労働組合の決算整理【仕訳例】未収組合費・前受組合費・未払金の計上
目次
- 決算整理仕訳が必要になる理由
- 会計報告に求められる「現在の経理状況」
- 法定の会計基準はなく、会計規程で決める
- 期中は現金預金ベース、期末に発生主義で調整
- 決算整理の前に決める「資金の範囲」
- 労働組合会計基準が例示する4つの資金の範囲
- 資金の範囲に含めない項目は見返勘定で受ける
- 本記事の作例の前提
- 決算整理仕訳の作例(未収組合費・前受組合費・未払金)
- 未収組合費の計上
- 前受組合費の計上
- 未払金の計上
- 自社作例:年度末の決算整理仕訳(資金の範囲(3)の組合)
- 翌年度の入金・支払時の仕訳
- 資金の範囲を現金預金とする組合の仕訳
- 年度末に洗い出す項目チェックリスト
- 会計監査で指摘されやすい期ズレ
- 期ズレの典型パターン
- 会計監査人が確認する手順
- 会計規程と注記への落とし込み
- まとめ
- 参考文献
- よくある質問
- 労働組合は決算整理をしなければならないと法律で決まっていますか。
- チェックオフの3月分組合費が4月に入金されました。どちらの年度の収入ですか。
- 資金の範囲を現金預金だけにしている場合、未収組合費は計上しなくてよいですか。
- 少額の未払金まですべて計上する必要がありますか。
- 期ズレが見つかった場合、前年度の決算書を作り直す必要がありますか。
労働組合の決算整理とは、期中に現金預金の出入りで付けてきた帳簿を、年度末に「その年度に属する収入・支出」へ合わせ直す作業です。中心になるのは、未収組合費・前受組合費・未払金の3つの計上です。
労働組合には法律で定められた会計基準がなく、どこまで調整するかは組合ごとの会計規程で決まります。本記事では、日本公認会計士協会の労働組合会計基準が示す「資金の範囲」の考え方を軸に、3月決算の単位組合を想定した自社作例の仕訳表と、年度末の洗い出しチェックリストを掲載します。会計監査で指摘を受けやすい期ズレの見つけ方もあわせて整理します。
決算整理仕訳が必要になる理由
会計報告に求められる「現在の経理状況」
労働組合の規約には、すべての財源及び使途、主要な寄附者の氏名、現在の経理状況を示す会計報告を、職業的に資格がある会計監査人による正確であることの証明書とともに、少なくとも毎年1回組合員に公表する旨を定めることとされています(労働組合法 第5条第2項第7号)。労働組合は、規約がこの規定を含むことなどを労働委員会に証拠を出して立証しなければ、労働組合法に定める手続に参与する資格を持たず、同法の救済も受けられません(労働組合法 第5条第1項)。
「現在の経理状況」を示すには、年度末時点で組合が持っている権利と負っている支払義務を、漏れなく貸借対照表に載せる必要があります。3月分の組合費が4月に入金される、3月に開いた会議の請求書が4月に届く、といった年度をまたぐ取引を放置すると、収支計算書も貸借対照表も実態とずれてしまいます。
法定の会計基準はなく、会計規程で決める
労働組合法には勘定科目や計算書類の様式、決算整理の方法を定めた規定はありません。実務のよりどころとして広く使われているのが、日本公認会計士協会が1985年10月8日に公表した公益法人委員会報告第5号「労働組合会計基準」です。この基準自体も、各組合が会計規程を定めるときの指針という位置づけで、適用は個々の組合の判断に委ねられています。
そのうえで同基準は、会計帳簿を複式簿記の原則に従って記帳すること、会計処理の方法を毎年度継続して適用し、みだりに変更しないことを一般原則に掲げています(労働組合会計基準 第1 2(2)(3))。決算整理の方法も、いったん会計規程で決めたら毎年同じやり方で続けることが前提になります。
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期中は現金預金ベース、期末に発生主義で調整
多くの組合では、期中の記帳は現金出納帳・預金出納帳を中心に、お金が動いた日に収入・支出を計上するのが一般的です。予算の執行管理も現金預金の動きで行うほうが分かりやすいためです。
そのうえで年度末にだけ、入金・支払が翌年度にずれ込んだものや、翌年度分を先に受け取ったものを拾い出し、年度の帰属を直します。これが労働組合における決算整理の実体です。期中から発生主義で記帳する必要はなく、期末の1回で年度のずれを直すと考えると作業の範囲が見えやすくなります。
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決算整理の前に決める「資金の範囲」
労働組合会計基準が例示する4つの資金の範囲
労働組合会計基準では、収支計算書の収入を「資金の増加」、支出を「資金の減少」として計算します。そのため、何を「資金」に含めるかによって、未収組合費や未払金が収支計算書に出るかどうかが変わります。基準は資金の範囲として次の4つを例示し、組合の規模や資産構成に応じて各組合が選べるとしています(労働組合会計基準 注解 注2)。
| (1)現金預金 | 現金と預金だけを資金とする。年度末に未収・未払・前受を計上しても収支計算書の収入・支出は動かない |
|---|---|
| (2)現金預金及び 短期金銭債権債務 |
未収組合費・未払金なども資金に含む。年度末の未収・未払が当年度の収入・支出になる |
| (3)(2)に前払金・ 前受組合費・市場性ある 一時的所有の有価証券 を加える |
前受組合費も資金に含むため、翌年度分の前納を当年度の収入から外す処理が収支計算書に反映される |
| (4)正味運転資金 | 流動資産から流動負債を差し引いた額を資金とする。範囲が最も広い |
どれを選んでも誤りではありませんが、選んだ範囲は計算書類に注記し、毎年度同じ範囲を使い続けることが求められます(労働組合会計基準 第1 2(3)、第1 6)。同基準の注記例でも、資金の範囲に何を含めているかを記載する形が示されています。
資金の範囲に含めない項目は見返勘定で受ける
(1)の現金預金だけを資金とする組合でも、年度末に未収組合費や未払金があれば、貸借対照表には資産・負債として載せる必要があります。貸借対照表は、年度末時点の資産・負債と正味財産を漏れなく示す書類と位置づけられているためです(労働組合会計基準 第4 1)。このとき、資金の範囲に含まれない流動資産・流動負債に対応する見返勘定として、労働組合会計基準の解釈指針は「その他資産見返正味財産」「その他負債見返正味財産」を挙げています。いずれも固定資産等見返正味財産の内訳にあたり、作成例では一括表示の形が示されていますが、性質を表す科目で個別に表示することもでき、負債側を個別に表示するときは正味財産の控除項目になります(労働組合会計基準解釈指針 3(5))。
つまり、資金の範囲によって決算整理仕訳の相手科目が変わります。資金に含める項目は収入・支出科目を相手に、含めない項目は見返正味財産を相手に計上する、という整理です。
本記事の作例の前提
以下の作例は、資金の範囲を(3)とする組合、すなわち未収組合費・未払金・前受組合費をいずれも資金に含める組合を基本形として示します。労働組合会計基準の注記例でも示されている範囲で、決算整理の結果が収支計算書と予算対比にそのまま反映されるため、組合員にとっても読みやすい計算書類になります。(1)の組合の仕訳は後半で対比します。
決算整理仕訳の作例(未収組合費・前受組合費・未払金)
未収組合費の計上
チェックオフ(会社が給与から組合費を控除して組合に引き渡す仕組み)では、3月の給与から控除された組合費が、会社の締め日や送金日の関係で翌月の4月に入金されることがあります。この3月分は、組合員が3月に負担した当年度の組合費です。入金が4月でも、年度末に未収組合費として当年度の収入に計上します。
直接納入の組合員に滞納があり、回収の見込みがあるものも同じく未収組合費に含めます。回収の見込みが乏しい滞納分まで機械的に計上すると、貸借対照表に回収できない資産が残り続けるため、規約上の扱い(除籍・免除など)とあわせて年度末に判断します。
前受組合費の計上
休職中の組合員などが、翌年度の数か月分の組合費をまとめて3月に前納することがあります。期中は入金時に組合費収入として記帳しているため、年度末に翌年度分を組合費収入から外し、前受組合費(負債)へ振り替えます。前受組合費は、労働組合会計基準の科目例でも流動負債に掲げられている科目です(労働組合会計基準 第1 5・計算書類の科目例)。
未払金の計上
3月に開いた定期大会の会場費や、3月に発行した機関紙の印刷代など、年度内に役務の提供を受けたのに支払が4月になるものは、当年度の支出として未払金を計上します。役員が3月に立て替えた交通費で、精算が4月になるものも同様です。請求書の日付ではなく、会議や印刷などの事実が年度内にあったかで判断します。
自社作例:年度末の決算整理仕訳(資金の範囲(3)の組合)
前提は、3月決算の単位組合で、年度末に次の3点が判明したケースです(単位:円)。①3月給与から控除された組合費1,200,000円が4月10日に会社から入金予定、②休職中の組合員3名から翌年度4〜6月分の組合費計90,000円を3月に前納で受領済み(期中に組合費収入で記帳済み)、③3月の定期大会の会場費165,000円と3月号機関紙の印刷代330,000円を4月に支払予定。資金の範囲には未収組合費・未払金・前受組合費を含めています(労働組合会計基準 注解 注2)。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 未収組合費 | 1,200,000 | 組合費収入 | 1,200,000 |
| 組合費収入 | 90,000 | 前受組合費 | 90,000 |
| 会議費 | 165,000 | 未払金 | 495,000 |
| 情宣費 | 330,000 |
この3本の仕訳で、当年度の次年度繰越金は、現金預金だけで集計した場合と比べて次のように変わります。
決算整理をしないまま決算書を作ると、当年度の次年度繰越金が実態より615,000円小さく表示され、前年度に属する入金・支払が翌年度の収支に混ざり込みます。予算対比で「組合費収入が予算を1か月分下回った」「会議費が予算を大きく下回った」といった、実態と異なる差異が出る原因にもなります。
翌年度の入金・支払時の仕訳
資金の範囲に未収組合費・未払金・前受組合費を含めている場合、翌年度にこれらが入金・支払されても、資金の内部で形が変わるだけです。翌年度の収入・支出には二重に計上しません。前受組合費は、翌年度の該当月(4〜6月)が到来した時点で組合費収入へ振り替えます。前提は上の作例と同じです(単位:円)。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 現金預金 | 1,200,000 | 未収組合費 | 1,200,000 |
| 未払金 | 495,000 | 現金預金 | 495,000 |
| 前受組合費 | 90,000 | 組合費収入 | 90,000 |
期中を現金ベースで記帳している組合で起きやすいのが、4月の会社からの入金をそのまま「組合費収入」と記帳してしまう誤りです。前年度に未収組合費として収入計上済みの3月分を、翌年度にもう一度収入にすることになります。4月の入金明細は「前年度3月分」と「当年度4月分」を分けて記帳する、と会計規程や記帳マニュアルに書いておくと防げます。
資金の範囲を現金預金とする組合の仕訳
資金の範囲を(1)の現金預金だけとする組合では、未収組合費・未払金・前受組合費は資金の外にあるため、収支計算書の収入・支出は動かしません。基準と解釈指針には、この場面の仕訳例そのものは示されていません。以下は、解釈指針が挙げる見返勘定(労働組合会計基準解釈指針 3(5))を相手科目にして当事務所が組み立てた作例で、一つの考え方として示すものです。前提は上の作例と同じです(単位:円)。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 未収組合費 | 1,200,000 | その他資産見返正味財産 | 1,200,000 |
| その他負債見返正味財産 | 585,000 | 未払金 | 495,000 |
| 前受組合費 | 90,000 |
この形では、3月分の組合費は翌年度に入金した時点で翌年度の収入となり、会場費・印刷代も翌年度の支出になります。前納の90,000円は、受け取った当年度の収入に含まれたままです。翌年度に入金・支払や前受分の月の到来があったときは、計上した未収組合費・未払金・前受組合費と見返勘定をあわせて取り崩します。収支計算書は現金預金の出入りと一致する一方、年度の活動と収支の対応は(3)より粗くなります。どちらを採るかは、予算の立て方や組合員への説明のしやすさで選び、会計規程と注記で明らかにしておくことが大切です。見返勘定の科目名や表示の方法は、会計監査人とも事前にすり合わせておくと安心です。
年度末に洗い出す項目チェックリスト
決算整理の漏れは、科目ごとに「どの資料を見れば拾えるか」を決めておくと防げます。当事務所が労働組合の会計監査でまず確認する資料を、決算整理の洗い出し用に並べ替えると次のとおりです。
| 3月分の チェックオフ組合費 |
会社から届く控除明細の対象月と、預金通帳の入金日を照合する |
|---|---|
| 直接納入組合員の滞納 | 組合費納入台帳で3月までの未納者と金額を確認し、回収見込みを判断する |
| 翌年度分の前納 | 組合費納入台帳で、翌年度の月を対象とする入金がないか確認する |
| 上部団体への会費 | 3月分の請求書と、4月以降の支払記録を照合する |
| 3月の会議・行事・ 印刷の費用 |
4月以降に届いた請求書を開催日・発行日で年度に振り分ける |
| 役員・組合員の立替 | 4月に精算した立替精算書のうち、3月以前の活動分を抜き出す |
| 預金の受取利息 | 3月までの期間に対応する分で、入金が4月以降のものを確認する |
少額で計算書類の読み手の判断に影響しないものは、計上を省略する扱いも考えられます。労働組合会計基準も、会計処理と表示に重要性の原則が適用されるとしています(労働組合会計基準 注解 注1)。ただし、どの程度の金額なら省略するかを会計規程で決めておかないと、年度ごとに判断が揺れ、継続性の点で説明がつかなくなります。
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会計監査で指摘されやすい期ズレ
期ズレの典型パターン
期ズレとは、収入や支出を本来の年度と異なる年度に計上してしまうことです。労働組合の会計監査で見つかりやすいのは、次の5つです。
- 4月に入金された3月分のチェックオフ組合費を、翌年度の収入にしている
- 翌年度分の前納組合費を、全額当年度の収入にしている
- 3月に開いた大会・会議の費用を、請求書の到着が遅れたため翌年度の支出にしている
- 前年度に未収・未払として計上した分を、翌年度の入金・支払時にもう一度収入・支出にしている
- 未収・未払を計上する年としない年があり、処理の方法が毎年変わっている
最後のパターンは、個々の金額が小さくても、継続性の原則に反する点で指摘の対象になります(労働組合会計基準 第1 2(3))。担当者の交代時に起きやすいため、決算整理の手順を文書にして引き継ぐことが有効です。
会計監査人が確認する手順
会計監査人は、年度末前後の入出金と請求書・明細の日付を突き合わせ、計上年度が正しいかを確かめるのが一般的です。具体的には、4月・5月の預金通帳の入金と支払を一件ずつ見て、前年度に属するものが未収組合費・未払金として計上されているかを確認します。
あわせて、収支計算書の次年度繰越金と、貸借対照表の正味財産の部の次年度繰越金が一致しているかも確認されます。複式簿記で記帳していれば、この一致が自動的な検証の役割を果たします(労働組合会計基準解釈指針 1(2))。決算整理仕訳を収支計算書だけに反映し、貸借対照表に未収組合費や未払金を載せ忘れると、ここで不一致が見つかります。
会計報告に添える証明書は、組合員によって委嘱された職業的に資格がある会計監査人が作成するものとされています(労働組合法 第5条第2項第7号)。決算整理の段階で年度帰属を固めておくと、監査での修正が減り、大会までの日程にも余裕が生まれます。
労働組合の会計監査は公認会計士へ
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関連コラム労働組合の会計監査チェックリスト|組合役員が確認する準備項目▸
会計規程と注記への落とし込み
決算整理の方法を毎年同じ形で続けるには、会計規程に次の3点を書いておくのが実務的です。1つ目は資金の範囲(未収組合費・未払金・前受組合費を含めるかどうか)、2つ目は計上を省略する少額の基準、3つ目は翌年度の入金・支払時の記帳方法です。
計算書類には、作成に関する重要な会計方針を注記することとされており(労働組合会計基準 第1 6)、資金の範囲はその代表的な項目です。たとえば「資金の範囲には、現金預金、未収組合費、未払金及び前受組合費を含めている。」のように、採用した範囲を具体的に書きます。資金の範囲を変更した年度は、変更の理由と影響額も説明しておくと、組合員や会計監査人の理解を得やすくなります。
関連コラム労働組合の会計報告と決算書の作り方|大会前の準備書類と公表ルール▸
まとめ
労働組合の決算整理は、期中に現金預金ベースで付けた帳簿を、年度末に未収組合費・前受組合費・未払金の計上で年度の実態に合わせる作業です。法定の会計基準はありませんが、会計報告には現在の経理状況を示すことが求められており(労働組合法 第5条第2項第7号)、年度をまたぐ取引の整理は避けて通れません。
仕訳の相手科目は、資金の範囲をどう定めるかで変わります(労働組合会計基準 注解 注2)。まず会計規程で資金の範囲と少額基準を決め、年度末はチェックリストで資料ごとに洗い出し、翌年度の入金・支払で二重計上しない。この3つを毎年同じ手順で回すことが、会計監査で期ズレを指摘されないいちばんの近道です。具体的なケースの判断に迷われる場合は、公認会計士へのご相談をおすすめします。
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よくある質問
労働組合は決算整理をしなければならないと法律で決まっていますか。
決算整理の方法を直接定めた法律の規定はありません。ただし、規約には現在の経理状況を示す会計報告を毎年1回以上公表する旨を定めることとされており(労働組合法 第5条第2項第7号)、年度末の未収・未払を整理しないと経理状況を正しく示せません。どこまで調整するかは会計規程で決めます。
チェックオフの3月分組合費が4月に入金されました。どちらの年度の収入ですか。
3月の給与から控除された組合費は、当年度(3月が属する年度)の収入として、年度末に未収組合費を計上するのが一般的です。翌年度に入金したときは未収組合費の回収として記帳し、翌年度の組合費収入には含めません。
資金の範囲を現金預金だけにしている場合、未収組合費は計上しなくてよいですか。
収支計算書の収入には含めませんが、貸借対照表は年度末のすべての資産・負債を示すものとされているため(労働組合会計基準 第4 1)、資産として載せるのが基準に沿った考え方です。労働組合会計基準の解釈指針は、資金の範囲に含めない流動資産・流動負債の相手勘定として、その他資産見返正味財産・その他負債見返正味財産を示しています(労働組合会計基準解釈指針 3(5))。
少額の未払金まですべて計上する必要がありますか。
労働組合会計基準は重要性の原則が適用されるとしており(労働組合会計基準 注解 注1)、計算書類の読み手の判断に影響しない少額のものは計上を省く扱いも考えられます。省略の基準額を会計規程で決め、毎年同じ基準で運用することが大切です。
期ズレが見つかった場合、前年度の決算書を作り直す必要がありますか。
金額の大きさや、すでに大会で承認済みかどうかによって対応が変わります。労働組合会計基準には過年度の修正方法を定めた規定がないため、影響が小さいものは発見した年度で修正し、その内容を大会などで説明する対応をとることもあります。具体的な扱いは、会計監査人と相談して決めることをおすすめします。
本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。



