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財務会計

分配可能額の計算方法【計算例】のれん等調整額と計算シート

目次
  1. 分配可能額の計算例(計算シート)
  2. のれん等調整額の計算例
  3. 控除額を決める3つの場合分け
  4. ケース1 のれん等調整額が資本等金額以下の場合
  5. ケース2 のれん等調整額がその他資本剰余金までの範囲に収まる場合
  6. ケース3 のれん等調整額が資本等金額とその他資本剰余金の合計額を超える場合
  7. エクセルで計算シートを組むときの行構成
  8. 会社法第461条が定める内容
  9. 第461条第1項 財源規制の対象となる8つの行為
  10. 第461条第2項 分配可能額の算式
  11. 剰余金の額から分配可能額までの5ステップ
  12. ステップ1 最終事業年度の末日における剰余金の額
  13. ステップ2 最終事業年度の末日後の剰余金の増減
  14. ステップ3 自己株式の帳簿価額と処分対価の控除
  15. ステップ4 臨時計算書類による加減算
  16. ステップ5 会社計算規則第158条による控除
  17. 会社計算規則第158条の控除項目一覧
  18. 自己株式の取引が分配可能額に与える影響
  19. 自己株式の取得
  20. 自己株式の処分
  21. 実務上の落とし穴
  22. 判定日は効力発生日である
  23. のれんの償却が進むと控除額も変わる
  24. 連結配当規制適用会社の選択
  25. 臨時計算書類は監査・承認が前提
  26. 剰余金がマイナスの会社では自己株式も取得できない
  27. 配当可能限度額という旧商法の用語
  28. 関連する会計基準と改正の経緯
  29. まとめ
  30. 参考文献
  31. よくある質問
  32. 分配可能額と剰余金の額はどう違いますか。
  33. 会社法第461条は何を定めていますか。
  34. のれんがあると必ず分配可能額が減りますか。
  35. 最終事業年度の末日後に自己株式を処分すると分配可能額は増えますか。
  36. その他有価証券評価差額金がプラスの場合は加算できますか。
  37. 分配可能額が残っていれば必ず配当できますか。
  38. 分配可能額を超えて配当した場合はどうなりますか。
  39. のれん等調整額はどのように計算しますか。

分配可能額とは、株主に対する剰余金の配当や自己株式の取得によって会社が交付できる金銭等の帳簿価額の上限をいいます。分配可能額は、剰余金の額に臨時計算書類による調整を加え、そこから自己株式の帳簿価額や会社計算規則が定める控除額を差し引いて求めます(会社法 第461条第2項)。

実務では「配当の原資は繰越利益剰余金だから、その残高まで配当できる」と誤解されがちです。しかし実際には、自己株式の帳簿価額や、のれん・繰延資産に係る控除額が上限を押し下げます。本記事では、経理・財務担当者が今期いくらまで配当・自己株式取得ができるかを自分で検算できるよう、最初に数値を埋めた計算例とのれん等調整額の計算例を示し、続いてエクセルで同じ計算を組むときの行構成、会社法第461条・会社計算規則第158条の条文構造の順に解説します。

分配可能額の計算例(計算シート)

先に全体像を数値で追います。次の表は、会社法第461条第2項が定める加算2項目・減算4項目を、実務で埋める順に並べた計算シートです(会社法 第461条第2項)。自社の数値を右列に置き換えれば、そのまま分配可能額の試算に使えます。

前提は、最終事業年度の末日の貸借対照表が資本金100,000千円、資本準備金20,000千円、利益準備金10,000千円、その他資本剰余金30,000千円、繰越利益剰余金80,000千円、自己株式5,000千円(株主資本の控除項目)、その他有価証券評価差額金がマイナス3,000千円、のれん300,000千円、繰延資産4,000千円の会社です。最終事業年度の末日後に、帳簿価額2,000千円の自己株式を対価2,400千円で処分し、剰余金の配当10,000千円を行ったものとします。臨時計算書類は作成していません(単位:千円)。

① その他資本剰余金
(最終事業年度の末日)
30,000
② その他利益剰余金
(最終事業年度の末日)
80,000
③ 期末後の加算
自己株式処分差益・減資差益・準備金減少差益
+400
④ 期末後の減算
自己株式の消却額・剰余金の配当額
−10,000
⑤ 剰余金の額
(①+②+③+④)
100,400
⑥ 臨時計算書類の利益と
自己株式処分対価(加算)
0
⑦ 自己株式の帳簿価額
(分配時点・減算)
−3,000
⑧ 期末後の自己株式の
処分対価(減算)
−2,400
⑨ 臨時計算書類の損失
(減算)
0
⑩ 会社計算規則
第158条の額(減算)
−27,000
⑪ 分配可能額
(⑤+⑥+⑦+⑧+⑨+⑩)
68,000
分配可能額 = 100,400 + 0 − 3,000 − 2,400 − 0 − 27,000 = 68,000(千円)

純資産の部の剰余金は期末時点で110,000千円ありますが、期末後の配当と自己株式の控除、のれん等調整額・評価差額金の控除を経ると、実際に配当や自己株式取得に充てられるのは68,000千円です。⑩の27,000千円のうち24,000千円がのれん等調整額に係る控除額、3,000千円がその他有価証券評価差額金のマイナス分です。のれん等調整額の計算過程は、次の見出しで数値を変えながら分解します。

なお、この例では配当10,000千円に伴う準備金の積立ては生じません。準備金の額30,000千円が基準資本金額(資本金の4分の1=25,000千円)以上であるためです(会社法 第445条第4項、会社計算規則 第22条第1項第1号、第2項第1号)。準備金が基準資本金額に満たない会社では、配当により減少する剰余金の額の10分の1(基準資本金額に達するまでの額が上限)を準備金として計上する必要があり、その分だけ剰余金の額がさらに減ります(会社法 第445条第4項、会社計算規則 第22条)。

のれん等調整額の計算例

計算シートの⑩のうち、金額が最も大きくなりやすく、かつ計算を誤りやすいのが会社計算規則第158条第1号ののれん等調整額に係る控除額です。まず、最終事業年度の末日におけるのれん等調整額と資本等金額という2つの金額を求めます(会社計算規則 第158条第1号)。

のれん等調整額 = 資産の部に計上したのれんの額 ÷ 2 + 繰延資産の部に計上した額
資本等金額 = 資本金の額 + 準備金の額(資本準備金 + 利益準備金)

先に、のれんと繰延資産の金額だけを変えた4つの計算例の結果を一覧にします(単位:千円)。いずれも資本等金額130,000千円、資本等金額とその他資本剰余金の合計額160,000千円の会社です。

ケース1
のれん60,000・繰延資産4,000
のれん等調整額34,000は130,000以下のため、控除額は0
ケース2
のれん300,000・繰延資産4,000
のれん等調整額154,000は160,000以下のため、控除額は154,000−130,000=24,000
ケース3(1)
のれん310,000・繰延資産10,000
のれん等調整額165,000は160,000超だが、のれんの2分の1(155,000)が160,000以下のため、控除額は165,000−130,000=35,000
ケース3(2)
のれん400,000・繰延資産4,000
のれんの2分の1(200,000)が160,000超のため、控除額はその他資本剰余金30,000+繰延資産4,000=34,000

ケース3(2)では、のれんがケース3(1)より大きいにもかかわらず控除額は小さくなっています。この逆転が生じる理由は、以下の条文の場合分けを順に追うと分かります。

控除額を決める3つの場合分け

控除額は、のれん等調整額が「資本等金額」および「資本等金額とその他資本剰余金の合計額」という2つの基準額に対してどの位置にあるかで、3つの場合に分かれます。計算シートの会社(資本金100,000千円、資本準備金20,000千円、利益準備金10,000千円、その他資本剰余金30,000千円)に当てはめると、2つの基準額は130,000千円と160,000千円です。

ケース1
第158条第1号イ
のれん等調整額 ≦ 資本等金額(130,000)のとき、控除額は零
ケース2
第158条第1号ロ
資本等金額 < のれん等調整額 ≦ 資本等金額+その他資本剰余金(160,000)のとき、控除額は「のれん等調整額 − 資本等金額」
ケース3
第158条第1号ハ
のれん等調整額 > 160,000 のとき、のれんの額の2分の1が160,000以下なら「のれん等調整額 − 資本等金額」、160,000超なら「その他資本剰余金 + 繰延資産」

ケース1 のれん等調整額が資本等金額以下の場合

のれん等調整額が資本等金額以下であれば、控除額は零です(会社計算規則 第158条第1号イ)。のれんと繰延資産が払込資本の範囲内に収まっており、剰余金を毀損していないと考えるためです。たとえば、のれん60,000千円、繰延資産4,000千円であれば、のれん等調整額は34,000千円となり、資本等金額130,000千円を下回るため控除は生じません。

のれん等調整額 = 60,000 ÷ 2 + 4,000 = 34,000(千円) ≦ 130,000 → 控除額 0

ケース2 のれん等調整額がその他資本剰余金までの範囲に収まる場合

のれん等調整額が資本等金額を超えるものの、資本等金額とその他資本剰余金の合計額以下である場合には、のれん等調整額から資本等金額を減じた額を控除します(会社計算規則 第158条第1号ロ)。計算シートの前提であるのれん300,000千円、繰延資産4,000千円のケースがこれに当たります。

のれん等調整額 = 300,000 ÷ 2 + 4,000 = 154,000(千円)
控除額 = 154,000 − 130,000 = 24,000(千円)

のれん等調整額154,000千円は資本等金額130,000千円を超え、かつ160,000千円以下であるため、超過分の24,000千円がその他資本剰余金を食い潰した部分として控除されます。これが計算シート⑩の内訳となる24,000千円です。

ケース3 のれん等調整額が資本等金額とその他資本剰余金の合計額を超える場合

のれん等調整額が資本等金額とその他資本剰余金の合計額を超える場合は、さらにのれんの額の2分の1だけを取り出して、その額が同じ合計額を超えるかどうかで取扱いが分かれます(会社計算規則 第158条第1号ハ)。

第一に、のれんの額の2分の1が資本等金額とその他資本剰余金の合計額以下である場合には、ケース2と同じく、のれん等調整額から資本等金額を減じた額を控除します(会社計算規則 第158条第1号ハ(1))。のれん310,000千円、繰延資産10,000千円であれば、のれんの2分の1は155,000千円で160,000千円以下であるため、この扱いになります。

のれん等調整額 = 310,000 ÷ 2 + 10,000 = 165,000(千円)
控除額 = 165,000 − 130,000 = 35,000(千円)

第二に、のれんの額の2分の1が資本等金額とその他資本剰余金の合計額を超える場合には、控除額はその他資本剰余金の額と繰延資産の額の合計額になります(会社計算規則 第158条第1号ハ(2))。のれん400,000千円、繰延資産4,000千円であれば、のれんの2分の1は200,000千円で160,000千円を超えるため、この扱いです。

控除額 = その他資本剰余金 30,000 + 繰延資産 4,000 = 34,000(千円)

この場合、控除額はのれん等調整額の超過額(204,000千円 − 130,000千円 = 74,000千円)ではなく34,000千円にとどまります。のれんが極端に大きいときに控除額を無制限に拡大させず、その他資本剰余金と繰延資産の範囲で頭打ちにする設計であるためです。のれんが大きいほど控除額も比例して増えるわけではないという点は、M&Aを重ねた会社の配当余力を検討するうえで実務上の要点になります。

なお、のれん等調整額と資本等金額・その他資本剰余金は、いずれも最終事業年度の末日の額で判定します(会社計算規則 第158条第1号)。期中に減資をして資本金の額が減っても、その期の分配についての第1号の判定は前期末の数値のままで行います。臨時計算書類の承認を受けている場合は、その臨時決算日の数値に置き換わります(会社計算規則 第158条第1号)。

エクセルで計算シートを組むときの行構成

冒頭の計算例を表計算ソフトで再現するときは、貸借対照表から拾う入力値と、条文に沿った計算行を分けておくと、後から監査人や顧問と検算しやすくなります。次の表は、B列に数値を入れる前提の行構成の一例です(単位:千円)。臨時計算書類を作成していない会社を前提としています。

B1〜B3
資本金・資本準備金・利益準備金
最終事業年度の末日の貸借対照表から入力(100,000・20,000・10,000)
B4・B5
その他資本剰余金・その他利益剰余金
同じく期末の残高を入力(30,000・80,000)
B6・B7
のれん・繰延資産
同じく期末の残高を入力(300,000・4,000)
B8・B9
その他有価証券評価差額金・
土地再評価差額金
期末の計上額を符号付きで入力(−3,000・0)
B10
期末後の加算額
自己株式処分差益、資本金・準備金の減少額(400)
B11
期末後の減算額
自己株式の消却額、剰余金の配当額など(10,000)
B12
分配時点の自己株式
効力発生日時点の帳簿価額(3,000)
B13
期末後の自己株式処分対価
処分差益ではなく対価の総額(2,400)
B14
剰余金の額
=B4+B5+B10-B11(100,400)
B15
資本等金額
=B1+B2+B3(130,000)
B16
のれん等調整額
=B6/2+B7(154,000)
B17
のれん等調整額に係る控除額
下記の算式(24,000)
B18
評価差額金のマイナス分
=MAX(0,-B8)+MAX(0,-B9)(3,000)
B19
分配可能額
=B14-B12-B13-B17-B18(68,000)

B17は、会社計算規則第158条第1号イ・ロ・ハの順にそのまま入れ子の条件式にすると、条文との対応を確認しやすくなります。

B17 = IF(B16<=B15, 0, IF(B16<=B15+B4, B16-B15, IF(B6/2<=B15+B4, B16-B15, B4+B7)))

B18で評価差額金をMAX関数で処理しているのは、マイナスのときだけ控除し、プラスのときは零とする条文の片側の取扱いを再現するためです(会社計算規則 第158条第2号、第3号)。ここを単純な引き算にすると、含み益があるときに分配可能額が過大に計算されます。

この行構成に含めていない項目として、臨時計算書類の利益・損失(会社法 第461条第2項第2号、第5号)、連結配当規制適用会社の控除額(会社計算規則 第158条第4号)、資本金と準備金等の合計額が300万円に満たない場合の控除額(会社計算規則 第158条第6号)があります。該当する会社は、B18とB19の間に行を追加して減算します。また、同じ時期に配当と自己株式の取得を予定している場合は、効力発生日ごとにシートを複製し、先に行う分配でB11・B12が変わった状態で次の分配を判定します。

会社法第461条が定める内容

分配可能額の根拠条文は会社法第461条です。同条は第1項で規制の対象となる8つの行為を限定列挙し、第2項で分配可能額の算式を定める、という二階建ての構造になっています。

第461条第1項 財源規制の対象となる8つの行為

次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除きます)の帳簿価額の総額は、その行為が効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならないとされています(会社法 第461条第1項)。剰余金の配当だけでなく、自己株式の取得の多くがこの規制に含まれます。

第1号 譲渡等承認請求に伴う会社による譲渡制限株式の買取り(会社法 第138条第1号ハ、第2号ハ)
第2号 株主総会等の決定に基づく自己株式の取得のうち、子会社からの取得および市場取引・公開買付けによる取得(会社法 第156条第1項、第163条、第165条第1項)
第3号 特定の株主から合意により行う自己株式の取得(会社法 第157条第1項)
第4号 全部取得条項付種類株式の取得(会社法 第173条第1項)
第5号 相続人その他の一般承継人に対する売渡請求に基づく買取り(会社法 第176条第1項)
第6号 所在不明株主の株式の買取り(会社法 第197条第3項)
第7号 1株に満たない端数の処理に伴う株式の買取り(会社法 第234条第4項、第235条第2項)
第8号 剰余金の配当(会社法 第453条)

実務で見落とされやすいのは、反対株主の株式買取請求に応じた取得は第461条第1項に列挙されていない点です。ただし財源の規律が及ばないわけではなく、買取請求に応じて支払った金銭の額が、支払日時点の分配可能額を上回るときは、その職務を行った業務執行者が超過額の支払義務を負います(会社法 第464条第1項)。

同じく第461条第1項に列挙されていないものとして、取得請求権付株式・取得条項付株式の取得があります。これらは、取得と引換えに交付する財産の帳簿価額が分配可能額を超えるときは、株主が取得を請求できず、または取得の効力が生じない仕組みとして、それぞれの条文の中で財源規制が置かれています(会社法 第166条第1項ただし書、第170条第5項)。

第461条第1項に違反して分配を行った場合には、金銭等の交付を受けた者と業務執行者等が、交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を会社へ支払う義務を連帯して負います(会社法 第462条第1項)。分配可能額の試算は、取締役の責任に直結する手続です。さらに、分配の時点では適法でも、その事業年度に係る計算書類の承認時に自己株式の帳簿価額などの控除額が剰余金の額を上回る状態(欠損)となったときは、業務執行者が欠損額を支払う義務を負うことがあります(会社法 第465条第1項)。定時株主総会で決定した剰余金の配当などは、この義務の対象から除かれています(会社法 第465条第1項第10号)。

また、分配可能額とは別の規制として、株式会社の純資産額が300万円を下回る場合には剰余金の配当をすることができません(会社法 第458条)。分配可能額が正の値であっても、純資産額が300万円未満であれば配当は行えません。

第461条第2項 分配可能額の算式

分配可能額は、第1号・第2号の合計額から第3号から第6号までの合計額を減じて得た額と定義されています(会社法 第461条第2項)。計算シートの⑤から⑩は、この各号に1対1で対応します。

第1号(加算) 剰余金の額(会社法 第446条)/シート⑤
第2号(加算) 承認を受けた臨時計算書類に係る期間の利益の額と、その期間内に処分した自己株式の対価の額/シート⑥
第3号(減算) 自己株式の帳簿価額/シート⑦
第4号(減算) 最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合の当該自己株式の対価の額/シート⑧
第5号(減算) 臨時計算書類に係る期間の損失の額/シート⑨
第6号(減算) 法務省令で定める額(会社計算規則 第158条)/シート⑩
分配可能額 = 剰余金の額 + 臨時計算書類の利益等 − 自己株式の帳簿価額 − 最終事業年度の末日後の自己株式の処分対価 − 臨時計算書類の損失 − 会社計算規則第158条の額

「剰余金の額」は決算日の残高そのものではなく、決算日(最終事業年度の末日)の額を出発点として期中の一定の増減を加減した分配時点の額である点に注意が必要です。以下では、この計算を5つのステップに分けて確認します。

剰余金の額から分配可能額までの5ステップ

ステップ1 最終事業年度の末日における剰余金の額

会社法は、最終事業年度の末日における剰余金の額を「資産の額と自己株式の帳簿価額の合計額から、負債の額、資本金及び準備金の額の合計額、および法務省令で定める額を減じて得た額」と定めています(会社法 第446条第1号)。この法務省令で定める額は、その他資本剰余金とその他利益剰余金以外の純資産項目を除く仕組みになっています(会社計算規則 第149条)。

この規定を整理すると、決算日の剰余金の額は次の単純な式に帰着します。実務上は、貸借対照表の純資産の部から2項目を拾うだけで足ります。

最終事業年度の末日の剰余金の額 = その他資本剰余金 + その他利益剰余金
計算シート①+② = 30,000 + 80,000 = 110,000(千円)

資本金・資本準備金・利益準備金は含まれません。また、その他有価証券評価差額金や新株予約権といった株主資本以外の項目も、この段階では剰余金の額に入りません。

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ステップ2 最終事業年度の末日後の剰余金の増減

決算日後に資本取引や配当を行った場合は、その影響を剰余金の額に反映させます(会社法 第446条第2号から第7号)。加算されるのは、自己株式の処分差益、資本金の額の減少額、準備金の額の減少額です。減算されるのは、自己株式の消却に係る帳簿価額、剰余金の配当額、および法務省令で定める額(会社計算規則 第150条)です。

分配時点の剰余金の額 = 最終事業年度の末日の剰余金の額 + 自己株式処分差益 + 資本金の額の減少額 + 準備金の額の減少額 − 自己株式の消却額 − 剰余金の配当額 ± 会社計算規則第150条の額
計算シート⑤ = 110,000 + 400 − 10,000 = 100,400(千円)

ここで加算される資本金・準備金の減少額は、減少額のうち準備金または資本金とした部分(会社法 第447条第1項第2号、第448条第1項第2号の額)を除いた金額です(会社法 第446条第3号、第4号)。会計上も、資本金及び資本準備金の額の減少によって生ずる剰余金は、減少の法的効力が発生したときにその他資本剰余金に計上し、利益準備金の額の減少によって生ずる剰余金はその他利益剰余金(繰越利益剰余金)に計上します(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準 第20項、第21項)。

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ステップ3 自己株式の帳簿価額と処分対価の控除

分配可能額の算定では、分配時点で保有している自己株式の帳簿価額を控除します(会社法 第461条第2項第3号)。自己株式は取得原価をもって純資産の部の株主資本から控除して表示されるため(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準 第7項、第8項)、貸借対照表上のマイナス表示と分配可能額上の控除が二重に効いているわけではありません。剰余金の額の計算では自己株式の帳簿価額をいったん資産側に足し戻したうえで(会社法 第446条第1号ロ)、分配可能額の段階で改めて控除する構造になっています。

本例では、期末に保有していた自己株式5,000千円のうち帳簿価額2,000千円を期末後に処分しているため、分配時点の帳簿価額は3,000千円です(計算シート⑦)。

さらに、最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合には、その処分の対価の額の全額を控除します(会社法 第461条第2項第4号)。処分差益だけでなく対価そのものが控除対象である点が、実務で最も間違えやすい箇所です(計算シート⑧の2,400千円)。

ステップ4 臨時計算書類による加減算

期中に臨時決算日を定めて臨時計算書類を作成し、承認を受けた場合には、その期間の利益と自己株式の処分対価を加算します(会社法 第461条第2項第2号)。加算する利益の額は、臨時計算書類の損益計算書に計上された当期純損益金額のうち零以上の額です(会社計算規則 第156条)。

逆に臨時計算書類が損失であった場合には、その額を控除します。控除する損失の額は、零から当期純損益金額(零未満の額に限ります)を減じて得た額、すなわち損失の絶対値です(会社計算規則 第157条)。臨時計算書類を作成していない会社では、計算シートの⑥と⑨は零のままです。

ステップ5 会社計算規則第158条による控除

最後に、法務省令が定める「その他減ずるべき額」を控除します(会社法 第461条第2項第6号)。この額は会社計算規則第158条に列挙されており、第1号から第8号までの合計額から第9号・第10号の合計額を減じて得た額です(会社計算規則 第158条)。このうち第1号ののれん等調整額は、前述の「のれん等調整額の計算例」で数値を追ったとおりです。

会社計算規則第158条の控除項目一覧

第158条の各号を条文の順序どおりに整理すると次のとおりです。上場準備企業で実際に金額が立つのは第1号・第2号・第3号、連結配当規制適用会社を選択した場合の第4号、小規模会社での第6号が中心になります。

第1号 のれん等調整額(のれんの額の2分の1と繰延資産の額の合計額)が資本等金額等を超える場合の控除額
第2号 その他有価証券評価差額金の計上額がマイナスの場合のその絶対値(プラスの場合は零)
第3号 土地再評価差額金の計上額がマイナスの場合のその絶対値(プラスの場合は零)
第4号 連結配当規制適用会社において、連結ベースの株主資本等が個別を下回る場合の差額(マイナスのときは零)
第5号 期末後に2以上の臨時計算書類を作成した場合の、最終の臨時計算書類以外に係る利益等から損失を減じた額
第6号 300万円から、資本金と準備金の合計額・株式引受権・新株予約権・評価換算差額等のプラス計上額の合計を減じた額(マイナスのときは零)
第7号 期末後に吸収型再編受入行為または特定募集に際して処分する自己株式に係る、臨時計算書類の期間内の処分対価の額(会社法 第461条第2項第2号ロの額)
第8号 期末後に増加したその他資本剰余金の額等(会社計算規則 第21条、第42条の2第5項第1号)および最終事業年度がない会社の自己株式処分対価
第9号
(減算)
期末後に自社株式を対価として自社の株式を取得した場合の、取得した株式の帳簿価額から交付財産等の帳簿価額を減じた額
第10号
(減算)
期末後に吸収型再編受入行為または特定募集に際して処分する自己株式に係る第461条第2項第4号の額

第2号・第3号は、マイナスのときだけ控除し、プラスのときは加算しないという片側の取扱いです。含み益は分配可能額を増やさない一方、含み損は分配可能額を減らします。時価評価による未実現の利益を株主に払い出させない趣旨であり、実務で見落とされやすい調整です。

第7号・第10号は、吸収合併等の組織再編や特定募集に際して処分する自己株式について、第461条第2項第4号による控除と第158条による加算・減算を組み合わせ、二重に控除されないよう調整する規定です。通常の自己株式の処分とは扱いが異なるため、組織再編を予定している会社は該当の有無を確認します。

本例では、第1号ののれん等調整額に係る24,000千円と、第2号のその他有価証券評価差額金3,000千円の合計27,000千円が控除額です(計算シート⑩)。第6号は、資本金と準備金の合計額130,000千円が300万円を大きく上回るため零となります。

計算シート⑩ = のれん等調整額に係る額 24,000 + その他有価証券評価差額金 3,000 = 27,000(千円)
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自己株式の取引が分配可能額に与える影響

自己株式は、分配可能額の計算に二重に登場します。分配時点の帳簿価額が控除され(会社法 第461条第2項第3号)、期末後に処分した場合はその対価が控除されます(会社法 第461条第2項第4号)。仕訳と結び付けて確認します。

自己株式の取得

最終事業年度の末日後に、自己株式を対価5,000千円で取得し、証券会社への手数料50千円を支払ったとします。取得した自己株式は取得原価をもって純資産の部の株主資本から控除し、取得に関する付随費用は損益計算書の営業外費用に計上します(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準 第7項、第14項)。単位は千円です。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
自己株式 5,000 現金預金 5,050
支払手数料 50

この取引により、計算シート⑦の自己株式の帳簿価額が5,000千円増加するため、分配可能額は同額だけ減少します。一方、付随費用50千円は当期の営業外費用であり、最終事業年度の末日における剰余金の額には反映されないため、分配可能額を直接には減らしません。取得の意思決定にあたっては、手数料込みの支出額ではなく取得原価ベースで枠を消費すると理解しておく必要があります。

関連コラム自己株式の会計処理を徹底解説|取得・処分・消却の仕訳と資本の部の表示▸

自己株式の処分

続いて、計算シートの前提と同じく、帳簿価額2,000千円の自己株式を、募集株式の発行等の手続により対価2,400千円で処分した場合を考えます。自己株式処分差益はその他資本剰余金に計上します(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準 第9項)。処分差損が生じる場合はその他資本剰余金から減額し、その残高が負の値となったときは、会計期間末においてその他利益剰余金(繰越利益剰余金)から減額します(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準 第10項、第12項)。単位は千円です。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
現金預金 2,400 自己株式 2,000
その他資本剰余金 400

この処分が計算シートに与える影響を分解すると、③の加算に処分差益400千円が入り(会社法 第446条第2号)、⑦の自己株式の帳簿価額が2,000千円減ります。他方で、⑧に処分対価2,400千円の全額が控除項目として入ります(会社法 第461条第2項第4号)。差引きの影響は零です。

影響額 = +400 + 2,000 − 2,400 = 0(千円)

つまり、最終事業年度の末日後に自己株式を処分しても、分配可能額は増えません。処分によって現金が入り、その他資本剰余金も増えるため、配当余力が増えたように見えます。この点を誤ると、期末後に自己株式を売却して配当原資を作るという計画が成り立たなくなります。会計基準の考え方としても、自己株式処分差益は資本準備金と異なり分配可能額からの控除項目とはされておらず、剰余金の額に含まれる位置付けです(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準 第38項)。

関連コラムその他資本剰余金のマイナス|自己株式処分差損の期末振替と仕訳▸

実務上の落とし穴

分配可能額の算定でつまずきやすい論点を、上場準備企業の実務でよく見る順に整理します。

判定日は効力発生日である

分配可能額の判定は、決算日でも取締役会決議日でもなく、その行為が効力を生ずる日で行います(会社法 第461条第1項)。株主総会で配当を決議した後、効力発生日までに自己株式の取得を行った場合には、その分だけ枠が減った状態で配当の適法性が判定されます。同一時期に複数の分配行為を予定しているときは、計算シートを行為ごとに作り、効力発生日順に枠の消費をシミュレーションしておく必要があります。

のれんの償却が進むと控除額も変わる

のれん等調整額は最終事業年度の末日の残高で計算するため、のれんの償却が進めば翌期の控除額は自動的に小さくなります。逆に、期中にM&Aを実行してのれんを計上しても、その効果が分配可能額に反映されるのは次の決算日以降です。買収直後の配当計画では、この1期分のずれを織り込んで検討します。

連結配当規制適用会社の選択

連結配当規制適用会社となることを選択した場合には、連結ベースの株主資本等が個別を下回る部分が追加で控除されます(会社計算規則 第158条第4号)。子会社に多額の欠損がある企業グループでは、この選択の有無が分配可能額を大きく左右します。適用会社となるかどうかは会社の選択によるため、上場準備の段階で方針を決めておくことが求められます。

臨時計算書類は監査・承認が前提

期中の利益を分配可能額に取り込むには、臨時計算書類を作成し、会社法が定める承認を受けている必要があります(会社法 第461条第2項第2号)。月次決算の利益をそのまま加算することはできません。期中に大きな利益が出たため配当したいという相談は多いのですが、臨時計算書類の作成・監査のスケジュールが確保できるかが実務上の分かれ目になります。

剰余金がマイナスの会社では自己株式も取得できない

繰越利益剰余金のマイナスが大きく、剰余金の額が負になっている会社では分配可能額が生じません。この場合、配当だけでなく、退任した役員や従業員株主から株式を買い取るといった自己株式の取得もできません(会社法 第461条第1項)。上場準備の過程で株主構成を整理したい場面で、この制約に初めて気付くことがあります。

対応としては、資本金や準備金の額を減少してその他資本剰余金へ振り替え、期末後の加算項目として剰余金の額を増やす方法があります(会社法 第446条第3号、第4号、第447条第1項、第448条第1項)。資本金等の額の減少には株主総会の決議に加え、原則として債権者が異議を述べる機会を与える手続が必要です(会社法 第449条)。また、のれん等調整額の判定に使う資本等金額は最終事業年度の末日の額で固定されるため、期中の減資は翌期末以降の第1号の判定に影響する点も、数期先まで配当計画を立てる際に確認しておきます。

配当可能限度額という旧商法の用語

「配当可能限度額」「配当可能利益」は、2006年5月に会社法が施行される前の商法で用いられていた用語です。現行法では規制の対象が剰余金の配当だけでなく自己株式の取得等にも及ぶため、条文上の用語は分配可能額に統一されています(会社法 第461条第2項)。社内規程や稟議書のひな形に旧用語が残っている場合は、計算過程が旧商法のままになっていないかを合わせて確認します。

関連する会計基準と改正の経緯

自己株式の会計処理および資本金・準備金の額の減少の会計処理は、企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」と、企業会計基準適用指針第2号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針」が定めています。本会計基準は、すべての会社における自己株式の取得、保有、処分および消却ならびに資本金および準備金の額の減少の会計処理に適用されます(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準 第3項)。

本会計基準は2002年2月21日に公表され、その後2005年、2006年、2015年に改正されています。2015年改正の会計基準は、公表日以後最初に終了する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用されており、現在はいずれの改正内容も適用済みです(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準 第23項、第23-2項)。2015年改正では、決議後消却手続を完了していない自己株式に関する注記の取扱いが明確化されました(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準 第22項)。

適用指針についても、2005年、2006年、2015年の改正に続き、2024年に改正が行われています。2024年改正は、完全子会社株式の一部を株式数に応じて比例的に配当(按分型の配当)し子会社株式に該当しなくなった場合の現物配当の会計処理を新たに定めたもので、公表日以後適用されています(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針 第10項(2-2)、第23-3項)。分配可能額の枠内で現物配当を行う会社は、この改正後の取扱いを確認しておく必要があります。

関連コラムその他資本剰余金の配当の会計処理|株主側の帳簿価額減額と例外▸

まとめ

分配可能額の計算は、剰余金の額の算定、期末後の増減の反映、自己株式の控除、臨時計算書類による加減算、会社計算規則第158条による控除という5つのステップに整理でき、冒頭の計算シートの①から⑪に1対1で対応します。エクセルで組む場合も、この順序どおりに行を並べ、評価差額金の片側の取扱いとのれん等調整額の場合分けを条件式で再現しておけば、条文との照合が容易になります。出発点となる剰余金の額はその他資本剰余金とその他利益剰余金の合計であり、そこからのれん等調整額と評価差額金のマイナス分、自己株式の帳簿価額と期末後の処分対価を差し引いた残りが実際の配当余力です。

特に注意すべきは、のれん等調整額の3つの場合分けと、期末後の自己株式処分が分配可能額を増やさないという構造です。いずれも純資産の部の金額を眺めるだけでは見えず、条文の順序に沿って計算しなければ誤った上限を前提に意思決定してしまいます。分配可能額を超える分配は業務執行者の支払義務に直結するため(会社法 第462条第1項)、連結配当規制適用会社の選択や臨時計算書類の要否も含め、具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。

参考文献

よくある質問

分配可能額と剰余金の額はどう違いますか。

剰余金の額は、その他資本剰余金とその他利益剰余金を出発点に、期末後の資本取引や配当を加減した金額です(会社法 第446条)。分配可能額は、その剰余金の額から自己株式の帳簿価額や会社計算規則第158条が定める額を控除して求めます(会社法 第461条第2項)。したがって、分配可能額は通常、剰余金の額より小さくなります。

会社法第461条は何を定めていますか。

第1項が財源規制の対象となる8つの行為(譲渡制限株式の買取り、自己株式の取得、全部取得条項付種類株式の取得、端数処理に伴う買取り、剰余金の配当など)を限定列挙し、第2項が分配可能額の算式を定めています(会社法 第461条)。第2項は、剰余金の額と臨時計算書類に係る利益等を加算し、自己株式の帳簿価額、期末後の自己株式処分対価、臨時計算書類の損失、会社計算規則第158条の額を減算する構造です。

のれんがあると必ず分配可能額が減りますか。

減るとは限りません。のれんの額の2分の1と繰延資産の合計額(のれん等調整額)が資本金と準備金の合計額(資本等金額)以下であれば、控除額は零です(会社計算規則 第158条第1号イ)。控除が生じるのは、のれん等調整額が資本等金額を超える場合です。

最終事業年度の末日後に自己株式を処分すると分配可能額は増えますか。

増えません。処分差益によって剰余金の額は増加しますが(会社法 第446条第2号)、処分対価の全額が控除されるため(会社法 第461条第2項第4号)、差引きの影響は零になります。期末後の処分によって配当原資を作ることはできません。

その他有価証券評価差額金がプラスの場合は加算できますか。

加算できません。その他有価証券評価差額金は、貸借対照表の計上額がマイナスの場合に限りその絶対値を控除し、プラスの場合の控除額は零と定められています(会社計算規則 第158条第2号)。含み益は分配可能額を増やさず、含み損だけが分配可能額を減らします。土地再評価差額金も同様の取扱いです(会社計算規則 第158条第3号)。

分配可能額が残っていれば必ず配当できますか。

できるとは限りません。株式会社の純資産額が300万円を下回る場合には、分配可能額の有無にかかわらず剰余金の配当をすることができません(会社法 第458条)。また、会社計算規則第158条第6号により、資本金・準備金等の合計額が300万円に満たない部分は分配可能額から控除されます。

分配可能額を超えて配当した場合はどうなりますか。

金銭等の交付を受けた株主と、その行為に関する職務を行った業務執行者等が、交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を会社に支払う義務を連帯して負います(会社法 第462条第1項)。また、反対株主の株式買取請求に応じた支払額が分配可能額を超えた場合にも、業務執行者が超過額の支払義務を負います(会社法 第464条第1項)。

のれん等調整額はどのように計算しますか。

最終事業年度の末日における、資産の部に計上したのれんの額の2分の1と、繰延資産の部に計上した額の合計額がのれん等調整額です(会社計算規則 第158条第1号)。この額を資本金と準備金の合計額(資本等金額)およびその他資本剰余金と比べ、資本等金額以下なら控除額は零、超える場合はその超過額などを分配可能額から控除します。

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