会社法監査の要件と開始時期|大会社の判定時点と会計監査人の選任
目次
- 会社法監査の要件チェックリスト
- 判定の4ステップ
- 判定に使う貸借対照表の時点
- 最終事業年度とは何か
- 期中の増資・借入は当期の判定に影響しない
- 条文によって判定時点が異なる点に注意
- 会社法監査が始まるまでのスケジュール
- 大会社となった定時株主総会で選任する
- 最初の監査対象は選任後の事業年度の計算書類
- 定款変更と設置の登記
- 「みなし大会社」は会社法上の用語ではない
- 要件を満たしたのに置かなかった場合
- 大会社になると増える会社法上の義務
- まとめ
- 参考文献
- よくある質問
- 期中に増資して資本金が5億円になりました。その事業年度から会社法監査が必要ですか。
- 大会社の判定に使う負債の部の合計額には何が含まれますか。
- 会計監査人の設置には登記が必要ですか。期限はいつまでですか。
- 大会社になったのに会計監査人を選任しないとどうなりますか。
- 定款で任意に会計監査人を置いた場合、監査の内容は大会社と同じですか。
会社法監査(会計監査人による計算書類の監査)が自社に必要かどうかは、資本金や負債の金額を眺めるだけでは確定しません。どの時点の貸借対照表で判定するのか、そして該当した後いつの事業年度から監査が始まるのかまで押さえないと、監査法人の選定も予算取りも後手に回ります。
結論を先に書きます。会社法監査が必要になるのは、直前の定時株主総会で承認(または報告)を受けた事業年度の貸借対照表で、資本金5億円以上または負債の部の合計額200億円以上に該当した場合です(会社法 第2条第6号、第2条第24号、第328条)。会計監査人はその定時株主総会で選任し、最初の監査対象は選任後に到来する事業年度の計算書類になります。この記事では、自社が該当するかを確かめる判定チェックリストを先に示し、そのうえで監査開始までの時系列を条文で追います。
会社法監査の要件チェックリスト
まず、自社に会計監査人を置く義務があるかどうかを確認します。次の5項目のうちいずれか1つでも該当すれば、会計監査人を置かなければならず(または現に置いており)、計算書類の会社法監査が必要です。
| 資本金 5億円以上 |
最終事業年度に係る貸借対照表に資本金として計上した額が5億円以上であること。大会社に該当します(会社法 第2条第6号イ、第328条)。 |
|---|---|
| 負債合計 200億円以上 |
最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上であること。大会社に該当します(会社法 第2条第6号ロ、第328条)。 |
| 監査等委員会 設置会社 |
監査等委員会を置く株式会社は、規模にかかわらず会計監査人を置かなければなりません(会社法 第327条第5項)。 |
| 指名委員会等 設置会社 |
指名委員会、監査委員会及び報酬委員会を置く株式会社も同様です(会社法 第327条第5項)。 |
| 定款による 任意設置 |
大会社でなくても、定款の定めによって会計監査人を置くことができます(会社法 第326条第2項)。置いた場合は会計監査人設置会社となり、監査の内容は義務設置の会社と同じです(会社法 第2条第11号)。 |
資本金と負債は「いずれか一方」を満たせば大会社です。両方を満たす必要はありません(会社法 第2条第6号)。また、公開会社でない大会社であっても会計監査人の設置義務は免れません(会社法 第328条第2項)。
判定の4ステップ
実際に判定するときは、次の順で確認すると迷いません。ポイントは、金額を見る前に「どの貸借対照表を見るか」を決めることです。
- 使う貸借対照表を特定する。 直前の定時株主総会で承認(会計監査人設置会社の特則が適用される場合は報告)を受けた事業年度、すなわち最終事業年度に係る貸借対照表を用意します(会社法 第2条第24号、第438条第2項、第439条)。
- 資本金の額を見る。 純資産の部の「資本金」として計上した額が5億円以上かを確認します(会社法 第2条第6号イ)。資本準備金やその他資本剰余金は含めません。
- 負債の部の合計額を見る。 流動負債と固定負債を合わせた負債の部の合計額が200億円以上かを確認します(会社法 第2条第6号ロ)。
- 機関設計を見る。 監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社であれば、金額にかかわらず会計監査人が必要です(会社法 第327条第5項)。定款で任意設置している場合も同じ扱いになります(会社法 第326条第2項)。
設立後まもない会社では、最初の定時株主総会を迎えるまでの間、会社の成立の日における貸借対照表を用いて判定します(会社法 第2条第6号イ、第435条第1項)。設立時に資本金5億円以上でスタートした会社は、この段階で大会社に該当する点に注意が必要です。
関連コラム会計監査人の設置義務がある会社は?大会社・委員会設置会社の判定フロー▸
判定に使う貸借対照表の時点
会社法監査の要件でつまずきやすいのが、この「時点」です。大会社の判定は期末の数値をリアルタイムに当てはめるものではなく、定時株主総会を通過した計算書類を基準に行われます。
最終事業年度とは何か
大会社の判定は「最終事業年度に係る貸借対照表」で行います(会社法 第2条第6号)。この最終事業年度とは、各事業年度に係る計算書類について定時株主総会の承認を受けた場合における、当該各事業年度のうち最も遅いものをいいます(会社法 第2条第24号)。会計監査人設置会社の特則が適用され、計算書類が定時株主総会の承認ではなく報告で足りる場合は、その報告を受けた事業年度が最終事業年度となります(会社法 第2条第24号、第436条第3項、第439条)。
つまり、事業年度が終わっただけでは判定用の貸借対照表は確定せず、定時株主総会で承認または報告を経てはじめて確定します。決算日から定時株主総会までの約3か月間は、判定の基礎となる貸借対照表は依然として前年度のものです。
期中の増資・借入は当期の判定に影響しない
実務でよく受ける質問が、期中に増資して資本金が5億円になった場合の扱いです。増資の効力が生じた時点で直ちに大会社になるわけではありません。増資はその事業年度の末日の貸借対照表に反映され、その計算書類が定時株主総会で承認されたときに大会社となります(会社法 第2条第6号イ、第2条第24号)。
負債200億円の基準も同じ考え方です。大型の借入れやリース債務の計上によって期中に負債の部が200億円を超えても、判定に使われるのはその事業年度の計算書類が承認された後です。
この時間差は、監査法人の選定や準備の観点では猶予期間として機能します。一方で、期末に近い時期の資本政策で意図せず基準に触れると、翌年の定時株主総会で会計監査人の選任が必要になるため、資本金の額を意識した設計が実務上は欠かせません。
条文によって判定時点が異なる点に注意
会社法には「大会社」を要件とする規定が複数ありますが、すべてが同じ時点で判定されるわけではありません。会計監査人の設置義務は最終事業年度の貸借対照表を基準としますが、連結計算書類の作成義務は事業年度の末日における該当性で判断されます。
| 大会社を要件とする規定 | 判定の時点 |
|---|---|
| 会計監査人の設置義務(会社法 第328条) | 最終事業年度に係る貸借対照表(会社法 第2条第6号) |
| 連結計算書類の作成義務(会社法 第444条第3項) | 事業年度の末日において大会社であり、かつ有価証券報告書の提出義務があること |
| 内部統制システムの整備に係る決定義務(会社法 第348条第4項、第362条第5項) | 大会社に該当している間(会社法 第2条第6号の判定による) |
| 社外取締役の設置義務(会社法 第327条の2) | 公開会社かつ大会社である監査役会設置会社で、有価証券報告書の提出義務があること |
連結計算書類の作成義務だけは条文が「事業年度の末日において大会社であって」と明記しているため(会社法 第444条第3項)、会計監査人の設置義務とは判定のタイミングがずれます。上場準備企業では両者を混同しやすいので、根拠条文ごとに時点を確認してください。
会社法監査・会計監査人の選任は公認会計士へ
大手品質×中堅価格の会社法監査|公認会計士事務所プライムパートナーズ
無料見積り・ご相談はこちら
会社法監査が始まるまでのスケジュール
大会社に該当すると分かってから、実際に監査が始まるまでの流れを時系列で整理します。ここが「いつから会社法監査が必要になるのか」への答えになります。
大会社となった定時株主総会で選任する
大会社は会計監査人を置かなければなりません(会社法 第328条)。会計監査人は株主総会の決議によって選任します(会社法 第329条第1項)。大会社に該当することが確定するのは、その事業年度の計算書類が定時株主総会で承認された時点ですから、実務では同じ定時株主総会で会計監査人の選任決議まで行います。
あわせて、機関設計の変更として会計監査人を置く旨の定款の定めを設ける必要があり、定款変更は株主総会の特別決議によります(会社法 第466条、第309条第2項第11号)。また、監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社を除き、会計監査人設置会社は監査役を置かなければならないため、監査役が不在であれば監査役の選任も同時に必要です(会社法 第327条第3項)。公開会社である大会社(監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社を除く)では、監査役会の設置まで求められます(会社法 第328条第1項)。監査役会では監査役は3人以上、うち半数以上が社外監査役でなければなりません(会社法 第335条第3項)。
株主総会に提出する会計監査人の選任に関する議案の内容は、取締役ではなく監査役が決定します(監査役が2人以上のときは監査役の過半数、監査役会設置会社では監査役会)(会社法 第344条)。候補となる監査法人の選定は、監査役側が主体となって進める建て付けである点を押さえておく必要があります。
最初の監査対象は選任後の事業年度の計算書類
会計監査人は、計算書類およびその附属明細書、臨時計算書類ならびに連結計算書類を監査し、会計監査報告を作成します(会社法 第396条第1項)。会計監査人設置会社では、計算書類およびその附属明細書は監査役および会計監査人の監査を受けなければなりません(会社法 第436条第2項第1号)。
定時株主総会で選任された会計監査人が最初に監査するのは、その総会の対象となった事業年度ではなく、選任後に到来する事業年度の計算書類です。判定の基礎となった事業年度の計算書類は、その総会で既に承認されているためです。
時系列にすると次のようになります。ある事業年度を第X期とした場合の流れです。
| 第X期の期中 | 増資により資本金が5億円に達する。この時点では大会社ではありません。 |
|---|---|
| 第X期の末日 | 資本金5億円が貸借対照表に計上されます。ただし判定は未確定です。 |
| 第X期の 定時株主総会 |
第X期の計算書類が承認され、最終事業年度が第X期になります。この時点で大会社に該当し、同じ総会で定款変更と会計監査人の選任を行います(会社法 第2条第24号、第328条、第329条第1項、第466条)。 |
| 第X+1期 | 会計監査人による最初の監査対象事業年度です。期中から監査手続が始まります(会社法 第396条第1項)。 |
| 第X+1期の 定時株主総会 |
会計監査報告が付された計算書類が提出されます。会計監査人の任期はこの総会の終結時までで、別段の決議がなければ再任とみなされます(会社法 第338条第1項、第2項)。 |
この表から分かるとおり、増資などで基準に触れてから実際の監査対象期が始まるまでには、決算日と定時株主総会を挟んで1年以上の間隔があります。実務では、この期間に監査法人の選定と予備調査、会計方針や決算体制の整備を進めるのが一般的です。
ただし、初年度の監査では期首残高の妥当性を確かめる手続が必要になるため、監査対象期の前期末(第X期末)の残高についても資料の提出を求められます。監査契約の締結が遅れるほど、この開始残高の検証が期末に集中して負荷が高まります。
関連コラム初年度監査の準備|開始残高の検証と追加で求められる資料一覧▸
定款変更と設置の登記
会計監査人設置会社であるときは、その旨および会計監査人の氏名または名称が登記事項となります(会社法 第911条第3項第19号)。登記事項に変更が生じたときは、2週間以内に本店の所在地において変更の登記をしなければなりません(会社法 第915条第1項)。定時株主総会で選任した場合は、その総会の日から2週間が期限です。
会計監査人の任期は選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までで、別段の決議がされなかったときは再任されたものとみなされます(会社法 第338条第1項、第2項)。再任とみなされる場合は登記事項に変更が生じないため、毎年の登記は不要です。監査法人を交代する場合には、あらためて登記が必要になります。
関連コラム会計監査人の変更手続き|交代スケジュールと臨時報告書・引継ぎ▸
「みなし大会社」は会社法上の用語ではない
資本金が5億円未満でも会計監査人を置いている会社を指して「みなし大会社」と呼ぶ場面がありますが、会社法に「みなし大会社」という定義規定はありません。会社法が定めるのは、第2条第6号の大会社と、定款の定めによって会計監査人を置く任意設置(会社法 第326条第2項)の2つです。
実務上重要なのは、任意設置であっても会計監査人設置会社としての規律は義務設置の会社と変わらないことです。任意に置いた場合も会計監査人設置会社に該当し(会社法 第2条第11号)、計算書類は会計監査人の監査を受けなければならず(会社法 第436条第2項第1号)、監査役の設置も必要になります(会社法 第327条第3項)。
上場準備の過程で会計監査人を任意に設置する会社は少なくありませんが、「任意だから簡易な監査で足りる」ということはありません。定款に定めを置いた時点から、大会社と同じ枠組みの監査が始まります。
要件を満たしたのに置かなかった場合
大会社に該当したにもかかわらず会計監査人を選任しない状態は、法律で定めた員数を欠いた状態です。この場合において選任の手続をすることを怠ったときは、取締役等は100万円以下の過料に処せられます(会社法 第976条第22号)。
また、会計監査人が欠けた場合または定款で定めた員数が欠けた場合において遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役(監査役会設置会社では監査役会)が一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければなりません(会社法 第346条第4項、第6項)。一時会計監査人を置いたときは、その氏名または名称も登記事項となります(会社法 第911条第3項第20号)。
実務で起きやすいのは、決算日直前に大会社への該当が判明し、定時株主総会までに監査法人との契約がまとまらないケースです。監査法人側も受嘱前の調査に相応の時間を要するため、資本政策や資金調達の計画段階で該当時期を試算しておくことが現実的な備えになります。
大会社になると増える会社法上の義務
会計監査人の設置以外にも、大会社に該当すると次の義務が生じます。監査対応の負荷だけを見て準備すると漏れが出るため、あわせて確認しておきます。
| 内部統制システムの 整備に係る決定 |
取締役会設置会社である大会社では取締役会が、取締役会を置かない大会社では取締役が、業務の適正を確保するために必要な体制の整備について決定しなければなりません(会社法 第362条第5項、第348条第4項、第362条第4項第6号、第348条第3項第4号)。 |
|---|---|
| 損益計算書の公告 | 大会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表に加えて損益計算書も公告しなければなりません(会社法 第440条第1項)。ただし有価証券報告書の提出会社は適用除外です(会社法 第440条第4項)。 |
| 連結計算書類の作成 | 事業年度の末日において大会社であり、かつ有価証券報告書の提出義務がある会社は、連結計算書類を作成しなければなりません(会社法 第444条第3項)。 |
| 監査役会の設置 | 公開会社である大会社(監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社を除く)は、監査役会を置かなければなりません(会社法 第328条第1項)。 |
このうち損益計算書の公告は、会計監査人の選任と同じ定時株主総会の後に最初の対応が発生します。公告方法が官報または日刊新聞紙である場合は要旨の公告で足り、電磁的方法により継続して情報を提供する措置をとったときは公告に代えることができます(会社法 第440条第2項、第3項)。
まとめ
会社法監査の要件は、最終事業年度に係る貸借対照表で資本金5億円以上または負債の部の合計額200億円以上に該当すること、あるいは監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社であることです(会社法 第2条第6号、第327条第5項、第328条)。判定に使う貸借対照表は定時株主総会で承認または報告を経た事業年度のものであり、期末の数値がそのまま即時に効力を持つわけではありません(会社法 第2条第24号)。
該当が確定した定時株主総会で定款変更と会計監査人の選任を行い、その2週間以内に登記を済ませます(会社法 第329条第1項、第466条、第915条第1項)。最初の監査対象は選任後に到来する事業年度の計算書類です(会社法 第396条第1項、第436条第2項第1号)。増資などで基準に触れてから監査対象期が始まるまでには1年以上の間隔があり、この期間の使い方が初年度監査の負荷を大きく左右します。
自社がいつ大会社に該当するかの試算、監査法人の選定時期、初年度監査に向けた決算体制の整備など、具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。
会社法監査の無料見積り・ご相談はこちら参考文献
よくある質問
期中に増資して資本金が5億円になりました。その事業年度から会社法監査が必要ですか。
その事業年度からは必要ありません。大会社の判定は最終事業年度に係る貸借対照表で行い、最終事業年度は計算書類について定時株主総会の承認(会計監査人設置会社の特則が適用される場合は報告)を受けた事業年度のうち最も遅いものを指します(会社法 第2条第6号イ、第2条第24号)。増資した事業年度の計算書類が定時株主総会で承認された時点で大会社に該当し、その総会で会計監査人を選任します(会社法 第328条、第329条第1項)。最初の監査対象は、選任後に到来する事業年度の計算書類です(会社法 第396条第1項)。
大会社の判定に使う負債の部の合計額には何が含まれますか。
条文は「最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額」と定めています(会社法 第2条第6号ロ)。したがって、貸借対照表の負債の部に計上されているものが対象で、流動負債と固定負債の双方が含まれます。引当金やリース債務のように負債の部に計上される項目も合計額に含まれる一方、貸借対照表に計上されていない偶発債務や保証債務は含まれません。判定は貸借対照表の記載に即して行います。
会計監査人の設置には登記が必要ですか。期限はいつまでですか。
必要です。会計監査人設置会社であるときは、その旨および会計監査人の氏名または名称が登記事項となります(会社法 第911条第3項第19号)。登記事項に変更が生じたときは2週間以内に本店の所在地において変更の登記をしなければならないため、定時株主総会で選任した場合はその総会の日から2週間が期限です(会社法 第915条第1項)。なお、別段の決議がなく再任とみなされる場合は登記事項に変更が生じないため、毎年の登記は不要です(会社法 第338条第2項)。
大会社になったのに会計監査人を選任しないとどうなりますか。
法律で定めた員数を欠いた状態となり、その選任の手続をすることを怠ったときは、取締役等が100万円以下の過料に処せられます(会社法 第976条第22号)。また、会計監査人が欠けた場合において遅滞なく選任されないときは、監査役(監査役会設置会社では監査役会)が一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければなりません(会社法 第346条第4項、第6項)。一時会計監査人を置いたときは、その氏名または名称も登記事項となります(会社法 第911条第3項第20号)。
定款で任意に会計監査人を置いた場合、監査の内容は大会社と同じですか。
同じです。大会社でない会社も定款の定めによって会計監査人を置くことができますが(会社法 第326条第2項)、置いた場合は会計監査人設置会社に該当します(会社法 第2条第11号)。会計監査人設置会社では計算書類およびその附属明細書が監査役および会計監査人の監査を受けなければならず(会社法 第436条第2項第1号)、監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社を除き監査役の設置も必要です(会社法 第327条第3項)。任意設置であることを理由に監査の範囲が縮小されることはありません。
本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。



