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財務会計

子会社株式の追加取得・一部売却の会計処理|連結の資本剰余金と仕訳

目次
  1. 支配の継続と喪失による会計処理の分岐
  2. 子会社株式を追加取得した場合の会計処理
  3. 追加取得持分と追加投資額の相殺消去
  4. 資本剰余金の算定と仕訳例
  5. のれんを追加計上しない理由
  6. 子会社株式を一部売却した場合の会計処理(支配継続)
  7. 売却持分の非支配株主持分への振替
  8. 個別上の売却損益の連結修正
  9. その他の包括利益累計額・支払手数料・税効果の取扱い
  10. 資本剰余金が負の値となる場合の処理
  11. 支配を喪失する場合との違い
  12. 適用時期と改正の経緯
  13. まとめ
  14. 参考文献
  15. よくある質問
  16. 子会社株式を追加取得した場合、のれんを追加で計上しますか。
  17. 追加取得で生じる資本剰余金はどのように計算しますか。
  18. 子会社株式を一部売却した場合、個別上の売却損益は連結でどうなりますか。
  19. 一部売却に係る法人税等はどこで処理しますか。
  20. 連結上の資本剰余金が負の値になった場合はどうしますか。

子会社株式を買い増して100%子会社にする、あるいは持分の一部を第三者へ譲渡する。こうしたグループ再編の場面で最初に押さえるべきは、その取引によって親会社と子会社の支配関係が続くのか、それとも支配を喪失するのかという分岐です。支配が継続する限り、非支配株主との取引は資本取引として扱われ、生じた差額はのれんでも損益でもなく資本剰余金として処理されます。

本記事では、支配獲得後に子会社株式を追加取得した場合と一部売却した場合について、連結上の考え方と仕訳を整理します。追加取得でのれんを追加計上しない理由、個別財務諸表で計上した子会社株式売却損益を連結上どう修正するか、そして実務でつまずきやすい「資本剰余金が負の値になった場合」の処理まで、順を追って確認していきます。

支配の継続と喪失による会計処理の分岐

子会社株式の持分が動く取引の会計処理は、まず「支配関係が継続するか否か」で大きく二つに分かれます。支配が継続する場合の持分変動は、親会社と非支配株主という株主間の資本取引とみなされ、差額は資本剰余金として処理されます。一方、支配を喪失する場合は連結の範囲そのものが変わるため、持分法への切替えや投資の評価替えといった別の手続へ移ります。

取引の類型ごとの連結上の取扱いは、次のとおりです。

追加取得(支配継続) 追加取得持分と追加投資額との差額を資本剰余金とする(連結財務諸表に関する会計基準 第28項)
一部売却(支配継続) 売却持分と売却価額との差額を資本剰余金とする(連結財務諸表に関する会計基準 第29項)
時価発行増資等による
持分の増減(支配継続)
親会社の払込額と親会社の持分の増減額との差額を資本剰余金とする(連結財務諸表に関する会計基準 第30項)
一部売却により関連会社と
なった場合(支配喪失)
投資の修正額を加減し、持分法による投資評価額に修正する(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第45項)
子会社にも関連会社にも
該当しなくなった場合
残存する投資は個別貸借対照表上の帳簿価額をもって評価する(連結財務諸表に関する会計基準 第29項)

支配獲得時の投資と資本の相殺消去、のれんの計上、非支配株主持分の算定といった初回の資本連結手続については、次のコラムで詳しく解説しています。

関連コラム資本連結手続とは|投資と資本の相殺消去・のれん・非支配株主持分の実務▸

子会社株式を追加取得した場合の会計処理

追加取得持分と追加投資額の相殺消去

支配獲得後に子会社株式を追加取得した場合には、追加取得した株式に対応する持分を非支配株主持分から減額し、追加取得により増加した親会社の持分(追加取得持分)を追加投資額と相殺消去します。追加取得持分と追加投資額との間に生じた差額は、資本剰余金とします(連結財務諸表に関する会計基準 第28項)。

ここでいう追加取得持分および減額する非支配株主持分は、追加取得日における非支配株主持分の額により計算します(連結財務諸表に関する会計基準 注8)。支配獲得日の時価ではなく、追加取得日時点の非支配株主持分の帳簿価額を基礎とする点が実務上の要です。子会社の資産・負債を追加取得日の時価で評価し直すことはありません。

実務指針でも、追加取得日の子会社の資本のうち追加取得した株式に対応する持分を非支配株主持分から減額して親会社持分を増加させるとともに、追加取得持分と追加投資額とを相殺消去し、消去差額を資本剰余金として処理することが示されています(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第37項)。

資本剰余金の算定と仕訳例

追加取得により生じる資本剰余金の額は、次の算式で計算します(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第39項)。

資本剰余金 = 追加投資額 − 追加取得前の非支配株主持分残高 × 追加取得持分比率 ÷ 追加取得前の非支配株主持分比率

具体的な数値で確認します。P社はS社株式の70%を保有して支配しており、非支配株主持分比率は30%です。当期首にS社株式の10%を追加取得し、追加投資額として80,000千円を支払いました。追加取得直前の非支配株主持分の残高は210,000千円であったものとします(単位:千円、税効果は考慮していません)。

追加取得持分 = 210,000 × 10% ÷ 30% = 70,000
資本剰余金の減少額 = 80,000 − 70,000 = 10,000

非支配株主持分を70,000千円減額したうえで、追加投資額80,000千円との差額10,000千円を資本剰余金の減少として処理します(連結財務諸表に関する会計基準 第28項)。連結修正仕訳は次のとおりです。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
非支配株主持分 70,000 子会社株式 80,000
資本剰余金 10,000

追加投資額が追加取得持分を上回る場合は資本剰余金が減少し、下回る場合は資本剰余金が増加します。買収プレミアムを乗せて少数株主から買い取るケースでは、通常は資本剰余金の減少となります。

のれんを追加計上しない理由

支配獲得時であれば、投資と資本の相殺消去で生じた差額はのれん(又は負ののれん)として処理されます(連結財務諸表に関する会計基準 第23項、第24項)。これに対し、支配獲得後の追加取得で生じた差額はのれんではなく資本剰余金となります。すでに支配を獲得している以上、その後の持分の買増しは企業集団の外部との取引ではなく株主間の資本取引と位置づけられるためです。

この考え方は、のれんの償却にも影響します。支配獲得時に計上したのれんの未償却額は、その後に持分比率が変動しても減額しません(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第44項)。追加取得によってのれんが増えることも、一部売却によってのれんが減ることもない、という整理です。

ただし、複数の取引が一つの企業結合等を構成しているものとして一体として取り扱われる場合には例外があります。この場合、追加取得した持分に係るのれんも一体として計上されることになるため、資本剰余金ではなくのれんが計上されます(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第66-4項)。段階的な買収を短期間に実行する計画がある場合は、取引の一体性の判断を事前に整理しておく必要があります。

株式交換によって完全子会社化を進める場合の個別・連結の処理については、次のコラムを参照してください。

関連コラム株式交換の会計処理|個別・連結の仕訳と取得企業の決定▸

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子会社株式を一部売却した場合の会計処理(支配継続)

売却持分の非支配株主持分への振替

子会社株式を一部売却した場合(親会社と子会社の支配関係が継続している場合に限ります)には、売却した株式に対応する持分を親会社の持分から減額し、非支配株主持分を増額します。売却による親会社の持分の減少額(売却持分)と売却価額との間に生じた差額は、資本剰余金とします(連結財務諸表に関する会計基準 第29項)。

売却持分および増額する非支配株主持分は、親会社の持分のうち売却した株式に対応する部分として計算します(連結財務諸表に関する会計基準 注9(1))。個別財務諸表上の子会社株式の帳簿価額ではなく、連結上の親会社持分を基礎とする点が個別処理との決定的な違いです。

個別上の売却損益の連結修正

親会社の個別財務諸表では、売却価額と子会社株式の帳簿価額との差額が子会社株式売却損益として計上されます。しかし連結上は資本取引として扱われるため、この売却損益は全額が消去され、代わりに非支配株主持分の増額と資本剰余金の増減が計上されます。

数値例で確認します。P社はS社株式の80%を保有していましたが、当期末にS社株式の20%を売却価額120,000千円で第三者へ譲渡しました。売却後の持分比率は60%で、支配関係は継続しています。売却した株式の個別財務諸表上の帳簿価額は60,000千円であり、個別上は子会社株式売却益60,000千円が計上されています。連結上の売却持分は100,000千円です(単位:千円、その他の包括利益累計額および税効果は考慮していません)。

資本剰余金の増加額 = 売却価額 120,000 − 売却持分 100,000 = 20,000

個別上の子会社株式売却益60,000千円を消去し、売却持分100,000千円を非支配株主持分へ振り替えたうえで、差額20,000千円を資本剰余金の増加とします(連結財務諸表に関する会計基準 第29項、連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第42項)。連結修正仕訳は次のとおりです。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
子会社株式売却益 60,000 非支配株主持分 100,000
子会社株式 60,000 資本剰余金 20,000

借方の子会社株式60,000千円は、投資と資本の相殺消去に用いる子会社株式の残高を売却前の金額に戻すための調整です。個別上で減額された分を戻したうえで、連結上は売却持分を非支配株主持分へ振り替える、という二段構えになっています。

その他の包括利益累計額・支払手数料・税効果の取扱い

一部売却では、細部の取扱いを誤りやすい項目が三つあります。

第一に、売却した株式に対応する持分には子会社に係るその他の包括利益累計額(その他有価証券評価差額金、退職給付に係る調整累計額など)が含まれますが、売却持分にはその他の包括利益累計額は含まれません(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第42項)。この処理に伴って減少したその他の包括利益累計額は当期純利益を構成しないため組替調整額の対象とはならず、連結株主資本等変動計算書における当連結会計年度の増減として表示します(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第66-2項)。

第二に、売却価額には売却に係る支払手数料等は含まれません。売却に係る支払手数料等は、資本剰余金から控除するのではなく売却時の費用として処理します(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第42項)。

第三に、子会社株式の一部売却において関連する法人税等(子会社への投資に係る税効果の調整を含みます)は、資本剰余金から控除します(連結財務諸表に関する会計基準 注9(2))。売却益に対応する税金費用を損益計算書に計上したままにすると、資本取引と損益取引の区分が崩れてしまうため、資本剰余金側で調整する取扱いとされています。支払手数料は費用、法人税等は資本剰余金からの控除と、扱いが分かれる点に注意が必要です。

資本剰余金が負の値となる場合の処理

追加取得を繰り返した企業では、資本剰余金の減少が積み上がり、連結上の資本剰余金が負の値になることがあります。この場合には、連結会計年度末において資本剰余金を零とし、当該負の値を利益剰余金から減額します(連結財務諸表に関する会計基準 第30-2項)。

調整のタイミングは連結会計年度末であり、取引の都度ではありません。期中に一時的に負となっても、期末までに他の取引で回復すれば振替は生じません。また、連結財務諸表では資本剰余金の内訳を区分表示しないことから、この取扱いは資本剰余金全体が負の値となる場合に適用されます(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第39-2項)。資本準備金相当額が残っていても、資本剰余金の合計が負でなければ振替は行いません。

連結会計年度末の資本剰余金の残高が15,000千円の負の値となった場合の仕訳は、次のとおりです(単位:千円)。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
利益剰余金 15,000 資本剰余金 15,000

この処理は、自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準における、その他資本剰余金の残高が負の値となった場合の取扱いと同様の考え方によるものです(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第39-2項)。100%子会社化を段階的に進める計画がある場合は、各回の追加取得によって資本剰余金がどこまで減少するかを事前に試算し、利益剰余金への振替が生じる時期を把握しておくことが実務上有用です。

純資産の部の区分と各項目の意味については、次のコラムで整理しています。

関連コラム純資産の部の表示|貸借対照表の区分と株主資本の実務▸

支配を喪失する場合との違い

売却によって支配を喪失する場合は、資本取引としての処理から離れます。子会社株式を売却しても支配を喪失せず引き続き連結子会社として取り扱う場合は前述の処理によりますが、売却により支配を喪失して関連会社となる場合と、子会社にも関連会社にも該当しなくなる場合とでは、それぞれ別の定めに従います(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第41項)。

支配を喪失して関連会社となった場合には、当該会社の個別貸借対照表はもはや連結されないため、連結貸借対照表上、親会社の個別貸借対照表に計上している当該関連会社株式の帳簿価額を、投資の修正額のうち売却後持分相当額を加減することにより、持分法による投資評価額に修正します。売却前の投資の修正額とこのうち売却した株式に対応する部分との差額は、個別財務諸表で計上した子会社株式売却損益の修正として処理します(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第45項)。この場合、支配獲得後の持分比率の推移等を勘案し、適切な方法に基づき、関連会社として残存する持分比率に相当するのれんの未償却額を算定します(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第45-2項)。

子会社株式の売却等により被投資会社が子会社および関連会社のいずれにも該当しなくなった場合には、連結財務諸表上、残存する当該被投資会社に対する投資は、個別貸借対照表上の帳簿価額をもって評価します(連結財務諸表に関する会計基準 第29項)。

なお、支配を喪失して連結範囲から除外する場合でも、それまでの追加取得および一部売却等によって生じた資本剰余金は、引き続き連結財務諸表上、資本剰余金として計上されます。資本剰余金が負の値となり利益剰余金から減額する処理を行っていた場合には、連結範囲から除外された後も当該処理は引き継がれます(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第49-2項)。

適用時期と改正の経緯

非支配株主との取引に係る現在の会計処理は、2013年に改正された連結財務諸表に関する会計基準によるものです。同改正会計基準は、2015年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用されています(連結財務諸表に関する会計基準 第44-5項(1))。改正前は追加取得時にものれんが計上されていましたが、この改正により資本剰余金で処理する取扱いに変更されました。

適用にあたっては、非支配株主との取引について過去の期間のすべてに新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年度の期首時点の累積的影響額を、適用初年度の期首の資本剰余金および利益剰余金に加減する方法のほか、適用初年度の期首から将来にわたって適用する方法も認められていました(連結財務諸表に関する会計基準 第44-5項(3)、(4))。適用開始から相当期間が経過しているため、現在は経過措置の適用を検討する場面はほとんどありません。

本会計基準は2008年12月に公表された後、2010年に包括利益の表示に関する会計基準の公表に伴う改正、2011年に特別目的会社の取扱いに関する改正、2013年に非支配株主との取引に係る改正が行われています(連結財務諸表に関する会計基準 第44項、第44-2項、第44-4項、第44-5項)。

さらに、2026年に金融商品会計基準の改正を踏まえた改正が行われています。2026年改正会計基準は、2027年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から将来にわたって適用され、2026年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から早期適用することもできます(連結財務諸表に関する会計基準 第44-7項)。本記事で扱う追加取得・一部売却の会計処理そのものを変更するものではありませんが、適用時期が到来する事業年度の連結決算では、金融商品会計基準の改正内容と併せて影響の有無を確認しておく必要があります。

開示面では、当期において子会社株式の追加取得および一部売却等があった場合には、重要性が乏しいときを除き、企業結合に関する会計基準および事業分離等に関する会計基準に定める事項を注記します(連結財務諸表に関する会計基準 注15)。持分変動の事実だけでなく、注記の要否も併せて検討する必要があります。

なお、実務指針側についても、2024年に移管指針第4号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」として日本公認会計士協会から企業会計基準委員会へ移管され、公表日以後適用されています(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第52-16項)。条項を参照する際は、移管後の指針番号で確認してください。

持分変動の会計処理は、持分比率の推移、その他の包括利益累計額の残高、税効果の有無によって結果が大きく変わります。具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。

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まとめ

支配獲得後に子会社株式を追加取得した場合には、追加取得した株式に対応する持分を非支配株主持分から減額し、追加取得持分を追加投資額と相殺消去して、その差額を資本剰余金とします(連結財務諸表に関する会計基準 第28項)。一部売却により支配関係が継続する場合には、売却持分を親会社の持分から減額して非支配株主持分を増額し、売却持分と売却価額との差額を資本剰余金とします(連結財務諸表に関する会計基準 第29項)。いずれも株主間の資本取引と位置づけられるため、のれんの追加計上も損益計上も行いません。

実務では、個別財務諸表で計上した子会社株式売却損益を連結上で全額消去する点、売却持分にその他の包括利益累計額を含めない点、売却に係る支払手数料は費用処理する一方で関連する法人税等は資本剰余金から控除する点が、判断を誤りやすい箇所です(連結財務諸表に関する会計基準 注9、連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第42項)。

そして、追加取得を重ねた結果として資本剰余金が負の値となった場合には、連結会計年度末に資本剰余金を零とし、当該負の値を利益剰余金から減額します(連結財務諸表に関する会計基準 第30-2項)。100%子会社化や少数株主からの買取りを段階的に進める計画では、各回の持分変動が資本剰余金と利益剰余金に与える影響を事前に試算し、連結上の純資産の見え方まで含めて設計しておくことが、決算直前の手戻りを防ぐ最も確実な方法です。

参考文献

よくある質問

子会社株式を追加取得した場合、のれんを追加で計上しますか。

計上しません。支配獲得後の追加取得は親会社と非支配株主との資本取引と位置づけられるため、追加取得持分と追加投資額との差額はのれんではなく資本剰余金とします(連結財務諸表に関する会計基準 第28項)。また、支配獲得時に計上したのれんの未償却額も、その後の持分変動によって減額しません(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第44項)。ただし、複数の取引が一つの企業結合等を構成しているものとして一体として取り扱われる場合には、追加取得した持分に係るのれんが計上されます(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第66-4項)。

追加取得で生じる資本剰余金はどのように計算しますか。

追加投資額から、追加取得前の非支配株主持分残高に追加取得持分比率を乗じて追加取得前の非支配株主持分比率で除した金額を差し引いて計算します(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第39項)。追加取得持分および減額する非支配株主持分は、追加取得日における非支配株主持分の額により計算するため、支配獲得日の時価で評価し直すことはありません(連結財務諸表に関する会計基準 注8)。

子会社株式を一部売却した場合、個別上の売却損益は連結でどうなりますか。

支配関係が継続している場合、個別財務諸表で計上した子会社株式売却損益は連結上で全額消去され、売却持分と売却価額との差額が資本剰余金として計上されます(連結財務諸表に関する会計基準 第29項)。売却持分は親会社の持分のうち売却した株式に対応する部分として計算し、その他の包括利益累計額は含めません(連結財務諸表に関する会計基準 注9(1)、連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第42項)。

一部売却に係る法人税等はどこで処理しますか。

子会社株式の一部売却において関連する法人税等は、子会社への投資に係る税効果の調整を含め、資本剰余金から控除します(連結財務諸表に関する会計基準 注9(2))。一方、売却に係る支払手数料等は売却価額に含めず、売却時の費用として処理します(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第42項)。両者で処理の場所が異なる点に注意が必要です。

連結上の資本剰余金が負の値になった場合はどうしますか。

連結会計年度末において資本剰余金を零とし、当該負の値を利益剰余金から減額します(連結財務諸表に関する会計基準 第30-2項)。連結財務諸表では資本剰余金の内訳を区分表示しないため、この取扱いは資本剰余金全体が負の値となる場合に適用されます(連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針 第39-2項)。取引の都度ではなく期末時点の残高で判定します。

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。

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