのは、法令又は定款に従い当該株式会社の状況を正しく示しているかどうかについての意見であり、こちらは会計監査人の関与しない監査役固有の領域です(会社法施行規則 第129条第1項第2号)。
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相当性判断のチェックリスト
ここからが本題です。会計監査人設置会社の監査役は、会計監査人の監査の方法又は結果を相当でないと認めたときに、その旨及び理由を監査報告に記載します(会社計算規則 第127条第2号)。裏を返せば、何も書かないという判断そのものが「相当と認めた」という積極的な結論であり、その判断過程を残しておく必要があります。
条文は「相当性をどう判断するか」までは定めていません。そこで実務では、次の観点を期中から期末にかけて確認し、監査役会の議事録や監査調書に残していく形が定着しています。以下は決算期にそのまま使えるチェック項目です。
1. 会計監査人の職務の遂行体制を確認する
これは条文上、監査報告の記載事項そのものです。会計監査人の職務の遂行が適正に実施されることを確保するための体制に関する事項を、監査役の監査報告に記載しなければなりません(会社計算規則 第127条第4号)。会計監査人側も、会計監査報告の内容を通知する際に、独立性に関する事項その他監査に関する法令及び規程の遵守に関する事項、業務の契約の受任及び継続の方針に関する事項、職務の遂行が適正に行われることを確保するための体制に関するその他の事項を通知する義務を負います(会社計算規則 第131条)。
- 独立性に関する事項の通知を受領し、当社及び子会社との間に独立性を損なう関係がないことを確認したか
- 監査に関する法令及び規程の遵守に関する事項の説明を受け、内容を検討したか
- 監査契約の受任及び継続の方針の説明を受けたか
- 品質管理体制に関する説明を受け、監査役会として質疑を行ったか
- これらの通知が会計監査報告の内容の通知に際して行われたことを記録したか(会社計算規則 第131条)
2. 監査の方法が相当かを確認する
監査計画の説明から期末の総括まで、会計監査人が計画した手続が実際に実施され、重要な論点に対応できていたかを追います。監査役は職務を行うため必要があるときに、会計監査人に対しその監査に関する報告を求めることができますので(会社法 第397条第2項)、疑問点は照会し、回答内容を記録に残します。
- 期初に監査計画(監査の重点項目、監査時間、往査先、関与メンバーの構成)の説明を受けたか
- 重要な虚偽表示リスクとして識別された項目が、当社の事業内容・当期の重要な取引と整合しているか
- 期中に計画の変更があった場合、その理由と対応の説明を受けたか
- 子会社や在外拠点の往査範囲が、企業集団の重要性に照らして妥当か
- 期末に監査の実施状況と結論の総括的な説明(監査上の主要な検討事項を含む場合はその内容を含む)を受けたか
3. 監査の結果が相当かを確認する
会計監査報告に記載された意見の類型と、その理由の整合性を確認します。会計監査報告に記載される意見は、無限定適正意見、除外事項を付した限定付適正意見、不適正意見のいずれかであり、意見がないときはその旨及び理由が記載されます(会社計算規則 第126条第1項第2号、第3号)。
- 意見の類型と、監査の過程で報告を受けた事実関係が整合しているか
- 限定付適正意見・不適正意見の場合、除外事項の内容と理由の説明に納得できるか
- 継続企業の前提に関する注記に係る事項の記載の有無と、その判断根拠を確認したか(会社計算規則 第126条第1項第4号)
- 追記情報(会計方針の変更、重要な偶発事象、重要な後発事象など)の内容が、監査役が把握している事実と一致しているか(会社計算規則 第126条第2項)
- 事業報告及びその附属明細書の内容と、計算関係書類の内容又は会計監査人が監査の過程で得た知識との間の重要な相違等について、報告すべき事項の有無を確認したか(会社計算規則 第126条第1項第5号)
- 未修正の虚偽表示(監査差異)の一覧と、修正しないと判断した理由の説明を受けたか
4. 期中の連携が機能していたかを確認する
会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なくこれを監査役に報告しなければなりません(会社法 第397条第1項)。監査役会設置会社ではこの報告先は監査役会です(会社法 第397条第3項)。この経路が実際に機能していたかも相当性判断の材料になります。
- 会計監査人との定期的な会合(三様監査の連携会議を含む)を年間で何回持ったかを記録しているか
- 内部監査部門が把握した事象が会計監査人へ共有され、監査手続に反映されたか
- 会計監査人から不正の行為又は法令・定款違反の重大な事実の報告を受けた場合、監査役会として対応を決議し記録したか
- 当社から会計監査人への資料提出・回答が遅延し、監査手続に支障が生じていなかったか
5. 「相当でない」と認めた場合に何が起きるかを理解しておく
相当性の判断は形式的な確認作業ではありません。監査役会の監査報告に会計監査人の監査の方法又は結果を相当でないと認める意見があると、計算書類の定時株主総会での承認を省略する特則が使えなくなります。
会計監査人設置会社では、一定の要件を満たす場合に計算書類を定時株主総会の承認事項ではなく報告事項とすることができます(会社法 第439条)。その要件は、会計監査報告に無限定適正意見に相当する事項が含まれていること、監査役会等の監査報告の内容として会計監査人の監査の方法又は結果を相当でないと認める意見がないこと、監査報告に付記された内容がその意見でないこと、計算関係書類が通知期限の経過により監査を受けたものとみなされたものでないこと、取締役会を設置していることの5つです(会社計算規則 第135条)。
| 会計監査報告の意見 | 無限定適正意見に相当する事項が含まれていること(会社計算規則 第135条第1号) |
|---|---|
| 監査役会等の監査報告 | 会計監査人の監査の方法又は結果を相当でないと認める意見がないこと(会社計算規則 第135条第2号) |
| 監査報告への付記 | 付記された内容が、相当でないと認める意見でないこと(会社計算規則 第135条第3号) |
| 通知期限との関係 | 計算関係書類が通知期限の経過により監査を受けたものとみなされたものでないこと(会社計算規則 第135条第4号) |
| 機関設計 | 取締役会を設置していること(会社計算規則 第135条第5号) |
したがって、相当でないと認める判断に至りそうな場合は、招集通知の記載や総会の議事も含めて対応を組み替える必要があります。決算日程が固まってから慌てないよう、期中の連携の段階で兆候をつかんでおくことが実務上の要点です。
決算期の作業順序と通知の流れ
相当性の判断は、会計監査報告を受け取ってから行います。会社法の想定する順序は次のとおりです。
- 取締役(指名委員会等設置会社では執行役)が計算関係書類を会計監査人に提供する際、監査役にも同じものを提供する(会社計算規則 第125条)
- 会計監査人が特定監査役及び特定取締役に会計監査報告の内容を通知する。期限は計算書類の全部を受領した日から4週間を経過した日、附属明細書を受領した日から1週間を経過した日、三者の合意により定めた日のいずれか遅い日(会社計算規則 第130条第1項第1号)
- 会計監査人が同時に、独立性・遵守体制等に関する事項を通知する(会社計算規則 第131条)
- 監査役が会計監査報告を踏まえて相当性を判断し、監査報告を作成する(会社計算規則 第127条)
- 監査役会設置会社では、監査役会が監査役の監査報告に基づき監査役会の監査報告を作成し、その内容を1回以上の会議又は同時に意見交換できる方法で審議する(会社計算規則 第128条)
- 特定監査役が特定取締役及び会計監査人に監査報告の内容を通知する。期限は会計監査報告を受領した日から1週間を経過した日、又は合意により定めた日のいずれか遅い日(会社計算規則 第132条第1項第1号)
注意が必要なのは、監査役の監査報告の通知期限の起算点が「会計監査報告を受領した日」である点です。会計監査報告の通知が遅れれば監査役の作業時間も後ろにずれますが、監査役側の期限は1週間で固定されています。相当性の検討を会計監査報告の受領後から始めると間に合いません。期中の連携でおおむねの心証を作っておき、受領後は最終確認に充てる進め方が現実的です。
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監査役が会計監査人に対して持つ権限
役割分担を理解するうえで見落とされがちなのが、監査役が会計監査人の選任・報酬・解任について決定的な関与を持っている点です。会計監査人は取締役会が選ぶのではありません。
| 選任・解任・不再任 に関する議案の内容 |
監査役設置会社では監査役が決定します。監査役が二人以上ある場合は監査役の過半数、監査役会設置会社では監査役会が決定します(会社法 第344条)。 |
|---|---|
| 報酬等への同意 | 取締役が会計監査人の報酬等を定める場合、監査役(二人以上あるときはその過半数)の同意が必要です。監査役会設置会社では監査役会の同意です(会社法 第399条第1項、第2項)。 |
| 解任 | 職務上の義務違反、職務懈怠、会計監査人としてふさわしくない非行、心身の故障による職務執行の支障のいずれかに該当するとき、監査役は会計監査人を解任できます。監査役が二人以上ある場合は全員の同意が必要です(会社法 第340条第1項、第2項)。 |
| 意見の相違があるとき | 計算書類等が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人は定時株主総会に出席して意見を述べることができます(会社法 第398条第1項)。 |
報酬等への同意は、監査時間や監査体制が相当性判断に耐える水準にあるかを確認する場面でもあります。報酬の妥当性を検討する際は、監査計画上の工数と重点項目の説明を受け、同意の判断根拠を監査役会の議事録に残しておくことをおすすめします。
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実務で起きやすい取り違え
監査報告に会計監査人と同じ適正意見を書いてしまう
会計監査人を設置した最初の年度に多い誤りです。前年までの監査報告は会計監査人設置会社でない監査役の様式(会社計算規則 第122条)で作られており、計算関係書類の適正表示についての意見が入っています。会計監査人設置会社になった後の監査役の監査報告には、この意見に代えて相当性の判断が入ります(会社計算規則 第127条第2号)。様式の切替えを忘れると、監査役が会計の専門家として適正意見を述べたことになり、権限と責任の範囲を超えてしまいます。
事業報告の監査を会計監査人がやると思い込む
事業報告及びその附属明細書は、会計監査人の監査の対象ではありません(会社法 第436条第2項第2号)。内部統制システムの運用状況の概要や、企業集団における業務の適正を確保するための体制について、その内容が相当でないと認めるときは監査役がその旨及び理由を監査報告に記載します(会社法施行規則 第129条第1項第5号)。ここは監査役が自ら手続を組み立てなければならない領域です。
後発事象の記載範囲を重複させる
会計監査人設置会社の監査役の監査報告に記載する重要な後発事象は、会計監査報告の内容となっているものを除いたものです(会社計算規則 第127条第3号)。会計監査報告の追記情報にすでに記載されている後発事象を監査役の監査報告に重ねて書く必要はありません。会計監査報告を受領した段階で、記載済みの事象を突き合わせて切り分けます。
監査範囲限定の監査役と混同する
公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く)は、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができます(会社法 第389条第1項)。この定めがある会社は、そもそも会計監査人を置くことができません。会計監査人を設置する場合には、この定款の定めを廃止し、業務監査権限を持つ監査役を置く必要があります(会社法 第327条第3項)。定款変更を伴うため、設置を決めた時点で株主総会の議案設計に織り込みます。
まとめ
監査役監査と会計監査人監査の違いは、次の3点に集約できます。
- 対象が違う ── 会計監査人は計算書類・附属明細書・臨時計算書類・連結計算書類に限られ(会社法 第396条第1項)、監査役は取締役の職務の執行の全般を監査します(会社法 第381条第1項)。事業報告は監査役だけの領域です(会社法 第436条第2項第2号)。
- 述べる結論が違う ── 会計監査人は計算書類の適正表示についての意見を述べ(会社計算規則 第126条第1項第2号)、会計監査人設置会社の監査役は会計監査人の監査の方法又は結果の相当性を判断します(会社計算規則 第127条第2号)。
- 結論が制度に与える効果が違う ── 監査役会の監査報告に相当でないと認める意見があると、計算書類の株主総会承認を省略する特則が使えません(会社法 第439条、会社計算規則 第135条)。
相当性の判断は、決算期の数日で作れるものではありません。監査計画の説明から期中の連携、独立性と品質管理体制の確認までを一年を通して積み上げ、記録として残しておくことが、監査報告に署名する根拠になります。上記のチェックリストを監査役会の年間計画に落とし込み、会合ごとに確認済みの項目を埋めていく運用が実務では機能します。
会計監査人の新規設置や交代を検討している場合、機関設計と定款の見直し、監査役会の体制整備が同時に必要になります。個別の事情によって論点は変わりますので、具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。
会社法監査の無料見積り・ご相談はこちら参考文献
よくある質問
監査役の監査報告に「適正意見」を書いてよいですか。
会計監査人設置会社では書きません。会計監査人設置会社の監査役の監査報告の記載事項は、監査の方法及びその内容、会計監査人の監査の方法又は結果を相当でないと認めたときはその旨及び理由、会計監査報告の内容となっていない重要な後発事象、会計監査人の職務の遂行が適正に実施されることを確保するための体制に関する事項、必要な調査ができなかったときはその旨及び理由、作成日です(会社計算規則 第127条)。計算関係書類の適正表示についての意見を述べるのは、会計監査人設置会社でない監査役の監査報告です(会社計算規則 第122条第1項第2号)。
「相当でない」と認める基準は条文にありますか。
条文には判断基準の定めがなく、監査役の判断に委ねられています。実務では、会計監査人から受領した独立性・遵守体制等に関する通知(会社計算規則 第131条)、監査計画と実施状況の説明、会計監査報告の意見と追記情報の内容を突き合わせ、方法と結果の双方について検討した記録を残す形が一般的です。判断の結果として相当でないと認めた場合は、その旨と理由を監査報告に記載します(会社計算規則 第127条第2号)。
会計監査人は事業報告も監査しますか。
監査しません。会計監査人の監査の対象は計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類、連結計算書類です(会社法 第396条第1項)。事業報告及びその附属明細書は監査役の監査を受けます(会社法 第436条第2項第2号)。ただし会計監査人は、事業報告等の内容と計算関係書類の内容又は監査の過程で得た知識との間に重要な相違等があるときは、報告すべき事項の有無と内容を会計監査報告に記載します(会社計算規則 第126条第1項第5号)。
会計監査人の報酬は誰が決めますか。
報酬等を定めるのは取締役ですが、監査役(監査役が二人以上ある場合はその過半数)の同意が必要です。監査役会設置会社では監査役会の同意となります(会社法 第399条第1項、第2項)。また、株主総会に提出する会計監査人の選任・解任・不再任に関する議案の内容は監査役(監査役会設置会社では監査役会)が決定します(会社法 第344条)。
監査役の監査報告はいつまでに通知する必要がありますか。
会計監査人設置会社の特定監査役は、連結計算書類以外の計算関係書類についての監査報告であれば、会計監査報告を受領した日から1週間を経過した日、又は特定取締役及び特定監査役の間で合意により定めた日のいずれか遅い日までに、特定取締役及び会計監査人に内容を通知します(会社計算規則 第132条第1項第1号)。期限までに通知しない場合、その日に監査を受けたものとみなされます(会社計算規則 第132条第3項)。
本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。



