03-6773-5062

受付時間 平日 10:00〜18:00

お問い合わせ フォームは24時間受付
財務会計

新リース会計基準の仕訳|借手・貸手の数値例と再測定

目次
  1. 新リース会計基準の仕訳の全体像
  2. 借手の仕訳が発生する3つの場面
  3. 仕訳を組む前に確定させる情報
  4. 借手の仕訳|リース開始日
  5. 短期リースと少額リースの簡便的な取扱い
  6. 借手の仕訳|各期の利息配分と減価償却
  7. 利息相当額の配分は利息法が原則
  8. 使用権資産の減価償却
  9. 借手の仕訳|リース負債の再測定
  10. 貸手の仕訳|分類に応じた3つの処理
  11. 仕訳で間違えやすい5つの論点
  12. 起点をリース開始日ではなく契約日にしてしまう
  13. リースを構成しない部分を切り分けていない
  14. 変動リース料の取扱いを一律にしている
  15. 資産除去債務との関係を見落とす
  16. 敷金・保証金を使用権資産に含めていない
  17. 適用時期と準備の進め方
  18. まとめ
  19. 参考文献
  20. よくある質問
  21. リース開始日の仕訳で使用権資産とリース負債の金額が一致しないのはなぜですか。
  22. 利息相当額を定額で配分する仕訳は認められますか。
  23. 短期リースはどのような仕訳になりますか。
  24. リース負債を再測定したとき、差額は損益になりますか。
  25. 貸手の仕訳は新リース会計基準で大きく変わりますか。

新リース会計基準(企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」)では、借手はすべてのリースについて使用権資産とリース負債を計上します。仕訳の骨格は「リース開始日の計上」「各期の利息配分と減価償却」「リース負債の再測定」の3つで、貸手は従来どおりファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類して処理します。

本基準は、2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されます。ただし、2025年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から早期に適用することもできます(リースに関する会計基準 第58項)。この記事では、実務でつまずきやすい借手の仕訳を数値例で追い、貸手の仕訳の考え方まで一続きで確認します。

新リース会計基準の仕訳の全体像

借手と貸手では、仕訳の考え方が大きく異なります。借手はリースの分類を行わず、原則としてすべてのリースについて資産と負債を計上します。一方、貸手はリースをファイナンス・リースとオペレーティング・リースとに分類したうえで会計処理を行います(リースに関する会計基準 第43項)。まず、この非対称性を押さえておくと仕訳の全体像が整理できます。

借手の仕訳は、リース開始日に一度だけ行う計上の仕訳と、期間中に毎期繰り返す仕訳、そして事象が生じたときだけ行う見直しの仕訳に分かれます。リース開始日とは、貸手が借手による原資産の使用を可能にする日をいいます(リースに関する会計基準 第18項)。契約日ではない点に注意が必要です。

借手の仕訳が発生する3つの場面

借手の仕訳は、次の順で発生します。第一に、リース開始日にリース負債を計上し、これに開始日までに支払ったリース料や付随費用等を加算して使用権資産を計上します(リースに関する会計基準 第33項)。第二に、各期にリース料の支払を利息相当額と元本返済とに区分し、あわせて使用権資産の減価償却を行います。第三に、リース期間やリース料に変更が生じたときにリース負債の計上額を見直します(リースに関する会計基準 第40項)。

仕訳を組む前に確定させる情報

仕訳の金額は、次の4つが決まらなければ算定できません。とくに借手のリース期間と割引率は判断を伴うため、契約書だけでは決まらないことが実務では珍しくありません。

借手のリース期間 解約不能期間に、行使が合理的に確実な延長オプションの対象期間と、行使しないことが合理的に確実な解約オプションの対象期間を加えた期間(リースに関する会計基準 第31項)
借手のリース料 固定リース料、指数又はレートに応じて決まる変動リース料、残価保証に係る支払見込額、行使が合理的に確実な購入オプションの行使価額、解約に対する違約金の支払額(リースに関する会計基準 第35項)
割引率 貸手の計算利子率を知り得る場合は当該利率、知り得ない場合は借手の追加借入に適用されると合理的に見積られる利率(リースに関する会計基準の適用指針 第37項)
付随費用と
リース・インセンティブ
開始日までに支払ったリース料・付随費用・資産除去債務に対応する除去費用は使用権資産に加算し、受け取ったリース・インセンティブは控除する(リースに関する会計基準 第33項)

割引率は仕訳の金額そのものを左右します。実務では貸手の計算利子率を知り得ないことが多く、追加借入に適用されると合理的に見積られる利率をどう組み立てるかが論点になります。

関連コラム借手の割引率と追加借入利子率|新リース会計基準の決定手順▸

借手の仕訳|リース開始日

借手は、リース開始日に、原則として未払である借手のリース料からこれに含まれている利息相当額の合理的な見積額を控除し、現在価値により算定した額でリース負債を計上します(リースに関する会計基準 第33項、第34項)。使用権資産は、このリース負債に、開始日までに支払ったリース料や付随費用等を加算した額で計上します(リースに関する会計基準 第33項)。

以下では、次の設定を通しの数値例として使います。金額はすべて千円単位で、千円未満は四捨五入しています。

  • リース開始日:2027年4月1日/借手のリース期間:5年(延長オプションは行使が合理的に確実ではないと判断)
  • 借手のリース料:年額1,200千円(毎期末に後払い)/購入オプション・残価保証なし
  • 割引率:年3.0%(貸手の計算利子率を知り得ないため、追加借入に適用されると合理的に見積られる利率を使用)
  • 契約に伴う仲介手数料100千円をリース開始日に現金で支払い

リース負債は、年額リース料に年金現価係数を乗じて算定します。

リース負債 = 1,200千円 × 年金現価係数(年3.0%・5年)4.5797 = 5,496千円

使用権資産は、このリース負債に付随費用である仲介手数料を加算して算定します。

使用権資産 = 5,496千円 + 100千円 = 5,596千円

リース開始日の仕訳は次のとおりです(単位:千円)。使用権資産とリース負債の金額が一致しない点が、旧基準に慣れた担当者がまず戸惑うところです(リースに関する会計基準 第33項)。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
使用権資産 5,596 リース負債 5,496
現金預金 100

なお、使用権資産は、対応する原資産を自ら所有していたと仮定した場合に貸借対照表において表示するであろう科目に含める方法と、対応する原資産の表示区分において使用権資産として区分する方法のいずれかにより表示します(リースに関する会計基準 第49項)。仕訳の勘定科目名は、選択した表示方法に合わせて設計します。

関連コラム使用権資産とは|認識・当初測定と償却・減損・表示の実務▸

短期リースと少額リースの簡便的な取扱い

すべてのリースで上記の仕訳が必要になるわけではありません。借手は、短期リース(リース開始日において借手のリース期間が12か月以内であり、購入オプションを含まないリース)について、使用権資産及びリース負債を計上せず、借手のリース料を借手のリース期間にわたり原則として定額法により費用として計上することができます(リースに関する会計基準の適用指針 第4項(2)、第20項)。

また、重要性が乏しい減価償却資産について購入時に費用処理する方法が採用されている場合で借手のリース料が当該基準額以下のリースや、企業の事業内容に照らして重要性の乏しいリースでリース契約1件当たりの金額に重要性が乏しいリース、新品時の原資産の価値が少額であるリースについても、同様の簡便的な取扱いを適用できます(リースに関する会計基準の適用指針 第22項)。この場合の仕訳は、支払リース料を費用計上するだけで完結します。

公認会計士事務所プライムパートナーズ 新リース会計基準対応支援 新リース会計基準の対応、影響額の簡易試算から 公認会計士が対応方針までご案内|公認会計士事務所プライムパートナーズ 無料試算・ご相談はこちら

借手の仕訳|各期の利息配分と減価償却

リース開始日以後は、毎期2種類の仕訳を行います。1つはリース料の支払を利息相当額とリース負債の元本返済とに区分する仕訳、もう1つは使用権資産の減価償却の仕訳です。

利息相当額の配分は利息法が原則

借手のリース料は、原則として利息相当額部分とリース負債の元本返済額部分とに区分計算し、前者は支払利息として、後者はリース負債の元本返済として会計処理します(リースに関する会計基準の適用指針 第38項)。利息相当額の総額を各期に配分する方法は、原則として利息法によります(リースに関する会計基準 第36項、同適用指針 第39項)。利息法では、各期の利息相当額をリース負債の未返済元本残高に一定の利率を乗じて算定します。

第1期の支払利息 = 5,496千円 × 3.0% = 165千円
第1期のリース負債返済額 = 1,200千円 − 165千円 = 1,035千円

ただし、使用権資産総額に重要性が乏しいと認められる場合には、利息相当額の合理的な見積額を控除しない方法や、利息相当額の総額を各期に定額法により配分する方法を適用できます(リースに関する会計基準の適用指針 第40項)。ここでいう重要性が乏しいと認められる場合とは、未経過の借手のリース料の期末残高が、当該期末残高、有形固定資産の期末残高及び無形固定資産の期末残高の合計額に占める割合が10パーセント未満である場合をいいます(リースに関する会計基準の適用指針 第41項)。

使用権資産の減価償却

本例のように原資産の所有権が借手に移転すると認められるリース以外の場合、使用権資産の減価償却費は、企業の実態に応じた減価償却方法を選択適用した方法により算定し、原則として借手のリース期間を耐用年数とし、残存価額をゼロとします(リースに関する会計基準 第38項)。原資産を自ら所有していたと仮定した場合の減価償却方法と一致させる必要はありません。

第1期の減価償却費 = 5,596千円 ÷ 5年 = 1,119千円

第1期(2028年3月期)の仕訳は次のとおりです(単位:千円)。リース料の支払と減価償却をあわせて示しています(リースに関する会計基準 第36項、第38項)。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
支払利息 165 現金預金 1,200
リース負債 1,035
減価償却費 1,119 使用権資産減価償却累計額 1,119

この結果、第1期末のリース負債残高は4,461千円、使用権資産の帳簿価額は4,477千円となります。第2期以降も同じ手順を繰り返しますが、利息法によるため支払利息は毎期逓減し、リース負債の返済額は毎期増加します。減価償却費は定額法であれば毎期一定です。

なお、リース負債に係る利息費用は、損益計算書において区分して表示するか、リース負債に係る利息費用が含まれる科目及び金額を注記します(リースに関する会計基準 第51項)。損益計算書上の表示区分まで含めて、期首に勘定科目の設計を固めておくと決算作業が安定します。

関連コラムリースの減価償却|使用権資産の償却方法・耐用年数と仕訳例▸

借手の仕訳|リース負債の再測定

借手は、リースの契約条件の変更が生じていない場合でも、借手のリース期間に変更がある場合、又は借手のリース期間に変更がなく借手のリース料に変更がある場合には、リース負債の計上額の見直しを行います(リースに関する会計基準 第40項)。この見直しが、旧基準にはなかった新しい仕訳です。

とくにリース期間の変更は、借手の統制下にあり、かつ延長オプションを行使すること又は解約オプションを行使しないことが合理的に確実であるかどうかの借手の決定に影響を与える重要な事象又は重要な状況が生じたときに検討します(リースに関する会計基準 第41項)。大規模な内部造作の実施や事業計画の変更などが典型例です。

再測定を行う場合、当該事象が生じた日に、当該事象の内容を反映した借手のリース料の現在価値までリース負債を修正し、当該リース負債の修正額に相当する金額を使用権資産に加減します(リースに関する会計基準の適用指針 第46項)。損益には原則として影響しない点が特徴です。ただし、使用権資産の帳簿価額をゼロまで減額してもなおリース負債の測定の減額がある場合には、残額を損益に計上します(リースに関する会計基準の適用指針 第46項)。

先の数値例で、第2期末(2029年3月31日)に延長オプション(2年)の行使が合理的に確実になり、残存リース期間が3年から5年へ変更されたとします。本例では割引率は年3.0%のまま用いています。第2期末のリース負債残高は3,395千円、使用権資産の帳簿価額は3,358千円です。

修正後のリース負債 = 1,200千円 × 年金現価係数(年3.0%・5年)4.5797 = 5,496千円
リース負債の修正額 = 5,496千円 − 3,395千円 = 2,101千円

再測定の仕訳は次のとおりです(単位:千円)。リース負債の増加額と同額を使用権資産に加算します(リースに関する会計基準の適用指針 第46項)。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
使用権資産 2,101 リース負債 2,101

再測定後の使用権資産の帳簿価額5,459千円は、変更後の残存リース期間5年にわたって償却します。なお、リースの契約条件の変更が生じた場合は取扱いが分かれ、範囲が拡大し独立価格に基づく適切な調整を加えた金額だけリース料が増額されるときは独立したリースとして処理し、それ以外は上記と同様にリース負債の計上額の見直しを行います(リースに関する会計基準 第39項、同適用指針 第44項、第45項)。

また、リース負債の計上額に含めなかった借手の変動リース料は、当該変動リース料の発生時に損益に計上します(リースに関する会計基準の適用指針 第51項)。売上高連動の賃料などが該当し、再測定の対象にはなりません。

関連コラムリース負債とは|当初測定・利息配分・再測定の実務(日本基準)▸

貸手の仕訳|分類に応じた3つの処理

貸手は、リースをファイナンス・リースとオペレーティング・リースとに分類し、ファイナンス・リースについてはさらに所有権移転ファイナンス・リースと所有権移転外ファイナンス・リースとに分類します(リースに関する会計基準 第43項、第44項)。分類の判定は、貸手のリース料の現在価値が原資産の現金購入価額の概ね90パーセント以上であるかどうか(現在価値基準)、又は貸手のリース期間が原資産の経済的耐用年数の概ね75パーセント以上であるかどうか(経済的耐用年数基準)により行います(リースに関する会計基準の適用指針 第62項)。

分類が決まると、計上する勘定科目が決まります。

リースの分類 貸手の会計処理
所有権移転ファイナンス・リース リース開始日にリース債権を計上し、通常の売買取引に係る方法に準じて処理する
所有権移転外ファイナンス・リース リース開始日にリース投資資産を計上し、通常の売買取引に係る方法に準じて処理する
オペレーティング・リース 通常の賃貸借取引に係る方法に準じて処理し、貸手のリース料をリース期間にわたり原則として定額法で計上する

ファイナンス・リースについては、貸手はリース開始日に、所有権移転ファイナンス・リースはリース債権として、所有権移転外ファイナンス・リースはリース投資資産として計上します(リースに関する会計基準 第46項)。オペレーティング・リースは通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行います(リースに関する会計基準 第48項)。

ファイナンス・リースの仕訳は、貸手の事業内容によって2通りに分かれます。製造又は販売を事業とする貸手が当該事業の一環で行うリースでは、リース開始日に貸手のリース料から利息相当額を控除した金額で売上高を計上し、同額でリース投資資産を計上したうえで、原資産の帳簿価額により売上原価を計上します(リースに関する会計基準の適用指針 第71項(1))。製造又は販売以外を事業とする貸手が当該事業の一環で行うリースでは、リース開始日に原資産の現金購入価額によりリース投資資産を計上します(リースに関する会計基準の適用指針 第71項(2))。

いずれの場合も、各期に受け取るリース料は利息相当額とリース投資資産の元本回収とに区分し、前者を各期の損益として処理します(リースに関する会計基準の適用指針 第71項(1)②)。利息相当額の総額は、貸手のリース料及び見積残存価額の合計額から、これに対応する原資産の取得価額を控除して算定し、貸手のリース期間にわたり原則として利息法により配分します(リースに関する会計基準 第47項)。実務では、この配分に用いる利率は貸手の計算利子率とします(リースに関する会計基準の適用指針 第73項)。

関連コラム新リース会計基準の貸手の会計処理|分類判定と仕訳・変更点▸

仕訳で間違えやすい5つの論点

上場準備企業や監査対応の現場でよく問題になるのは、次の5点です。いずれも仕訳そのものより、仕訳に投入する数値の作り方に原因があります。

起点をリース開始日ではなく契約日にしてしまう

リース開始日は、貸手が借手による原資産の使用を可能にする日をいいます(リースに関する会計基準 第18項)。契約締結日や賃料発生日と一致しないことがあり、フリーレント期間がある不動産賃貸借ではとくにずれが生じます。起点がずれると、リース負債・使用権資産・減価償却費のすべてがずれます。

リースを構成しない部分を切り分けていない

借手及び貸手は、リースを含む契約について、原則としてリースを構成する部分とリースを構成しない部分とに分けて会計処理を行います(リースに関する会計基準 第28項)。ただし借手は、一定の単位ごとに、これらを分けずに合わせてリースを構成する部分として会計処理することを選択できます(リースに関する会計基準 第29項)。共益費や保守サービスを含む契約では、どちらを選んだかで使用権資産の金額が変わります。

変動リース料の取扱いを一律にしている

指数又はレートに応じて決まる借手の変動リース料は、借手のリース料に含めてリース負債の計上額に反映します(リースに関する会計基準 第35項(2))。一方、それ以外の変動リース料はリース負債に含めず、発生時に損益に計上します(リースに関する会計基準の適用指針 第51項)。同じ「変動」でも扱いが正反対です。

資産除去債務との関係を見落とす

借手は、資産除去債務を負債として計上する場合の関連する有形固定資産が使用権資産であるとき、資産除去債務に関する会計基準に従って当該負債の計上額と同額を当該使用権資産の帳簿価額に加えます(リースに関する会計基準の適用指針 第28項)。原状回復義務のあるオフィス賃貸借では、この加算を忘れると使用権資産が過少になります。

敷金・保証金を使用権資産に含めていない

差入敷金のうち、貸手から借手に返還されないことが契約上定められている金額は、使用権資産の取得価額に含めます(リースに関する会計基準の適用指針 第34項)。返還される部分は取得原価で計上できます(リースに関する会計基準の適用指針 第33項)。返還されない部分の扱いを誤ると、仕訳の借方が合わなくなります。

適用時期と準備の進め方

本会計基準は、2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されます。ただし、2025年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から本会計基準を適用することができます(リースに関する会計基準 第58項)。本会計基準の適用により、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」等に従って会計処理されている取引については、これらの会計基準等の適用を終了します(リースに関する会計基準 第59項)。

なお、本会計基準は2024年9月13日に公表され、2025年4月23日に修正が公表されています。この修正は、会計処理及び開示に関する定めを実質的に変更するものではありません。

実務では、仕訳を切る前段階、すなわち契約を洗い出してリース期間と割引率を確定させる作業に最も時間がかかります。適用初年度の期首残高を作るには、契約単位の一覧、リース期間の判断根拠、割引率の算定根拠を揃えたうえで、月次の仕訳を生成できる仕組みまで用意しておく必要があります。強制適用まで時間はあるものの、早期適用を選択する場合はすでに対応期限が迫っている点に留意してください。

まとめ

新リース会計基準の仕訳は、借手ではリース開始日の使用権資産・リース負債の計上、各期の利息法による配分と減価償却、そしてリース負債の再測定という3つの型に整理できます。貸手はリースの分類に応じてリース債権、リース投資資産、賃貸借処理を使い分けます。

仕訳の形そのものは複雑ではありません。難しいのは、リース期間・借手のリース料・割引率という入力値を、根拠を持って確定させる作業です。ここが固まれば、以後の仕訳は機械的に処理できます。

会計処理の判定は契約ごとの個別性が高いため、具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。

新リース会計基準対応の無料相談はこちら

参考文献

よくある質問

リース開始日の仕訳で使用権資産とリース負債の金額が一致しないのはなぜですか。

リース負債は未払である借手のリース料の現在価値で計上しますが、使用権資産はこのリース負債に、リース開始日までに支払った借手のリース料、付随費用及び資産除去債務に対応する除去費用を加算し、受け取ったリース・インセンティブを控除した額で計上するためです(リースに関する会計基準 第33項、第34項)。

利息相当額を定額で配分する仕訳は認められますか。

原則は利息法による配分です(リースに関する会計基準 第36項)。ただし、使用権資産総額に重要性が乏しいと認められる場合には、利息相当額の総額を借手のリース期間中の各期に定額法により配分する方法を適用できます(リースに関する会計基準の適用指針 第40項)。重要性が乏しいと認められる場合とは、未経過の借手のリース料の期末残高が、当該期末残高、有形固定資産の期末残高及び無形固定資産の期末残高の合計額に占める割合が10パーセント未満である場合をいいます(リースに関する会計基準の適用指針 第41項)。

短期リースはどのような仕訳になりますか。

短期リースについて簡便的な取扱いを適用する場合、使用権資産及びリース負債を計上せず、借手のリース料を借手のリース期間にわたり原則として定額法により費用として計上します(リースに関する会計基準の適用指針 第20項)。短期リースとは、リース開始日において借手のリース期間が12か月以内であり、購入オプションを含まないリースをいいます(リースに関する会計基準の適用指針 第4項(2))。

リース負債を再測定したとき、差額は損益になりますか。

原則として損益にはなりません。リース負債の修正額に相当する金額を使用権資産に加減します(リースに関する会計基準の適用指針 第46項)。ただし、使用権資産の帳簿価額をゼロまで減額してもなおリース負債の測定の減額がある場合には、残額を損益に計上します(リースに関する会計基準の適用指針 第46項)。

貸手の仕訳は新リース会計基準で大きく変わりますか。

貸手はリースをファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、ファイナンス・リースは通常の売買取引に係る方法に準じた会計処理、オペレーティング・リースは通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行います(リースに関する会計基準 第43項、第45項、第48項)。計上する勘定科目はリース債権及びリース投資資産です(リースに関する会計基準 第46項)。

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。

Office

公認会計士事務所プライムパートナーズ

大手監査法人出身の公認会計士が、会計・監査・株価算定のご相談をお受けしています。

  • オフィスが入居する IsaI AkasakA のエントランス
  • 代表 公認会計士 島本 雅史
  • プライムパートナーズの会議室
事務所名
公認会計士事務所プライムパートナーズ
所在地
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2-33
IsaI AkasakA 17階
電話番号
03-6773-5062(平日 10:00〜18:00)
対応責任者
公認会計士 島本 雅史