新リース会計基準のキャッシュ・フロー計算書【表示例】財務活動と間接法
目次
- キャッシュ・フロー計算書で変わる点と適用時期
- オペレーティング・リースの支払リース料の区分変更
- 適用時期(2027年4月1日以後開始する事業年度から)
- 借手の支払リース料の表示区分【一覧表】
- 利息相当額部分は支払利息の区分方法に従う
- 利息相当額を区分計算していない場合
- リース負債に含めないリース料は営業活動
- 設例|仕訳とキャッシュ・フロー計算書の表示例
- リース開始日と第1期末の仕訳
- 表示例(方法①:支払利息を営業活動に記載)
- 表示例(方法②:支払利息を財務活動に記載)
- 旧基準の賃貸借処理との比較
- 間接法の調整項目
- 使用権資産の減価償却費は非資金損益項目
- リース負債に係る支払利息の調整
- リース開始時の計上は調整しない
- 短期リース・少額リース・変動リース料は特別な調整なし
- 重要な非資金取引の注記【記載例】
- 実務で迷いやすい論点
- 作成前のチェックリスト
- 貸手の受取リース料の区分
- 適用初年度の前期との比較
- まとめ
- 参考文献
- よくある質問
- 新リース会計基準で、事務所の賃料はキャッシュ・フロー計算書のどこに載りますか。
- 新リース会計基準の適用で、営業活動によるキャッシュ・フローは増えますか。
- リース開始時に計上した使用権資産は投資活動の支出になりますか。
- 利息相当額を控除しない簡便的な方法を採った場合はどう表示しますか。
新リース会計基準(企業会計基準第34号)が適用されると、借手が支払うリース料は、キャッシュ・フロー計算書のどの区分に載るのでしょうか。結論から申し上げると、リース負債の元本返済額部分は「財務活動によるキャッシュ・フロー」に、利息相当額部分は会社が採用している支払利息の表示区分に記載します。リース負債に含めていない短期リース・少額リースのリース料と変動リース料は、従来どおり「営業活動によるキャッシュ・フロー」です(移管指針第6号 第34項)。
本稿では、この区分ルールを一覧表にしたうえで、年額1,000千円の事務所賃貸借を例に、仕訳からキャッシュ・フロー計算書の表示例、間接法の調整、重要な非資金取引の注記までを一続きで確認します。貸借対照表・損益計算書の表示は別のコラムで扱っているため、ここではキャッシュ・フロー計算書に絞ります。
関連コラム新リース会計基準(第34号)における財務諸表の表示方法を徹底解説▸
キャッシュ・フロー計算書で変わる点と適用時期
オペレーティング・リースの支払リース料の区分変更
新リース会計基準では、借手について単一の会計処理モデルが採用され、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の区分が廃止されました。これに合わせて、キャッシュ・フロー計算書の実務指針も2024年9月に改正されています。改正前は、オペレーティング・リースに係る支払リース料は原則として「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する扱いでしたが、この取扱いが変更されました(移管指針第6号 第1-6項、第34項)。
つまり、これまで賃借料として営業活動の支出に含めていた事務所や店舗の賃料のうち、リース負債の返済に当たる部分は財務活動の区分へ移ります。会社が支払う現金の総額は変わりませんが、営業活動によるキャッシュ・フローは増え、財務活動によるキャッシュ・フローは減るという見え方の変化が生じます。
あわせて、連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準注解(注9)も改正され、注記すべき重要な非資金取引の例示が「ファイナンス・リースによる資産の取得」から「使用権資産の取得」に改められます。借手のすべてのリースで資産と負債を計上するため、リースに関する非資金取引の範囲が広がることが理由です(企業会計基準第36号 第2項、BC3項)。
適用時期(2027年4月1日以後開始する事業年度から)
新リース会計基準は、2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されます。2025年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首からの早期適用も認められています(リースに関する会計基準 第58項)。キャッシュ・フロー計算書の実務指針の2024年9月改正と、作成基準注解(注9)を改める企業会計基準第36号も、リース会計基準と同じ時期から適用されます(移管指針第6号 第26-8項、企業会計基準第36号 第3項)。
なお、移管指針第6号は2026年7月にも、法人税等の範囲の見直しに伴って改正されています(移管指針第6号 第1-7項)。リースの表示区分には影響しない改正ですが、同じ年度に両方の改正の適用時期が近づく会社では、キャッシュ・フロー計算書の様式の見直しを一度にまとめて検討すると効率的です。
借手の支払リース料の表示区分【一覧表】
借手が支払うリース料は、支払の性質ごとに記載区分が分かれます。移管指針第6号 第34項(1)の定めを、支払の種類別に並べると次のとおりです。
| リース負債の元本返済額部分 | 財務活動によるキャッシュ・フロー |
|---|---|
| リース負債の利息相当額部分 | 会社が採用した支払利息の表示区分(営業活動又は財務活動) |
| 利息相当額部分を 区分計算していない場合の支払リース料 |
全額を財務活動によるキャッシュ・フロー |
| リース負債に含めていない 短期リースのリース料 |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
| 少額リースのリース料 | 営業活動によるキャッシュ・フロー |
| 変動リース料 | 営業活動によるキャッシュ・フロー |
利息相当額部分は支払利息の区分方法に従う
利息及び配当金の表示区分には2つの方法があり、継続適用を条件に選択します。1つは支払利息を「営業活動によるキャッシュ・フロー」に記載する方法(以下「方法①」)、もう1つは支払利息を「財務活動によるキャッシュ・フロー」に記載する方法(以下「方法②」)です(連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準 第二 二 3、移管指針第6号 第11項)。
リース負債に係る利息相当額部分は、この選択に従います(移管指針第6号 第34項(1))。借入金の利息を営業活動の区分に記載している会社なら、リースの利息相当額も営業活動の区分です。リースだけ別の区分にすることはできない点に注意が必要です。
利息相当額を区分計算していない場合
使用権資産総額に重要性が乏しいと認められる場合、借手のリース料から利息相当額を控除せずに使用権資産とリース負債を計上する方法を選べます。この方法では支払利息を計上せず、減価償却費だけを計上します(リースに関する会計基準の適用指針 第40項(1))。重要性が乏しい場合とは、未経過の借手のリース料の期末残高が、その残高と有形固定資産・無形固定資産の期末残高の合計額に占める割合が10パーセント未満である場合をいいます(リースに関する会計基準の適用指針 第41項)。
このように利息相当額部分を区分計算していない場合は、支払リース料の全額を「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載します(移管指針第6号 第34項(1))。方法①を採用している会社でも、営業活動の区分に利息の支払額は出てきません。
リース負債に含めないリース料は営業活動
短期リース(リース開始日に借手のリース期間が12か月以内で、購入オプションを含まないリース)と少額リースは、使用権資産とリース負債を計上せず、リース料を原則として定額法で費用計上することができます(リースに関する会計基準の適用指針 第4項(2)、第20項、第22項)。また、リース負債の計上額に含めなかった変動リース料は、発生時に損益に計上します(リースに関する会計基準の適用指針 第51項)。
これらのリース料は、リース負債の返済ではないため財務活動には入らず、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載します(移管指針第6号 第34項(1))。直接法で表示している会社では、「その他の営業支出」などに含まれます。
新リース会計基準の対応、影響額の簡易試算から
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設例|仕訳とキャッシュ・フロー計算書の表示例
ここからは、当社で用意した数値で、仕訳とキャッシュ・フロー計算書の表示を確認します。前提は次のとおりです。
- 借手は事務所を5年間賃借し、年額1,000千円のリース料を毎年度末に支払う
- 借手の追加借入利子率は年3%、延長・解約オプションや残価保証はない
- 使用権資産は定額法により5年で減価償却する
- 短期リース・少額リースには該当せず、使用権資産総額にも重要性がある(利息相当額を区分計算する)
リース開始日と第1期末の仕訳
リース負債は、未払の借手のリース料から利息相当額を控除した現在価値で計上し、使用権資産はその額を基礎に計上します(リースに関する会計基準 第33項、第34項)。年1,000千円を5回、年3%で割り引くと次のとおりです。
リース開始日の仕訳は次のとおりです(単位:千円)。この時点では現金が動いていないため、キャッシュ・フロー計算書には何も記載されません。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 使用権資産 | 4,580 | リース負債 | 4,580 |
第1期末には、利息相当額を利息法で配分し、残りをリース負債の返済に充てます(リースに関する会計基準 第36項)。あわせて使用権資産を減価償却します(リースに関する会計基準 第38項)。
第1期末の仕訳は次のとおりです(単位:千円)。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| リース負債 | 863 | 現金及び預金 | 1,000 |
| 支払利息 | 137 | ||
| 減価償却費 | 916 | 使用権資産減価償却累計額 | 916 |
表示例(方法①:支払利息を営業活動に記載)
間接法で表示している会社が方法①を採用している場合、第1期のリースに関係する行は次のようになります(単位:千円)。税金等調整前当期純利益は、減価償却費916千円と支払利息137千円の計1,053千円だけ押し下げられています。
| 表示箇所と項目 | 金額 |
|---|---|
| 営業活動:減価償却費(加算) | 916 |
| 営業活動:支払利息(加算) | 137 |
| 営業活動(小計の下):利息の支払額 | △137 |
| 財務活動:リース負債の返済による支出 | △863 |
営業活動によるキャッシュ・フローへの影響は、利益の減少分に加算項目を戻した結果、利息の支払額だけになります。
表示例(方法②:支払利息を財務活動に記載)
方法②を採用している場合、支払利息は財務活動の区分に含まれるキャッシュ・フローに関連する損益項目として利益から戻し、財務活動の区分に支払額を記載します(連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準 第三 一 2)。
| 表示箇所と項目 | 金額 |
|---|---|
| 営業活動:減価償却費(加算) | 916 |
| 営業活動:支払利息(加算) | 137 |
| 財務活動:利息の支払額 | △137 |
| 財務活動:リース負債の返済による支出 | △863 |
旧基準の賃貸借処理との比較
同じ契約を改正前のオペレーティング・リースとして処理していた場合、支払リース料1,000千円は費用として利益に含まれ、その全額が営業活動によるキャッシュ・フローの減少になっていました。3つのケースを並べると、区分ごとの見え方の違いがはっきりします(単位:千円)。
| 旧基準(賃貸借処理) | 営業活動△1,000、財務活動0 |
|---|---|
| 新基準・方法① | 営業活動△137、財務活動△863 |
| 新基準・方法② | 営業活動0、財務活動△1,000 |
どのケースでも現金の流出は合計1,000千円で同じです。変わるのは区分だけですが、営業活動によるキャッシュ・フローを業績指標や借入契約の財務制限条項に使っている会社では、数値の前提が変わります。金融機関や投資家への説明資料では、この組替えの影響を別に示しておくと誤解を防げます。
間接法の調整項目
使用権資産の減価償却費は非資金損益項目
間接法では、税金等調整前当期純利益に、非資金損益項目、営業活動に係る資産・負債の増減、投資活動・財務活動の区分に含まれる損益項目を加減して営業活動によるキャッシュ・フローを表示します(連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準 第三 一 2)。減価償却費は非資金損益項目の代表例であり(移管指針第6号 第12項)、使用権資産の減価償却費も現金の支出を伴わないため加算します。
実務では、使用権資産の減価償却費を有形固定資産の減価償却費と合算して1行で表示するか、重要性に応じて分けて示すかを決めておきます。合算する場合でも、精算表では使用権資産分を別に集計しておくと、注記の数値との照合が楽になります。
関連コラムキャッシュ・フロー計算書の間接法【計算例】調整項目一覧と作成手順▸
リース負債に係る支払利息の調整
作成基準注解の間接法の標準様式(方法①の場合)では、支払利息をいったん加算して利益から取り除き、小計欄の下に「利息の支払額」として実際の支払額を記載します(連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準注解(注7))。リース負債に係る利息も同じ流れに乗せ、借入金の利息とあわせて1行で表示するのが通常です。利息の受取額と支払額は相殺せず総額で表示します(連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準注解(注6))。
利息相当額を区分計算していない場合は、損益計算書に支払利息が出ないため、リースについて加算する支払利息はありません。減価償却費の加算と、財務活動の区分での支払リース料全額の記載だけになります。
リース開始時の計上は調整しない
キャッシュ・フロー計算書は資金の増減を表すものなので、資金の増減を伴わない取引は記載されません(移管指針第6号 第5項)。リース開始日に使用権資産とリース負債を計上する取引は現金が動かないため、投資活動の支出にも財務活動の収入にも記載しません。借入れで設備を買えば「有形固定資産の取得による支出」と「借入れによる収入」が両建てで載るのに対し、リースで調達した資産は投資活動の区分に一度も現れず、その後の返済だけが財務活動に載ります。設備投資額を投資活動の支出で把握している会社は、使用権資産の増加額を別に集計しておく必要があります。
短期リース・少額リース・変動リース料は特別な調整なし
短期リース・少額リースのリース料や変動リース料は、費用として利益に含まれ、その支払がそのまま営業活動の支出になります(移管指針第6号 第34項(1))。このため、間接法で特別な加減算は要りません。期末に未払がある場合は、他の営業費用の未払と同様に、営業活動に係る負債の増減として調整します。
重要な非資金取引の注記【記載例】
連結キャッシュ・フロー計算書には、重要な非資金取引を注記します(連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準 第四 4)。重要な非資金取引とは、財政状態には重要な影響を与えるもののキャッシュ・フローを伴わない取引のうち、翌期以降のキャッシュ・フローに重要な影響を与える取引をいい、その例として「貸借対照表に計上された使用権資産の取得」が挙げられています(移管指針第6号 第24項)。設例の会社であれば、次のような記載が考えられます。
重要な非資金取引の内容
当連結会計年度にリース契約の開始に伴い計上した使用権資産の額は4,580千円、リース負債の額は4,580千円であります。
重要な非資金取引をすべてキャッシュ・フロー計算書の注記に書くと、他の注記と重複する場合があります。その場合は、キャッシュ・フロー計算書との関連を明確にしたうえで、財務諸表の他の箇所に開示することもできます(移管指針第6号 第48項)。
あわせて、リースの注記では、少額リースを除くリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額を記載します(リースに関する会計基準の適用指針 第102項(1))。この合計額は、リース負債からの支出とリース負債に計上していないリースの支出を合わせたものです(リースに関する会計基準の適用指針 BC151項)。キャッシュ・フロー計算書では財務活動と営業活動に分かれて表示される金額を、注記で1つにまとめて示すことになるため、両者の集計元をそろえておくと照合がしやすくなります。
関連コラム新リース会計基準の注記・開示|借手・貸手の記載事項▸
実務で迷いやすい論点
作成前のチェックリスト
- 利息の区分:リース負債の利息相当額を、借入金の利息と同じ区分(方法①又は方法②)に記載しているか(移管指針第6号 第11項、第34項(1))。
- 簡便的な方法との整合:利息相当額を控除しない方法を採る場合、支払リース料の全額を財務活動に記載しているか(移管指針第6号 第34項(1))。
- リース負債の対象外:短期リース・少額リース・変動リース料の支払を営業活動に残しているか。リース負債の返済に混ぜていないか。
- 開始時の非資金取引:使用権資産の計上額を投資活動の支出に入れていないか。重要性があれば非資金取引として注記しているか。
- 注記との照合:財務活動の返済額、営業活動の短期・変動リース料の支払、注記のキャッシュ・アウトフロー合計額が説明できる関係になっているか。
貸手の受取リース料の区分
貸手側も区分のルールが定められています。受取リース料が営業損益計算の対象となる場合は「営業活動によるキャッシュ・フロー」に記載します。それ以外の受取リース料は、元本回収額部分を「投資活動によるキャッシュ・フロー」に、利息相当額部分を会社が採用した受取利息の表示区分に記載し、利息相当額部分を区分計算していない場合は全額を投資活動の区分に記載します(移管指針第6号 第34項(2))。
適用初年度の前期との比較
新リース会計基準の適用初年度は、原則として新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用しますが、適用初年度の累積的影響額を期首の利益剰余金に加減し、期首残高から新たな会計方針を適用する方法も認められています(リースに関する会計基準の適用指針 第118項)。後者を選ぶと前期の財務諸表は遡及修正されないため、前期と当期でリース料の記載区分が異なり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減の一部は表示区分の変更によるものになります。決算説明や増減分析では、その影響額を把握しておくことをおすすめします。
まとめ
新リース会計基準のもとでは、借手のリース料のうちリース負債の元本返済額部分は財務活動、利息相当額部分は会社が採用した支払利息の区分、リース負債に含めない短期リース・少額リース・変動リース料は営業活動に記載します(移管指針第6号 第34項)。2027年4月1日以後開始する事業年度から、旧来のオペレーティング・リースの賃料の多くが財務活動へ移り、営業活動によるキャッシュ・フローが増える方向に動きます。
間接法では使用権資産の減価償却費を加算し、リース開始時の計上は非資金取引として注記で示します。区分の判断自体は単純でも、利息の表示方法の選択、簡便的な方法との整合、注記の合計額との照合など、決算で確認すべき点は少なくありません。具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。
新リース会計基準対応の無料相談はこちら参考文献
- 企業会計基準委員会 企業会計基準第34号 リースに関する会計基準
- 企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第33号 リースに関する会計基準の適用指針
- 企業会計基準委員会 連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準
- 企業会計基準委員会 企業会計基準第36号 連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準の一部改正(その2)
- 企業会計基準委員会 移管指針第6号 連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針
よくある質問
新リース会計基準で、事務所の賃料はキャッシュ・フロー計算書のどこに載りますか。
リース負債を計上した賃貸借であれば、支払額のうち元本返済額部分は財務活動、利息相当額部分は会社が採用した支払利息の表示区分に記載します。短期リースとしてリース負債を計上していない場合は、営業活動に記載します(移管指針第6号 第34項(1))。
新リース会計基準の適用で、営業活動によるキャッシュ・フローは増えますか。
従来オペレーティング・リースとして営業活動に記載していた支払リース料のうち、元本返済額部分が財務活動へ移るため、営業活動によるキャッシュ・フローは増える方向に動きます。支払利息を財務活動に記載する方法を採っている会社では、利息相当額部分も財務活動へ移ります。現金の支出総額は変わりません。
リース開始時に計上した使用権資産は投資活動の支出になりますか。
なりません。使用権資産とリース負債の計上は資金の増減を伴わない取引のため、キャッシュ・フロー計算書には記載しません(移管指針第6号 第5項)。重要性がある場合は、重要な非資金取引として使用権資産の取得を注記します(移管指針第6号 第24項)。
利息相当額を控除しない簡便的な方法を採った場合はどう表示しますか。
利息相当額部分を区分計算していないため、支払リース料の全額を財務活動によるキャッシュ・フローの区分に記載します(移管指針第6号 第34項(1)、リースに関する会計基準の適用指針 第40項(1))。
本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。




