現物配当の会計処理【仕訳例】時価評価の原則と帳簿価額で処理する5類型
目次
- 現物配当の会計処理の原則:時価との差額を損益に計上する
- 損益を計上する理由
- 仕訳例:上場株式を現物配当した場合
- 帳簿価額で処理する5類型【判定表】
- スピンオフ(子会社株式の按分型の配当)が帳簿価額になる理由
- 2024年改正:完全子会社株式の一部を残すパーシャルスピンオフ
- グループ内の配当と公正な評価額の算定が困難な場合
- 減額する剰余金の内訳と会社法の手続
- 現物配当を受けた株主側の会計処理
- 仕訳例:保有株式の発行会社から別会社の株式を受け取った場合
- 株主資本等変動計算書の注記
- 現物配当を実行する前の実務チェックポイント
- 適用状況と改正の経緯
- まとめ
- 参考文献
- よくある質問
- 現物配当で計上した損益は、損益計算書のどの区分に表示しますか。
- 子会社株式を株主に配当するスピンオフでは損益が出ますか。
- 金銭分配請求権を与えずに現物配当をする場合、どの決議が必要ですか。
- 現物配当を受けた株主は、受取配当金として計上できますか。
現物配当とは、金銭ではなく保有する株式や不動産などの財産を配当財産として株主に分配する剰余金の配当です。配当する会社は、原則として配当の効力発生日の時価で配当財産を評価し、帳簿価額との差額を損益に計上したうえで、時価の額だけ剰余金を減らします(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第10項)。一方、子会社株式を全株主に按分して配当するスピンオフや、グループ内の配当など5つの類型では、損益を計上せず帳簿価額のまま処理します。
実務で迷いやすいのは「自社のケースが原則と例外のどちらに当たるか」と「受け取った株主側はどう処理するか」の2点です。本記事では、公認会計士事務所プライムパートナーズ/株式会社プライムパートナーズコンサルティングの実務経験をふまえ、判定表と自社作成の数値例による仕訳で、分配側と受取側の処理を順に整理します。
現物配当の会計処理の原則:時価との差額を損益に計上する
配当財産が金銭以外の財産である場合、配当の効力発生日における配当財産の時価と適正な帳簿価額との差額は、効力発生日の属する期の損益として、配当財産の種類等に応じた表示区分に計上します。そのうえで、配当財産の時価をもって、その他資本剰余金又はその他利益剰余金(繰越利益剰余金)を減額します(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第10項)。
つまり分配側の処理は、「時価で評価し直す(損益の計上)」と「時価で剰余金を減らす(株主資本の減少)」の2段階に分けて考えると整理しやすくなります。評価の基準日は株主総会の決議日ではなく、会社法で定める配当の効力発生日です(会社法 第454条第1項第3号)。
損益を計上する理由
基準の結論の背景では、金銭以外の財産で会社を清算する場合に投資の回収の結果を示すよう分配前に清算損益を計上することとの比較から、現物配当でも分配前に損益を計上するのが適切とされています。株主との取引であっても通常は時価を基礎として行われていることとも整合的である、という考え方です(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第38項)。
また、金銭以外の財産を対価として自己株式を取得する取引も、株主資本の減少と現物資産の減少という点で現物配当と同じ経済効果を持つため、両者の会計処理の整合性が図られています(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第38項)。
仕訳例:上場株式を現物配当した場合
A社が、その他有価証券として保有する上場株式(帳簿価額30,000)を株主に現物配当し、配当の効力発生日の時価は48,000、減額する剰余金は取締役会等の決定により繰越利益剰余金とした例で考えます(単位:千円。自社作例。税効果は省略し、準備金はすでに資本金の4分の1に達している前提)。時価との差額18,000を損益に計上し、時価48,000で繰越利益剰余金を減額します(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第10項)。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 投資有価証券 | 18,000 | 投資有価証券売却益 | 18,000 |
| 繰越利益剰余金 | 48,000 | 投資有価証券 | 48,000 |
基準は損益の科目名までは特定しておらず、「配当財産の種類等に応じた表示区分」に計上することを求めています。本作例では配当財産が投資有価証券のため、売却した場合と同じ区分に計上する前提で「投資有価証券売却益」の科目を用いています。配当財産が棚卸資産や固定資産であれば、それぞれの種類に応じて表示区分を検討します。
なお、効力発生日の時価が帳簿価額を下回る場合は、差額が損失として計上されます。含み損のある資産を現物配当すると、配当の実行と同時に損失が表に出る点は、配当計画の段階で経営陣と共有しておくべき論点です。
帳簿価額で処理する5類型【判定表】
次のいずれかに該当する場合は、時価評価による損益を計上せず、配当の効力発生日における配当財産の適正な帳簿価額をもって、その他資本剰余金又はその他利益剰余金(繰越利益剰余金)を減額します(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第10項ただし書き)。
| 分割型の会社分割(按分型) | 会社分割で受け取った承継会社又は新設会社の株式のすべてを、株主の株式数に応じて比例的に配当する場合 |
|---|---|
| 保有する子会社株式の すべての按分型の配当 |
保有する子会社株式のすべてを、株式数に応じて比例的に配当する場合 |
| 完全子会社株式の一部の 按分型の配当 |
保有する完全子会社株式の一部を株式数に応じて比例的に配当し、子会社株式に該当しなくなった場合(2024年改正で追加) |
| 企業集団内の企業への配当 | 同一の企業(又は個人)により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的でない企業へ配当する場合 |
| 公正な評価額の算定が 困難な場合 |
市場価格がないことなどにより、公正な評価額を合理的に算定することが困難と認められる場合 |
判定の順序としては、まず配当財産が子会社株式や会社分割で受け取った株式かどうか、次に配当先がグループ内の企業かどうか、最後に時価を合理的に算定できるかどうかを確認すると漏れが生じにくくなります。いずれにも当たらなければ、前述の原則どおり時価で処理します。
スピンオフ(子会社株式の按分型の配当)が帳簿価額になる理由
分割型の会社分割(按分型)は、従来から人的分割と呼ばれてきたように、分割会社自体が単に分かれただけであるという見方が一般的です。保有する子会社株式のすべてを株式数に応じて比例的に配当する場合も同様の見方ができることから、損益を計上しないこととされています(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第38項)。
完全子会社S社株式(帳簿価額50,000)のすべてを株式数に応じて株主に配当し、減額する剰余金を繰越利益剰余金とした例では、次の仕訳になります(単位:千円。自社作例。準備金はすでに資本金の4分の1に達している前提)。効力発生日の時価がいくらであっても、帳簿価額で剰余金を減額し、損益は生じません(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第10項(2))。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 繰越利益剰余金 | 50,000 | 関係会社株式 | 50,000 |
関連コラム分社型分割と分割型分割の違い|会社法・会計・税務の異同点▸
2024年改正:完全子会社株式の一部を残すパーシャルスピンオフ
令和5年度税制改正で、完全子会社株式の一部の持分を残す株式分配について一定の要件のもと課税対象外とする特例、いわゆるパーシャルスピンオフ税制が設けられました。これを受けて2024年3月22日に適用指針が改正され、保有する完全子会社株式の一部を株式数に応じて比例的に配当し、子会社株式に該当しなくなった場合も、帳簿価額で処理する類型に加えられています(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第10項(2-2)、第28-4項)。
この改正の対象は、配当を実施する会社が子会社株式のすべてを直接保有している完全子会社株式の一部を按分型で配当するケースに限定されています。完全子会社以外の子会社株式の一部を配当するケースは基準開発の範囲外とされており、税制適格となるかどうかとは切り離して判断する点にも注意が必要です(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第28-4項)。
帳簿価額で処理する理由は、既存の株主以外の第三者が取引に参加しておらず、総体としての株主から見れば、配当実施会社を通じて保有していた完全子会社を自ら直接保有することになる組織再編であり、投資が継続していると考えられるためです(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第38-2項)。
グループ内の配当と公正な評価額の算定が困難な場合
企業集団内の企業へ配当する場合は、企業結合における共通支配下の取引に準じて、損益を計上しない扱いとされています。ここでいう企業集団内の企業とは、同一の企業(又は個人)により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的でない企業をいいます(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第7項、第10項(3)、第38項)。
実務では、子会社が親会社に対して保有資産を現物配当するグループ再編がこの類型に当たりやすい場面です。また、市場価格がないことなどにより、公正な評価額を合理的に算定することが困難と認められる配当財産も、帳簿価額で処理します(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第10項(4))。「算定が困難」と判断する場合は、評価を試みた経緯と判断理由を記録しておくことが監査対応上も重要です。
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減額する剰余金の内訳と会社法の手続
現物配当で減額するのがその他資本剰余金か繰越利益剰余金かは、取締役会等の会社の意思決定機関で定められた結果に従います(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第10項)。会計処理と並行して、会社法上の手続も確認しておく必要があります。
| 株主総会で定める事項 | 配当財産の種類及び帳簿価額の総額、株主に対する配当財産の割当てに関する事項、配当の効力発生日(会社法 第454条第1項) |
|---|---|
| 金銭分配請求権 | 配当財産が金銭以外のときは、株主に配当財産に代えて金銭の交付を請求する権利を与えることを株主総会の決議で定めることができる(会社法 第454条第4項) |
| 金銭分配請求権を 与えない場合の決議 |
株主総会の特別決議が必要(会社法 第309条第2項第10号) |
| 中間配当との関係 | 取締役会決議による中間配当は配当財産が金銭であるものに限られる(会社法 第454条第5項) |
| 財源規制 | 株主に交付する金銭等の帳簿価額の総額は、効力発生日における分配可能額を超えてはならない(会社法 第461条第1項) |
| 準備金の計上 | 剰余金の配当をする場合は、準備金が資本金の4分の1に達するまで所定の額を資本準備金又は利益準備金として計上する(会社法 第445条第4項、会社計算規則 第22条) |
会計上は原則として時価で剰余金を減額する一方、会社法の財源規制は「交付する金銭等の帳簿価額の総額」と分配可能額を比べる形で定められています(会社法 第461条第1項)。含み益や含み損の大きい資産を配当する場合は、会計上の剰余金の減少額と財源規制の判定額を並べ、配当議案を固める前に確認しておくと安全です。
関連コラム分配可能額の計算方法【計算例】のれん等調整額と計算シート▸
現物配当を受けた株主側の会計処理
株主が現金以外の財産の分配を受けた場合、企業結合には該当しませんが、原則として、これまで保有していた株式と実質的に引き換えられたものとみなし、被結合企業の株主に係る会計処理に準じて処理します。その際、引き換えられたとみなす額は、分配を受ける直前の株式の適正な帳簿価額を合理的な方法によって按分して算定します(事業分離等に関する会計基準 第52項)。
合理的な按分方法としては、関連する時価の比率で按分する方法、時価総額の比率で按分する方法、関連する帳簿価額の比率で按分する方法が示されており、実態に応じて適切に用います(企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針 第295項、第297項)。受け取った財産が保有株式と明らかに異なる資産であれば、通常は投資が清算されたとみなされ、受け取った財産の時価と按分した帳簿価額との差額を損益として認識します。この交換損益は、原則として特別損益に計上します(事業分離等に関する会計基準 第53項、第144項)。
仕訳例:保有株式の発行会社から別会社の株式を受け取った場合
P社がその他有価証券として保有するX社株式(帳簿価額10,000)について、X社からY社株式(受取時の時価3,000)の現物配当を受け、時価の比率による按分の結果、X社株式のうち引き換えられたとみなす額を2,000と算定した例です(単位:千円。自社作例。税効果は省略)。差額1,000を交換損益として特別損益に計上します(事業分離等に関する会計基準 第52項、第53項)。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 投資有価証券(Y社株式) | 3,000 | 投資有価証券(X社株式) | 2,000 |
| 交換利益 | 1,000 |
ただし、当初から現金以外の財産での分配を期待していた場合など投資が継続しているとみなされるときは、受け取った財産の取得価額を按分した帳簿価額とします。また、投資後に生じた利益の分配として現金以外の財産の分配が行われた場合は、受け取った財産の時価をもって収益に計上することが合理的とされています(事業分離等に関する会計基準 第144項)。どの処理になるかは分配の経緯と原資の実態で決まるため、配当する会社の決議内容を確認したうえで判断します。
金銭の配当を受けた場合の株主側の処理は、その他資本剰余金を原資とするかどうかで扱いが分かれます。金銭配当の論点は次のコラムで整理しています。
関連コラムその他資本剰余金の配当の会計処理|株主側の帳簿価額減額と例外▸
株主資本等変動計算書の注記
配当財産が金銭以外の場合(分割型の会社分割を含みます)は、株主資本等変動計算書の配当に関する注記として、株式の種類ごとに配当財産の種類、配当財産の帳簿価額、1株当たり配当額、基準日及び効力発生日を記載します。効力発生日の時価で純資産を減少させる場合、ここでいう帳簿価額は時価で評価した後の帳簿価額です(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第13項(4))。
原則処理で時価評価した場合に、評価前の帳簿価額のまま注記してしまう誤りが起きやすいため、仕訳の金額と注記の金額を突き合わせる手順を決算チェックリストに入れておくとよいでしょう。
現物配当を実行する前の実務チェックポイント
- 判定表の5類型への該当 ── 子会社株式の按分型の配当か、グループ内への配当か、時価の算定が困難かを決議前に確定する(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第10項)。
- 効力発生日の時価の入手方法 ── 原則処理になる場合、効力発生日の時価をどの資料で確定するかを事前に決めておく。
- 減額する剰余金の内訳 ── その他資本剰余金と繰越利益剰余金のどちらを減額するかを、取締役会等の決定事項として議事録に残す。
- 会社法上の決議要件と財源規制 ── 金銭分配請求権を与えるかどうかで決議要件が変わる。分配可能額は効力発生日で判定する。
- 株主側への情報提供 ── 受け取った株主は按分計算が必要になるため、配当財産の内容と時価の算定根拠を株主にどう伝えるかも準備する。
- 税務との差異 ── 会計上の処理と税務上の取扱いは一致するとは限らないため、税効果を含めて別途検討する。
適用状況と改正の経緯
自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針は2002年2月21日に公表されました。会社法で配当財産が金銭以外の場合もあることが明らかにされたことを受け、2005年の改正で現物配当を行う会社(分配側)の会計処理が定められ、受取側の会計処理は事業分離等に関する会計基準で示されています(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第28項)。
その後、2006年と2015年の改正を経て、直近では2024年3月22日に、完全子会社株式の一部を按分型で配当する場合の取扱い(第10項(2-2))を加える改正が行われました。2024年改正は公表日以後適用されており、改正前に行われた同種の取引について会計処理の見直しや遡及的な処理は求められていません(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第23-3項、第57項)。
まとめ
現物配当をする会社は、原則として配当の効力発生日の時価で配当財産を評価し、帳簿価額との差額を配当財産の種類に応じた区分の損益に計上したうえで、時価で剰余金を減額します。分割型の会社分割(按分型)、子会社株式のすべての按分型の配当、2024年改正で加わった完全子会社株式の一部の按分型の配当、企業集団内への配当、公正な評価額の算定が困難な場合の5類型では、帳簿価額で剰余金を減額し損益は計上しません(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第10項)。
受け取った株主は、保有株式の帳簿価額の一部と引き換えられたとみなして処理するのが原則で、差額は交換損益として特別損益に計上します(事業分離等に関する会計基準 第52項、第53項)。スピンオフやグループ再編で現物配当を検討する際は、会計処理の類型判定と会社法の決議要件・財源規制を同時に確認することが欠かせません。具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。
お問い合わせはこちら参考文献
- 企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第2号 自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針
- 企業会計基準委員会 企業会計基準第7号 事業分離等に関する会計基準
- 企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第10号 企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針
- 企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第9号 株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針
- e-Gov法令検索 会社法
- e-Gov法令検索 会社計算規則
よくある質問
現物配当で計上した損益は、損益計算書のどの区分に表示しますか。
配当財産の種類等に応じた表示区分に計上します(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第10項)。基準は科目名を特定していないため、投資有価証券・固定資産・棚卸資産といった配当財産の種類に応じて表示区分を検討します。
子会社株式を株主に配当するスピンオフでは損益が出ますか。
保有する子会社株式のすべてを株式数に応じて比例的に配当する場合や、2024年改正で加わった完全子会社株式の一部を按分型で配当し子会社株式に該当しなくなる場合は、帳簿価額で剰余金を減額するため損益は生じません(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第10項(2)、(2-2))。
金銭分配請求権を与えずに現物配当をする場合、どの決議が必要ですか。
配当財産が金銭以外で、株主に金銭分配請求権を与えない場合は、株主総会の特別決議が必要です(会社法 第309条第2項第10号、第454条第4項)。取締役会決議による中間配当は配当財産が金銭であるものに限られます(会社法 第454条第5項)。
現物配当を受けた株主は、受取配当金として計上できますか。
原則は、保有していた株式と実質的に引き換えられたものとみなし、按分した帳簿価額と受け取った財産の時価との差額を交換損益として処理します(事業分離等に関する会計基準 第52項、第53項)。ただし、投資後に生じた利益の分配として現金以外の財産を受け取った場合は、その時価で収益に計上することが合理的とされています(事業分離等に関する会計基準 第144項)。
本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。



