会計監査人の任期と自動再任|任期判定表と毎年の重任登記
目次
- 会計監査人の任期・再任・登記の早見表
- 任期の判定表|どの定時株主総会で満了するか
- 判定の3ステップ
- 選任時期別の判定例
- 判定がずれやすいケース
- みなし再任(自動再任)の仕組み
- みなし再任が成立するかの判定チェック
- 再任しない場合の議案の決定機関
- みなし再任までの年間スケジュール(3月決算の例)
- 毎年の重任登記の手順
- 申請書に書く登記すべき事項
- 添付書面チェックリスト
- 登録免許税
- 重任登記で起きやすい漏れ
- 任期満了時に後任がいない場合
- まとめ
- 参考文献
- よくある質問
- 会計監査人の任期は何年ですか。
- 定款で会計監査人の任期を2年にできますか。
- 自動再任(みなし再任)の場合も登記は必要ですか。
- みなし再任の重任登記に就任承諾書は必要ですか。
- 報告事項だけで決議のない定時株主総会でも、再任とみなされますか。
- 会計監査人を再任しないことは誰が決めますか。
会計監査人の任期は1年です。正確には、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までで(会社法 第338条第1項)、その定時株主総会で別段の決議がされなければ、同じ総会で再任されたものとみなされます(会社法 第338条第2項)。いわゆる「自動再任(みなし再任)」です。
自動で続投になる一方、登記簿の上では毎年「重任」の変更登記が必要になります。取締役の任期が2年の会社でも、会計監査人だけは毎年の定時株主総会のたびに登記が発生するため、担当者の交代時に抜け落ちやすい手続です。この記事では、任期の判定表、みなし再任が成立するかどうかの判定チェック、3月決算会社の年間スケジュール、重任登記の添付書面と期限を、会社法・商業登記法の条文に沿って整理します。
会計監査人の任期・再任・登記の早見表
最初に、毎年の実務で確認する項目を一覧にまとめます。詳細は各見出しで条文とあわせて説明します。
| 任期 | 選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで(会社法 第338条第1項) |
|---|---|
| 起算点 | 就任日ではなく選任の日(条文の「選任後」) |
| みなし再任 | 任期満了となる定時株主総会で別段の決議がなければ、その総会で再任されたものとみなされる(会社法 第338条第2項) |
| 再任を止める方法 | 不再任の決議、後任の選任、解任など。議案の内容は監査役・監査役会等が決定(会社法 第344条) |
| 重任登記の期限 | 定時株主総会の日から2週間以内(会社法 第915条第1項) |
| 主な添付書面 | 定時株主総会議事録、法人である会計監査人の登記事項証明書(会社法人等番号の記載で省略可)。就任承諾書と株主リストは登記実務上不要(法務省の通達・FAQ) |
| 登録免許税 | 申請1件につき3万円、資本金の額が1億円以下の会社は1万円(登録免許税法 別表第一第24号(一)カ) |
| 登記を怠った場合 | 100万円以下の過料の対象(会社法 第976条第1号) |
なお、大会社になって会計監査人を初めて置く場面(定款変更と設置時の登記)は、この記事では扱いません。以下は、すでに会計監査人を置いている会社が毎年繰り返す任期管理と重任登記に絞った内容です。会社法監査が始まる時期そのものは、次のコラムで確認できます。
関連コラム会社法監査の要件と開始時期|大会社の判定時点と会計監査人の選任▸
任期の判定表|どの定時株主総会で満了するか
会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです(会社法 第338条第1項)。起算点は「選任後」なので、就任承諾の日ではなく株主総会で選任された日から数えます。
取締役の任期については、定款または株主総会の決議で短縮できる旨のただし書が置かれています(会社法 第332条第1項)。これに対して会計監査人の第338条には、任期を短縮・伸長する定めがありません。定款で「会計監査人の任期は2年」と定めて毎年の手続を省く、といった設計はとれない点を押さえておきます。
判定の3ステップ
- 選任日から1年後の日を出す: 例えば2026年6月26日に選任したなら、2027年6月26日が上限です。
- その期間内に終了する事業年度を並べ、最後のものを選ぶ: 事業年度の末日が上限日以前にあるものだけが対象です。
- その事業年度に関する定時株主総会の終結時が任期満了: 総会の開催日ではなく、議事がすべて終わった「終結の時」です。
選任時期別の判定例
定時株主総会で選任するのが通常ですが、交代や欠員対応で臨時株主総会で選任すると、任期が1年より短くなることがあります。条文を当てはめると次のとおりです。
| 選任の場面 | 任期が満了する時点 |
|---|---|
| 3月決算の会社が2026年6月26日の定時株主総会で選任 | 2027年6月26日までに終了する最終の事業年度は2027年3月期。2027年6月の定時株主総会の終結時に満了(約1年) |
| 3月決算の会社が2026年10月1日の臨時株主総会で選任 | 2027年10月1日までに終了する最終の事業年度は2027年3月期(2028年3月期は1年を超える)。2027年6月の定時株主総会の終結時に満了(約9か月) |
| 12月決算の会社が2026年12月20日の臨時株主総会で選任 | 2027年12月20日までに終了する事業年度は2026年12月期のみ(2027年12月期の末日は1年を超える)。2027年3月の定時株主総会の終結時に満了(約3か月) |
| 定時株主総会で再任されたものとみなされた場合 | その定時株主総会で新たに1年の任期が始まり、翌年の定時株主総会の終結時に満了 |
3つ目の例のように、事業年度末の直前に臨時株主総会で選任すると、選任から数か月後の定時株主総会で最初の任期が満了します。任期が短くても、その総会で別段の決議がなければそのまま再任とみなされるので、手続上の不利益はありません。ただし、重任登記は通常どおり必要です。
判定がずれやすいケース
- 事業年度を変更した年: 任期は「事業年度」と「定時株主総会」を基準に決まるため、決算期変更をした年は変更後の事業年度で第338条第1項を当てはめ直します。変更前の感覚で「来年6月の総会で満了」と決め打ちしないようにします。
- 会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止した場合: 定款変更の効力が生じた時に任期が満了します(会社法 第338条第3項)。定時株主総会を待たずに退任となる点が通常と異なります。
- 決議事項のない定時株主総会: 計算書類の報告だけで終わる総会であっても定時株主総会であることに変わりはないため、その終結時に任期が満了し、別段の決議がなければ再任とみなされます(会社法 第338条第1項、第2項)。「決議がなかったから登記も不要」とはなりません。
みなし再任(自動再任)の仕組み
会計監査人は、任期満了となる定時株主総会で別段の決議がされなかったときは、その定時株主総会で再任されたものとみなされます(会社法 第338条第2項)。取締役や監査役と違い、現任者を続投させるだけなら選任議案を出す必要も、あらためて就任承諾を取り直す必要もありません。
この仕組みは、会計監査人が途切れないように設計されています。役員(取締役・会計参与・監査役)には任期満了後も後任が就任するまで権利義務を持ち続ける規定がありますが(会社法 第346条第1項)、会計監査人は役員に含まれないため(会社法 第329条第1項)、この規定の対象外です。会計監査人が欠けた場合には、別途、一時会計監査人の制度で手当てされます(会社法 第346条第4項)。
みなし再任が成立するかの判定チェック
定時株主総会の議題を見れば、再任とみなされるかどうかは判定できます。招集通知の議案一覧と照らし合わせて使ってください。
| 会計監査人に関する 議案がない |
別段の決議がないため、その総会で再任されたものとみなされます(会社法 第338条第2項)。 |
|---|---|
| 不再任の議案が 可決された |
現任の会計監査人は、その総会の終結時に任期満了で退任します。 |
| 不再任の議案が 否決された |
条文の文言からは、不再任の決議が成立していない以上、別段の決議がされなかった場合に当たり、再任とみなされると解されます(会社法 第338条第2項)。 |
| 後任の選任議案が 可決された |
後任の選任は現任者を再任しない趣旨を含むため、別段の決議に当たると解され、現任者は任期満了で退任し、後任が就任します。解釈の余地を残さないよう、実務では不再任の議案とあわせて付議します。 |
| 解任の議案が 可決された |
株主総会はいつでも会計監査人を解任できます(会社法 第339条第1項)。任期満了を待たずに退任となります。 |
| あえて再任の 選任決議をした |
決議による選任(再任)となり、みなし再任ではありません。就任承諾書の省略はみなし再任の場合の取扱いなので、登記の添付書面は通常の就任と同じ扱いで準備します(商業登記法 第54条第2項)。 |
| 会計監査人を置く旨の 定款の定めを廃止した |
定款変更の効力発生時に任期が満了し、再任とはみなされません(会社法 第338条第3項)。 |
再任しない場合の議案の決定機関
監査役設置会社では、会計監査人の選任・解任に加え、会計監査人を再任しないことに関する議案の内容も監査役が決定します(会社法 第344条第1項)。監査役が2人以上いる場合は過半数で、監査役会設置会社では監査役会が決定します(同条第2項、第3項)。監査等委員会設置会社では監査等委員会(会社法 第399条の2第3項第2号)、指名委員会等設置会社では監査委員会(会社法 第404条第2項第2号)が決定機関です。
不再任の議案を出す場合、株主総会参考書類には、会計監査人の氏名または名称、監査役会等が議案の内容を決定した理由、会計監査人の意見があるときはその概要を記載します(会社法施行規則 第81条)。会計監査人は、不再任について株主総会に出席して意見を述べることができます(会社法 第345条第5項)。監査法人の交代まで含めた工程は、次のコラムで逆算表にしています。
関連コラム会計監査人の変更手続き|交代スケジュールと臨時報告書・引継ぎ▸
新しい会計監査人の選任議案の書き方や、監査役会の決定・議事録の記載例は、別のコラムで条文ごとに整理しています。
関連コラム会計監査人の選任議案と監査役会の同意|記載例と決議要件▸
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みなし再任までの年間スケジュール(3月決算の例)
みなし再任は「何もしなければ続投」という仕組みですが、実際には監査役会が毎年、再任してよいかを検討したうえで「不再任の議案を出さない」と判断している、という建て付けです。3月決算・6月下旬に定時株主総会を開く会社を例に、1年の流れを並べます。法定の期限があるのは招集通知の発送と登記で、それ以外は実務上の目安です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1月〜4月 | 監査役会で会計監査人の職務遂行状況・独立性・監査報酬を評価し、事業報告に記載している解任または不再任の決定の方針(会社法施行規則 第126条第4号)に照らして再任の可否を検討します。 |
| 5月(決算取締役会の前後) | 再任しない場合は、監査役会が不再任の議案の内容を決定し(会社法 第344条)、後任の選任議案とあわせて取締役会の招集決定に間に合わせます。報酬等を改定する場合は監査役会の同意も得ます(会社法 第399条第1項、第2項)。 |
| 6月上旬 | 公開会社では、株主総会の日の2週間前までに招集通知を発送します(会社法 第299条第1項)。再任とみなす場合、会計監査人に関する議案は載せません。 |
| 6月下旬(定時株主総会) | 総会の終結時に任期が満了し、別段の決議がなければ同じ総会で再任されたものとみなされます(会社法 第338条第1項、第2項)。 |
| 総会の日から2週間以内 | 会計監査人の重任の登記を申請します(会社法 第915条第1項)。取締役・監査役の変更登記がある年は、登記の準備をまとめて進めます。 |
事業報告には、会計監査人の氏名または名称と、解任または不再任の決定の方針を記載します(会社法施行規則 第126条第1号、第4号)。公開会社でない会社では第2号から第4号の記載は不要ですが(同条柱書)、方針の記載がない会社でも、監査役会で毎年の検討結果を議事録に残しておくと、再任の判断過程を後から説明できます。
毎年の重任登記の手順
会計監査人設置会社である旨と会計監査人の氏名または名称は登記事項です(会社法 第911条第3項第19号)。任期満了で退任した会計監査人が同じ総会で再び就任したことになるため、登記事項に変更が生じたものとして、定時株主総会の日から2週間以内に本店の所在地で変更の登記をします(会社法 第915条第1項)。法務省も、役員について再任であっても変更登記が必要であり、登記上は「重任」と呼ぶことを案内しています。
期限を過ぎた場合、登記を怠った取締役等は100万円以下の過料の対象になります(会社法 第976条第1号)。期限経過後に申請しても、期限内に申請しなかった事実は消えない点に注意が必要です。
申請書に書く登記すべき事項
法務省の登記事項の作成例にならうと、登記すべき事項は次の形式で記載します。原因年月日には、みなし再任となった定時株主総会の日を入れます。
「役員に関する事項」
「資格」会計監査人
「氏名」○○監査法人
「原因年月日」○年○月○日重任
添付書面チェックリスト
みなし再任による重任の登記では、会計監査人の就任登記に必要な書面の一部を省略できます。商業登記法の条文自体は就任承諾書の省略を定めていませんが、法務省民事局長通達「会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」では、会計監査人が法人である場合の登記事項証明書などの書面(商業登記法 第54条第2項第2号、第3号)と定時株主総会の議事録(同条第4項)を添付すれば足り、就任承諾書は不要とされています。登記実務はこの取扱いに沿って行われています。
| 定時株主総会議事録 | 必要。任期満了による退任を証する書面として添付し(商業登記法 第54条第4項)、その総会で別段の決議がなかったこともこの議事録で示します。 |
|---|---|
| 登記事項証明書 (監査法人の場合) |
原則必要(商業登記法 第54条第2項第2号)。登記所の管轄区域内に監査法人の主たる事務所がある場合は不要で(同号ただし書)、申請書に会社法人等番号を記載した場合も添付を省略できます(商業登記法 第19条の3)。 |
| 公認会計士であることを 証する書面(個人の場合) |
会計監査人が監査法人でなく個人の公認会計士である場合に添付します(商業登記法 第54条第2項第3号)。 |
| 就任承諾書 | 不要。上記の法務省通達で、みなし再任の場合は添付を要しないとされています。 |
| 株主リスト | 不要。法務省は、会計監査人の自動再任(会社法第338条第2項)の場合は株主リストの添付を要しないと回答しています。 |
| 委任状 | 司法書士などの代理人が申請する場合に、代理権限を証する書面として添付します(商業登記法 第18条)。 |
登録免許税
会計監査人に関する事項の変更の登記は、申請1件につき3万円、資本金の額が1億円以下の会社は1万円です(登録免許税法 別表第一第24号(一)カ)。取締役・監査役・会計参与の変更登記と同じ区分に掲げられています。
重任登記で起きやすい漏れ
- 取締役の改選がない年に登記を忘れる: 取締役の任期が2年の会社では、改選のない年に「今年は登記なし」と判断しがちです。会計監査人は毎年重任登記が必要です。
- 期限の起点を取り違える: 2週間は総会の日から数えます(会社法 第915条第1項)。議事録の作成や監査法人の登記事項証明書の取得に時間がかかる場合は、総会前に書面をそろえておきます。
- 監査法人の名称変更を見落とす: 監査法人が名称を変更した場合、会計監査人の名称が登記事項なので変更の登記が必要です(会社法 第911条第3項第19号、第915条第1項)。この申請書にも登記事項証明書を添付します(商業登記法 第54条第3項)。
- あえて再任の決議を取った年の書面: 決議による選任として扱われるので、みなし再任の場合と添付書面が異なります。どちらの形で進めるかを総会前に決めておきます。
任期満了時に後任がいない場合
不再任の決議をしたのに後任が決まっていない、あるいは後任の選任議案が否決された場合、定時株主総会の終結時に会計監査人が欠けることになります。前述のとおり会計監査人には役員のような権利義務の継続規定がないため、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役(監査役会設置会社では監査役会)が一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければなりません(会社法 第346条第4項、第6項)。
一時会計監査人の職務を行うべき者は登記事項で(会社法 第911条第3項第20号)、選任の手続を怠ると100万円以下の過料の対象です(会社法 第976条第22号)。不再任を決める段階で、後任候補の就任承諾の見込みまで確認しておくのが安全です。
関連コラム監査法人が見つからないときの手順|断られる理由と一時会計監査人▸
まとめ
会計監査人の任期は1年で、別段の決議がなければ定時株主総会のたびに自動で再任されます。手続が「何もしない」ことで完結するぶん、監査役会による毎年の再任検討と、総会後2週間以内の重任登記が抜けやすくなります。
- 任期は選任日から1年以内に終了する最終の事業年度に関する定時株主総会の終結時までで、定款で短縮・伸長する規定はありません(会社法 第338条第1項)。
- 臨時株主総会で選任すると、最初の任期が数か月で満了することがあります。
- 別段の決議がなければ再任とみなされ(会社法 第338条第2項)、再任しない場合の議案の内容は監査役・監査役会等が決定します(会社法 第344条)。
- みなし再任でも重任の登記が毎年必要で、期限は総会の日から2週間です(会社法 第915条第1項)。添付書面は定時株主総会議事録と登記事項証明書が中心で、就任承諾書・株主リストは登記実務上不要とされています。
任期の判定や再任・交代の判断は、決算期変更の有無や監査契約の状況によって結論が変わることがあります。具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。
会社法監査の無料見積り・ご相談はこちら参考文献
- e-Gov法令検索 会社法
- e-Gov法令検索 会社法施行規則
- e-Gov法令検索 商業登記法
- e-Gov法令検索 登録免許税法
- 法務省 役員の変更の登記を忘れていませんか? 再任の方も必要です
- 法務省 株主リストに関するよくあるご質問
- 法務省 登記事項の作成例一覧
よくある質問
会計監査人の任期は何年ですか。
選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです(会社法 第338条第1項)。定時株主総会で選任した場合はおおむね1年ですが、臨時株主総会で選任した場合は1年より短くなることがあります。
定款で会計監査人の任期を2年にできますか。
できません。取締役には定款または株主総会の決議で任期を短縮できる旨の規定がありますが(会社法 第332条第1項)、会計監査人の任期を定める第338条には、短縮・伸長を認める定めが置かれていません。
自動再任(みなし再任)の場合も登記は必要ですか。
必要です。任期満了で退任した会計監査人が同じ総会で再び就任したことになるため、会計監査人の登記事項に変更が生じたものとして、定時株主総会の日から2週間以内に重任の登記をします(会社法 第911条第3項第19号、第915条第1項)。怠った場合は100万円以下の過料の対象です(会社法 第976条第1号)。
みなし再任の重任登記に就任承諾書は必要ですか。
登記実務上は不要です。法務省民事局長通達で、みなし再任による重任の登記は、定時株主総会の議事録と、会計監査人が監査法人であれば登記事項証明書(会社法人等番号の記載で省略可)を添付すれば足りるとされています(商業登記法 第54条第2項第2号、第4項、第19条の3)。株主リストの添付も要しないと法務省が案内しています。
報告事項だけで決議のない定時株主総会でも、再任とみなされますか。
みなされます。決議事項の有無にかかわらず定時株主総会であることに変わりはなく、その総会で会計監査人について別段の決議がされなかったときは再任されたものとみなされます(会社法 第338条第2項)。この場合も重任の登記が必要です。
会計監査人を再任しないことは誰が決めますか。
監査役設置会社では、会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は監査役が決定し、監査役が2人以上いる場合は過半数、監査役会設置会社では監査役会が決定します(会社法 第344条第1項〜第3項)。取締役会が独自に不再任の議案の内容を決めることはできません。
本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。



