減価償却方法の変更【仕訳例】定率法から定額法への切替と注記
目次
- 減価償却方法の変更の会計処理
- 会計方針だが見積りの変更と同様に扱う理由
- 【一覧表】会計方針の変更・見積りの変更・区別困難な変更の違い
- 変更に必要な正当な理由
- 適用指針が示す2つの要件
- 会計方針の変更に当たらないケース
- 【チェックリスト】変更前に確認したい判定項目
- 【計算例】定率法から定額法への期首変更
- 変更時期の考え方
- 【仕訳例】変更前後の減価償却費
- 注記の記載例
- 注記すべき事項
- 注記の文例(自社作例)
- 重要な会計方針の注記の更新
- 耐用年数の変更を同時に行う場合
- 税務の償却方法変更手続との関係
- 承認申請の期限と3年の目安
- 変更後の償却限度額と申告調整
- まとめ
- 参考文献
- よくある質問
- 減価償却方法を変更した場合、過去の決算を修正する必要はありますか。
- 定額法から定率法への変更も同じ扱いですか。
- 新しく取得した資産だけ別の償却方法を採用するのは会計方針の変更ですか。
- 減価償却方法の変更ではどのような注記が必要ですか。
- 会計上の償却方法を変えると、税務上も変更されますか。
減価償却方法を定率法から定額法へ切り替えるとき、まず迷うのが「会計方針の変更なのに、過去の決算を遡って直す必要があるのか」という点です。結論から言えば、減価償却方法は会計方針に当たりますが、その変更は会計上の見積りの変更と同様に扱い、遡及適用せず当期以降の費用配分で処理します(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 第19項、第20項)。
ただし、会計方針である以上、変更には正当な理由が求められ、注記も見積りの変更より多くなります。この記事では、基準の位置付けと正当な理由の判断に加え、自社作例による計算と仕訳、注記の文例、税務手続との関係までを順に整理します。
減価償却方法の変更の会計処理
減価償却方法の変更は、会計方針の変更と会計上の見積りの変更の境目にある論点です。基準はこの扱いを個別に定めており、処理と注記の両面で「どちらの性格も持つ変更」として整理されています。
会計方針だが見積りの変更と同様に扱う理由
会計方針とは、財務諸表の作成にあたって採用した会計処理の原則及び手続をいい、固定資産の減価償却の方法はその代表例に挙げられています(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 第4項(1)、第4-5項(3))。自発的な会計方針の変更は、原則として新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用します(同 第6項(2))。
一方で、有形固定資産等の減価償却方法と無形固定資産の償却方法は、会計方針に該当するものの、その変更は「会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難な場合」として取り扱うと定められています(同 第20項)。この場合は会計上の見積りの変更と同様に処理し、遡及適用は行いません(同 第19項)。
基準がこの整理を採った背景には、減価償却方法の変更が定率法・定額法などの計画的・規則的な方法の中での変更である一方、変更の場面では固定資産の経済的便益の消費パターンに関する見積りの変更を伴う、という考え方があります(同 第62項)。国際的な会計基準では減価償却方法の変更を見積りの変更として扱っていることも検討の前提とされました(同 第59項)。
見積りの変更と同様に扱うため、影響は過去に遡らず、変更した期以降の減価償却費で吸収します(同 第17項)。変更時点の帳簿価額を残存期間にわたって新しい方法で配分する、というのが実務上の計算の骨格です。なお、影響額を変更期間に一時に計上する臨時償却(キャッチ・アップ方式)は廃止されています(同 第57項)。
この扱いは無形固定資産にも及びます。たとえば自社利用のソフトウェアの償却方法を変更する場合も、同じく遡及適用せずに将来に向けて処理します(同 第20項、第62項)。
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【一覧表】会計方針の変更・見積りの変更・区別困難な変更の違い
3つの区分は、遡及適用の有無と注記の範囲で違いが出ます。自発的な会計方針の変更を基準に並べると次のとおりです。
| 会計方針の変更 (自発的な変更) |
過去の期間のすべてに遡及適用する。注記は変更の内容、正当な理由、過去の期間の影響額、累積的影響額など(第6項(2)、第11項) |
|---|---|
| 会計上の見積りの変更 | 遡及せず、当期または将来にわたり処理する。注記は変更の内容と当期への影響額など(第17項、第18項) |
| 区別することが困難な 会計方針の変更 |
見積りの変更と同様に遡及せず処理する。注記は変更の内容、正当な理由、当期への影響額など(第19項) |
| 減価償却方法の変更 | 区別することが困難な会計方針の変更に該当する(第20項) |
表中の項番号は、いずれも会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準のものです。処理は見積りの変更、注記は会計方針の変更に近い形になる、と押さえると全体像をつかみやすくなります。
変更に必要な正当な理由
遡及適用が不要だからといって、減価償却方法を自由に変えられるわけではありません。会計方針は、正当な理由により変更を行う場合を除き、毎期継続して適用するのが原則です(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 第5項)。減価償却方法も会計方針である以上、変更には正当な理由が求められます(同 第62項)。
適用指針が示す2つの要件
会計基準等の改正に伴わない自発的な変更について、正当な理由があるといえるのは次の2つを満たすときです(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針 第6項)。
- 会計方針の変更が、企業の事業内容又は企業内外の経営環境の変化に対応して行われるものであること
- 会計方針の変更が、会計事象等を財務諸表に、より適切に反映するために行われるものであること
あわせて、変更後の会計処理が類似の会計事象等に適用されている会計処理と首尾一貫していることにも留意が必要とされています(同 第17項)。実務では「利益を平準化したい」「当期の利益を確保したい」といった業績目的の説明は、2つの要件のどちらにも結び付きません。設備の使われ方がどう変わったのかを、事実で説明できるかが判断の中心になります。
会計方針の変更に当たらないケース
次の事象は、そもそも会計方針の変更に該当しません(同適用指針 第8項)。
- 会計処理の対象となる会計事象等の重要性が増したことに伴う、本来の会計処理の原則及び手続への変更
- 会計処理の対象となる新たな事実の発生に伴う、新たな会計処理の原則及び手続の採用
- 連結又は持分法の適用の範囲に関する変動
減価償却との関係で押さえたいのは2つ目です。新規事業のために新たに取得した有形固定資産の経済的便益の消費パターンが、既存事業の資産と異なると予測される場合に、既存とは異なる減価償却方法を採用することは、この「新たな事実の発生」の例として示されています(同適用指針 第18項)。既存資産の方法を変えるのか、新しく取得した資産に別の方法を選ぶのかで、扱いが分かれる点に注意が必要です。
【チェックリスト】変更前に確認したい判定項目
当事務所で減価償却方法の変更を検討する際に確認している項目を、基準の要件に沿って整理しました。1つでも説明が弱い項目があれば、変更の時期や範囲を見直す材料になります。
| 対象資産の範囲 | 既存資産の方法を変えるのか、新規取得資産に別の方法を選ぶのか(後者は会計方針の変更に当たらない場合がある) |
|---|---|
| 環境変化の事実 | 生産体制の再編、設備の稼働パターンの変化、事業内容の変化など、変更の契機となった事実を特定できるか |
| 財務諸表への反映 | 新しい方法のほうが、設備の使われ方(経済的便益の消費パターン)をより適切に表すと説明できるか |
| 首尾一貫性 | 同種の資産やグループ会社の類似資産と、償却方法の考え方が矛盾しないか |
| 誤謬との区別 | 従来の方法がもともと不合理だったのではないか(その場合は変更ではなく誤謬の訂正の検討が必要) |
| 税務手続の要否 | 税務上も方法を変えるか、変えるなら承認申請の期限に間に合うか |
【計算例】定率法から定額法への期首変更
ここからは自社作例で計算します。変更時点の帳簿価額を、残存耐用年数にわたり新しい方法で配分するのが基本の流れです(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 第17項、第19項、第20項)。
| 対象資産 | 機械装置 |
|---|---|
| 取得原価 | 10,000千円(X1年4月1日取得、3月決算) |
| 耐用年数・残存価額 | 10年・ゼロ |
| 変更前の方法 | 定率法(償却率0.200)で3年間償却 |
| 変更の時期と内容 | X4年4月1日(4年目の期首)から定額法へ変更、残存耐用年数7年 |
| 端数処理 | 千円未満を切り捨て、端数は最終年度で調整 |
計算を簡略化するため、期首帳簿価額に償却率0.200を乗じる方法で示しています。税法の定率法で用いる保証率・改定償却率による切替えは、本例の1〜3年目では生じない設定です。
まず、変更時点(4年目期首)の帳簿価額を求めます。
次に、4年目期首の帳簿価額5,120千円を残存耐用年数7年で均等に配分します。
比較のため、定率法を続けた場合の4年目の減価償却費も計算しておきます。この差額が、注記で示す当期への影響額の基礎になります。
過去3年分の償却額(合計4,880千円)は修正しません。定額法で取得時から償却していた場合との差額を期首の利益剰余金で調整する、といった遡及的な処理は不要です(同 第19項)。
変更時期の考え方
本例は期首に変更する前提で計算しています。税務上の償却方法の変更は、新たな方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに承認申請を行う手続であるため、会計と税務をそろえる場合も事業年度の期首から切り替える形が一般的です。期中に変更する場合は、変更日の帳簿価額の算定や中間決算との関係を個別に整理する必要があるため、事前に監査人と協議しておくと安心です。
【仕訳例】変更前後の減価償却費
前項の計算例をもとに、変更前後の決算仕訳を示します(単位:千円)。減価償却費は全額を販売費及び一般管理費に計上し、間接法(減価償却累計額)で記帳する前提です(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 第17項、第19項)。
変更前の3年目(X4年3月期)は、定率法による減価償却費を計上します。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 1,280 | 減価償却累計額 | 1,280 |
変更した4年目(X5年3月期)は、期首帳簿価額5,120千円を7年で配分した定額法の金額を計上します。変更に伴う修正仕訳や、過年度分を取り戻す仕訳は起票しません。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 731 | 減価償却累計額 | 731 |
最終年度の10年目(X11年3月期)は、端数を調整した金額を計上し、帳簿価額をゼロにします。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 734 | 減価償却累計額 | 734 |
4年目以降の減価償却費の合計は731千円×6年+734千円=5,120千円となり、変更時点の帳簿価額と一致します。固定資産台帳では、変更日時点の帳簿価額と残存耐用年数を新しい計算基礎として登録し直しておくと、翌期以降の計算誤りを防げます。
注記の記載例
減価償却方法の変更は、処理こそ見積りの変更と同じですが、注記は会計方針の変更の要素を含みます。記載漏れが起きやすいのは「正当な理由」です。
注記すべき事項
会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難な場合は、次の事項を注記します(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 第19項、第11項(1)(2)、第18項(2))。
- 会計方針の変更の内容
- 会計方針の変更を行った正当な理由
- 当期への影響額(当期への影響がない場合でも将来の期間に影響を及ぼす可能性があり、かつ合理的に見積ることができるときはその影響額。将来への影響額を合理的に見積ることが困難な場合はその旨)
基準がこの組み合わせを求めているのは、減価償却方法が会計方針であるため変更に正当な理由が必要であることと、見積りの変更としての影響額の情報を両立させるためです(同 第62項)。遡及適用を行わないため、過去の期間の影響額や累積的影響額の注記(同 第11項(3)(4))は求められていません。
注記の文例(自社作例)
前述の計算例を前提にした文例です。理由の部分は、実際に起きた環境変化と、新しい方法のほうが実態に合う理由を具体的に書き換えてください。
(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更)
当社は、機械装置の減価償却方法について、従来、定率法を採用しておりましたが、当事業年度の期首より定額法に変更しております。
この変更は、当事業年度に実施した生産拠点の集約に伴い機械装置の稼働状況を見直した結果、今後は耐用年数にわたり安定的に稼働することが見込まれ、定額法による費用配分が使用の実態をより適切に反映すると判断したことによるものです。
この変更により、従来の方法によった場合に比べ、当事業年度の減価償却費は293千円減少し、営業利益、経常利益及び税引前当期純利益はそれぞれ同額増加しております。
減価償却費の一部が製造原価を通じて期末の棚卸資産に含まれる場合は、その部分だけ当期の損益への影響額が減価償却費の減少額と一致しなくなります。影響額を書く前に、減価償却費が損益計算書のどの区分に、どれだけ流れているかを確認しておくと安全です。
重要な会計方針の注記の更新
固定資産の減価償却の方法は、重要な会計方針の注記の例に挙げられています(同 第4-4項、第4-5項(3))。変更した期からは、重要な会計方針に記載している減価償却方法の記述も、変更後の方法に合わせて改めます。変更の注記だけを追加し、会計方針の記載が「定率法」のまま残る誤りは、決算の見直しで意外に見つかる論点です。
耐用年数の変更を同時に行う場合
減価償却方法の見直しと同時に、耐用年数を見直すことも少なくありません。耐用年数の変更は会計上の見積りの変更に当たり、将来にわたり会計処理を行います(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 第4項(7)、第17項)。減価償却方法の変更も遡及しないため、両方を同時に行う場合は、変更時点の帳簿価額を変更後の残存耐用年数で、変更後の方法により配分します。
たとえば本例で、4年目期首に定額法へ変えると同時に残存耐用年数を5年に見直すなら、5,120千円÷5年=1,024千円が各年の減価償却費になります。注記では、減価償却方法の変更として求められる事項(同 第19項)と、耐用年数の変更として求められる事項(同 第18項)の双方を満たす必要があります。影響額は方法の変更によるものと耐用年数の変更によるものとに分けて示すと、読み手に伝わりやすくなります。
注意したいのは、従来の耐用年数がもともと合理的な見積りに基づいていなかった場合です。過去に定めた耐用年数がその時点で合理的でなく、これを事後的に改める場合は、見積りの変更ではなく過去の誤謬の訂正に該当します(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針 第12項、第21項)。
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税務の償却方法変更手続との関係
会計上の減価償却方法の変更と、法人税法上の償却方法の変更は別の手続です。会計で定額法へ変えても、税務上の償却方法が自動的に変わるわけではありません。
承認申請の期限と3年の目安
法人税で償却方法を変更するときは、原則として、新たな償却方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに「減価償却資産の償却方法の変更承認申請書」を所轄税務署長に提出し、承認を受けなければなりません(国税庁 タックスアンサー No.5407)。3月決算法人がX4年4月1日から変更するなら、申請期限はX4年3月31日です。
現在の償却方法を採用してから相当期間を経過していないときや、変更後の方法では所得の金額の計算が適正に行われ難いと認められるときは、承認されません。現在の方法を採用してから3年を経過していない場合は、合併や分割に伴うものなど特別な理由がある場合を除き、相当期間を経過していないときに該当します(国税庁 タックスアンサー No.5407)。会計上の変更を決めた時点で申請期限が過ぎていることもあるため、決算スケジュールより前に検討を始めるのが実務的です。
変更後の償却限度額と申告調整
税務上も定率法から定額法へ変更した場合、2007年4月1日以後に取得した資産は、変更した事業年度開始の日における帳簿価額を取得価額とみなして償却限度額を計算します。耐用年数は、法定耐用年数か、法定耐用年数から経過年数(変更した事業年度開始の日の帳簿価額の取得価額に対する割合に応じて算定)を控除した年数(2年に満たない場合は2年)のいずれかを選択します(法人税基本通達 7-4-4)。
会計では残存耐用年数7年で配分していても、税務で法定耐用年数を選ぶと、より長い年数で限度額を計算することになります。その結果、会計上の減価償却費が税務上の償却限度額を上回る差が生じ、申告調整と税効果会計の検討が必要になります。会計と税務のどちらの年数・方法を採るかで翌期以降の差異の出方が変わるため、変更前に両方の計算を並べて確認しておくことをおすすめします。
まとめ
- 減価償却方法は会計方針に当たるが、その変更は見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更として、遡及適用せずに処理する
- 変更時点の帳簿価額を、残存耐用年数にわたり新しい方法で配分する(本例は5,120千円÷7年=731千円)
- 変更には適用指針第6項の2要件を満たす正当な理由が必要で、新規取得資産に別の方法を選ぶ場合は変更に当たらないことがある
- 注記は変更の内容、正当な理由、当期への影響額の3点で、重要な会計方針の記載も改める
- 税務上も変更するなら、事業年度開始の日の前日までに承認申請が必要で、会計との差は申告調整の対象になる
企業会計基準第24号は2011年4月1日以後開始する事業年度の期首以後に行われる会計上の変更から適用されており、2020年3月の改正(会計方針の開示の充実)も2021年3月31日以後終了する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用されています(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 第23項、第25-2項)。その後も、2026年7月の改正企業会計基準第27号「法人税等に関する会計基準」等の公表に伴い適用指針の設例の科目名が、2026年10月の改正企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」等の公表に伴い企業会計基準第24号の結論の背景(第56項)の用語が修正されていますが、減価償却方法の変更の取扱い(第19項、第20項)は変わっていません。
変更の可否は、正当な理由の説明や対象資産の範囲、税務手続の期限によって判断が分かれます。具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。
お問い合わせはこちら参考文献
- 企業会計基準委員会 企業会計基準第24号 会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準
- 企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第24号 会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針
- 国税庁 No.5407 減価償却資産の償却方法の変更手続
- 国税庁 法人税基本通達 第7章第4節第2款 償却方法を変更した場合の償却限度額
よくある質問
減価償却方法を変更した場合、過去の決算を修正する必要はありますか。
必要ありません。減価償却方法の変更は、会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難な場合として扱われ、遡及適用は行いません(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 第19項、第20項)。変更時点の帳簿価額を残存期間にわたり新しい方法で配分します。
定額法から定率法への変更も同じ扱いですか。
同じ扱いです。第20項は変更の方向を限定しておらず、定額法から定率法へ変更する場合も遡及適用せずに処理します。いずれの方向でも、会計方針の変更である以上、正当な理由が必要です(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 第5項、第62項)。
新しく取得した資産だけ別の償却方法を採用するのは会計方針の変更ですか。
新規事業で取得した資産の消費パターンが既存資産と異なると予測される場合に、既存とは異なる減価償却方法を採用することは、新たな事実の発生に伴う新たな会計処理の採用であり、会計方針の変更には該当しません(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針 第8項(2)、第18項)。
減価償却方法の変更ではどのような注記が必要ですか。
会計方針の変更の内容、変更を行った正当な理由、当期への影響額(将来への影響を合理的に見積ることができる場合はその影響額)を注記します(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 第19項、第11項(1)(2)、第18項(2))。重要な会計方針に記載している減価償却方法も改めます。
会計上の償却方法を変えると、税務上も変更されますか。
自動的には変更されません。法人税で償却方法を変更するには、原則として新たな方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに、所轄税務署長あてに変更承認申請書を提出し、承認を受ける必要があります。現在の方法を採用してから3年を経過していない場合は、特別な理由がない限り承認されません(国税庁 タックスアンサー No.5407)。
本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。



