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財務会計

債務保証損失引当金【仕訳例】計上要件・注記と代位弁済時の処理

目次
  1. 債務保証損失引当金の位置づけ
  2. 債務保証損失引当金の計上要件
  3. 注解18の4要件と債務保証への当てはめ
  4. 保証先の状況による判断
  5. 判断に使う資料
  6. 損失の可能性と引当・注記の判定表
  7. 計上額の算定
  8. 債務保証損失引当金の仕訳例
  9. 決算時の繰入
  10. 保証債務の履行(代位弁済)時
  11. 保証先の業績回復による戻入
  12. 債務保証の注記
  13. 偶発債務(保証債務)の注記
  14. 保証予約・経営指導念書の扱い
  15. 引当金の計上基準と省略できる会社
  16. 子会社・代表者が関係する保証と関連当事者の開示
  17. 決算前のチェックリスト
  18. まとめ
  19. 参考文献
  20. よくある質問
  21. 子会社が債務超過なら、債務保証損失引当金は必ず計上しますか。
  22. 経営指導念書も保証債務として注記しますか。
  23. 債務保証損失引当金繰入額は販売費及び一般管理費に計上できますか。
  24. 引当金を計上した後、保証債務の注記額はどうなりますか。
  25. 損失見積額に幅がある場合はどう決めますか。

子会社の銀行借入や代表者が関係する会社の債務を保証している場合、決算のたびに「この保証に引当金は要るのか」を判断しなければなりません。結論から言えば、債務保証損失引当金は、保証先の財政状態の悪化などで保証債務を履行する可能性があり、履行したあとの求償債権を回収できない可能性が高く、その損失額を合理的に見積れる場合に計上します。可能性がそこまで高くなければ引当金は計上せず、保証債務の額と状況の説明を注記で開示します。

この記事では、計上要件の判断を保証先の状況別に整理した判定表、引当・保証履行(いわゆる代位弁済)・戻入の仕訳例、偶発債務と関連当事者の注記までを、決算前の確認順に沿って解説します。

債務保証損失引当金の位置づけ

債務保証損失引当金は、企業会計原則注解が引当金の例として挙げている項目の一つです。将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合に、当期の負担に属する金額を繰り入れます(企業会計原則注解 注18)。

債務保証契約そのものは金融商品に該当し、金融商品会計基準の対象とされています(金融商品会計に関する実務指針 第15項、第225項)。ただし、金融資産の消滅の認識に伴って生じる保証債務を除き、債務保証は時価評価を行いません。会計処理は日本公認会計士協会の監査・保証実務委員会実務指針第61号「債務保証及び保証類似行為の会計処理及び表示に関する監査上の取扱い」によることとされています(金融商品会計に関する実務指針 第137項)。実務上の判断基準は、この実務指針第61号に具体的に示されています。実務指針第61号は1999年に公表され、2011年には企業会計基準第24号(当時の名称は会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準)の公表を受けて、引当額の過不足の扱いなどが改正されています(監査・保証実務委員会実務指針第61号 1.、6.(2))。

なお、保証料を受け取っている場合は受取保証料として収益に計上し、期末には発生主義により未収又は前受を計上します(金融商品会計に関する実務指針 第137項)。保証料の処理と引当金の判断は別の論点として扱います。

債務保証損失引当金の計上要件

注解18の4要件と債務保証への当てはめ

注解18の4要件を債務保証に当てはめると、次のようになります。

将来の特定の費用又は損失 保証債務を履行したうえで、求償債権が回収できずに生じる損失
当期以前の事象に起因 期末までに締結した保証契約と、期末までに生じた保証先の財政状態の悪化
発生の可能性が高い 保証先が経営破綻している、又は破綻に陥る可能性が高い状態
金額を合理的に
見積ることができる
保証総額から返済可能額や担保による保全額を控除して損失額を算定できる

発生の可能性の低い偶発事象に係る損失については、引当金を計上することはできません(企業会計原則注解 注18)。保証をしているという事実だけでは引当金の対象にならず、保証先の状況を見て判断する点が出発点です。

関連コラム賞与引当金の計上基準|注解18の4要件と支給対象期間の按分▸

保証先の状況による判断

実務指針第61号によれば、保証先の財政状態が悪化して借入の返済が滞るおそれがあり、保証債務を履行しても求償債権を回収できない可能性が高く、かつ損失額を合理的に見積ることができるときに、債務保証損失引当金の計上が必要になります(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(1))。

具体的に計上対象となるのは、次の3つの状態です(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(1))。

  • 法的・形式的な経営破綻の状態にある場合
  • 法的・形式的な破綻の事実はないものの深刻な経営難にあり、再建の見通しがないなど、実質的に経営破綻に陥っている場合
  • 経営破綻の状況にはないが経営難の状態にあり、経営改善計画等の進捗が芳しくなく、今後、経営破綻に陥る可能性が高い場合

子会社が債務超過というだけで、ただちに引当金が必要になるわけではありません。親会社の支援で再建計画が順調に進んでいれば、3つ目の状態に当たらないことも考えられます。逆に、資金繰りを親会社の追加融資でつないでいるだけで計画が未達続きであれば、計上対象に近づきます。

判断に使う資料

求償債権が回収不能となる可能性は、主たる債務者ごとに総合的に判断します。考慮する要素として、財政状態の状況と悪化の原因、再建計画による業績回復の可能性、親会社等の支援状況、銀行等金融機関からの融資の状況、今後の資金繰りの見通し、担保の状況とその処分見込み、他の保証人の負担能力が挙げられています(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(1))。

実務では、保証先の直近の試算表と資金繰り表、再建計画と実績の比較、金融機関との交渉状況、担保物件の評価資料を決算前にそろえておくと、判断の根拠を説明しやすくなります。グループ会社の保証では、親会社としての支援方針そのものが判断材料になるため、取締役会資料等で方針を確認しておきます。

損失の可能性と引当・注記の判定表

実務指針第61号は、保証債務の履行に伴う損失の発生の可能性を「高い」「ある程度予想される」「低い」に分け、それぞれ金額の見積りが可能かどうかで、引当金と注記の扱いを整理しています(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(3))。これを保証先の状況から引ける形にまとめ直したのが次の表です。

保証先の状況(目安) 会計処理と開示
法的破綻・実質破綻・破綻懸念にあり、損失額を見積れる 債務保証損失引当金を計上し、保証総額から引当額を控除した残額を注記する
損失の可能性は高いが、金額を見積れない 保証債務の額を注記し、可能性が高いが見積れない旨とその理由、保証先の財政状態等を追加情報として注記する
経営難で損失がある程度予想される 保証債務の額を注記し、損失発生の可能性がある程度予想される旨と保証先の財政状態等を追加情報として注記する
財政状態に大きな懸念がない 保証債務の額を注記する

損失の可能性が高いのに金額を見積れない場合は、通常きわめて限られたケースとされています。保証先が経営破綻又は実質的な経営破綻に陥っている場合は、必要額を引当金に計上することになります(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(3))。「見積れないから計上しない」という判断は、監査上も慎重に確認される点です。

追加情報として注記する内容には、保証先の財政状態(大幅な債務超過等)、保証先と自社の関係(出資、役員の派遣、資金援助、営業上の取引等)、保証先の債務履行についての今後の見通しが挙げられています(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(3))。

計上額の算定

債務保証損失引当金は、債務保証の総額から、主たる債務者の返済可能額や担保によって保全される額など、求償債権について回収が見込まれる額を控除して計上します(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(2))。

債務保証損失引当金 = 保証総額 − 主たる債務者の返済可能額 − 担保等により保全される額

損失見積額は、保証先の財政状態、担保価値の評価、プロジェクトの損益の見込み、他の保証人の負担能力などを総合的に判断して算定します。見積りに幅がある場合は、その中から最も合理的な金額を選びます。計上額は保証先の財政状態等に応じて、決算ごとに見直す必要があります(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(2))。

たとえば、子会社B社の銀行借入80,000千円を保証しており、B社の返済可能見込額が20,000千円、B社所有不動産の担保処分見込額が30,000千円であれば、計上額は次のとおりです。

80,000千円 − 20,000千円 − 30,000千円 = 30,000千円

債務保証損失引当金の仕訳例

決算時の繰入

上の例で、当期末にB社が実質的に経営破綻に陥っていると判断し、30,000千円を繰り入れる場合の仕訳です(単位:千円)。繰入額は、その金額や発生事由等に応じ、原則として営業外費用又は特別損失に計上します(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(4)①)。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
債務保証損失引当金繰入額 30,000 債務保証損失引当金 30,000

貸借対照表では、一般の引当金と同様にワンイヤールールに従い、流動負債又は固定負債に区分して表示します(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(4)②)。履行の請求が1年以内に見込まれるなら流動負債になります。

保証債務の履行(代位弁済)時

保証債務について履行の請求を受けた場合は、負担すべき債務を未払金等に計上し、主たる債務者に対する求償債権を未収入金等に計上します。求償債権の回収不能見積額は、直接控除するか貸倒引当金として計上します(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(4)③)。

このとき、債務保証損失引当金は目的取崩となり、求償債権に対する貸倒引当金繰入額(又は貸倒損失)が生じます。両者は一連の処理と考えられるため、原則として相手先ごとに相殺した純額で表示し、引当金明細表には相殺した旨と貸倒引当金繰入額を記載します(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(4)④)。

翌期に金融機関から履行を請求されて80,000千円を弁済し、求償債権の回収見込額が前期末の見積りどおり50,000千円である場合の仕訳です(単位:千円)。2行目は、目的取崩額と貸倒引当金繰入額を相殺した結果を示しています。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
未収入金(求償債権) 80,000 未払金 80,000
債務保証損失引当金 30,000 貸倒引当金 30,000
未払金 80,000 現金預金 80,000

履行時点で回収見込額が45,000千円に下がっていれば、貸倒引当金は35,000千円が必要となり、差額の5,000千円を貸倒引当金繰入額として追加計上します。引当金を取り崩した後も、求償債権の評価は貸倒引当金の問題として毎期続きます。

保証先の業績回復による戻入

翌期末にB社の再建計画が進み、損失見積額が12,000千円に減った場合は、差額18,000千円を戻し入れます(単位:千円)。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
債務保証損失引当金 18,000 債務保証損失引当金戻入額 18,000

会計上の見積りの変更は過去に遡って処理せず、その影響を当期以降で認識します(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 第17項、第55項)。実務指針第61号も、引当金計上後に判明した引当額の過不足はこの基準に基づいて処理するとしています(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(4)①)。過去の決算時に入手可能な情報で最善の見積りを行っていたのであれば、状況の変化による差額は、その性質により営業損益又は営業外損益として認識します。一方、引当額の過不足が計上時の見積り誤りに起因する場合は過去の誤謬に当たり、修正再表示の対象となります(会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 第55項)。

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債務保証の注記

偶発債務(保証債務)の注記

保証債務等の偶発債務は、企業の財務内容を判断するために重要な事項として貸借対照表に注記します(企業会計原則 第三 貸借対照表原則 一C)。会社法の計算書類では、保証債務等(負債の部に計上したものを除く。)があるときに、その内容及び金額を貸借対照表等に関する注記として記載します(会社計算規則 第103条第5号)。有価証券報告書の財務諸表でも、偶発債務の内容及び金額を注記し、重要性の乏しいものは省略できます(財務諸表等規則 第58条)。

注記の方法について、実務指針第61号は次の取扱いを示しています。

  • 原則として、すべての債務保証について保証先ごとに総額で表示する(監査・保証実務委員会実務指針第61号 3.(1))
  • 根保証は、原則として期末現在の債務額と保証極度額のいずれか少ない額を記載する。保証極度額で記載することもできる(監査・保証実務委員会実務指針第61号 3.(1)④)
  • 引当金を設定した債務保証は、保証総額から引当金設定額を控除した残額を注記する(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(4)⑤)

先ほどの例であれば、当期末の注記額は80,000千円から30,000千円を控除した50,000千円です。引当金を計上したのに注記を総額のまま残すと、同じ損失を二重に示すことになるため注意が必要です。

保証予約・経営指導念書の扱い

注記の対象となる債務保証には、通常の債務保証のほか、保証予約や経営指導念書等の差入れといった保証類似行為も含まれます。経営指導念書等は、記載内容に基づく法的効力が保証契約や保証予約と同様と認められるもののほか、債権者との関係や差入れの経緯から実質的に保証義務や損害担保義務を負っていると認められるものが対象となります(監査・保証実務委員会実務指針第61号 2.(1)、2.(2))。

子会社の借入にあたって金融機関へ念書を差し入れているケースは珍しくありません。表題が「念書」や「覚書」であっても、内容によっては保証債務と同様に注記し、引当金の要否も同じ枠組みで判断します。法的効力の解釈が分かれる場合は、法律専門家の見解も参考にします。

引当金の計上基準と省略できる会社

債務保証損失引当金を計上した場合は、引当金の計上基準を重要な会計方針として注記します(企業会計原則注解 注1-2、会社計算規則 第101条第1項第3号)。たとえば「債務保証に係る損失に備えるため、被保証先の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しています」のように、判断の基礎が分かる書き方にします。

会計監査人設置会社以外の非公開会社は、個別注記表のうち貸借対照表等に関する注記や関連当事者との取引に関する注記を省略できます(会社計算規則 第98条第2項第1号)。ただし、引当金の計上要件そのものは会社の規模で変わりません。重要性の乏しい引当金は計上しないことができますが(企業会計原則注解 注1)、保証額の大きいグループ保証では、重要性を理由に検討を省く根拠にはなりにくい点に注意が必要です。

関連コラム個別注記表の記載例【一覧表】会計監査人設置会社の注記項目と省略範囲▸

子会社や役員など関連当事者のための債務保証は、関連当事者との取引として開示の対象になります。債務保証等は、保証債務等の期末残高を取引金額として記載し、保証をしているのか受けているのかが分かるよう、その内容を注記に具体的に記載します(関連当事者の開示に関する会計基準 第10項、関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針 第9項)。

代表者が会社の銀行借入を個人保証している場合は、会社が保証を「受けている」取引として開示対象になります。重要性の判断は、期末における保証債務等の金額で行います(関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針 第17項)。

関連当事者に対して債務保証損失引当金を計上している場合は、その期末残高や繰入額も、貸倒懸念債権等に係る貸倒引当金の情報に準じて開示します(関連当事者の開示に関する会計基準 第10項、関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針 第8項)。引当金の判断と関連当事者の注記は、同じ資料から一緒に作成すると整合を取りやすくなります。なお、適用指針は2024年に、リース会計基準の公表に伴って参考(開示例)が改正されています(関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針 第23項)。

関連コラム関連当事者の注記記載例|重要性の基準値一覧と取引種類別の文例▸

決算前のチェックリスト

決算前に確認しておきたい事項を、作業の順にまとめました。

  1. 保証契約・根保証契約・保証予約・経営指導念書等の一覧を作り、期末の保証残高(根保証は債務額と極度額の少ない方)を確定する
  2. 保証先ごとに直近の財務情報・資金繰り・再建計画の進捗を入手し、法的破綻・実質破綻・破綻懸念のいずれかに当たるかを判断する
  3. 計上対象の保証先について、返済可能額と担保の処分見込額を見積り、引当額を算定する(前期末からの変動理由も記録する)
  4. 計上しない保証先でも、損失がある程度予想される場合は追加情報の注記内容を準備する
  5. 偶発債務の注記額を「保証総額−引当額」に更新し、重要な会計方針に引当金の計上基準を記載する
  6. 関連当事者に該当する保証先・保証人(代表者等)を洗い出し、関連当事者の注記と金額を突き合わせる
  7. 期中に履行請求を受けたものは、未払金・求償債権・貸倒引当金への振替と相殺表示を確認する

まとめ

債務保証損失引当金は、保証先が法的・実質的に経営破綻しているか破綻の可能性が高く、求償債権の回収不能による損失額を合理的に見積れる場合に計上します(企業会計原則注解 注18、監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(1))。計上額は保証総額から返済可能額と担保等による保全額を控除して算定し、決算ごとに見直します。

計上の有無にかかわらず、保証債務は偶発債務として注記し、引当金を計上した場合は控除後の残額を記載します。子会社や代表者が関係する保証は関連当事者の開示にも影響するため、引当・偶発債務・関連当事者の3つを一つの資料で整合させておくと、決算と監査対応がスムーズになります。

保証先の状況の評価や見積りの幅は個別性が高いため、具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。

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参考文献

よくある質問

子会社が債務超過なら、債務保証損失引当金は必ず計上しますか。

債務超過だけでは計上要件を満たしません。保証先が法的・実質的に経営破綻しているか、経営改善計画の進捗が芳しくなく破綻に陥る可能性が高い状態で、求償債権の回収不能による損失額を合理的に見積れる場合に計上します(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(1))。計上しない場合でも、損失がある程度予想されるなら、保証先の財政状態等を追加情報として注記します(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(3))。

経営指導念書も保証債務として注記しますか。

記載内容に基づく法的効力が保証契約や保証予約と同様と認められるもの、又は債権者との関係や差入れの経緯から実質的に保証義務や損害担保義務を負っていると認められるものは、債務保証に準じて注記の対象に含めます(監査・保証実務委員会実務指針第61号 2.(2))。表題ではなく内容で判断します。

債務保証損失引当金繰入額は販売費及び一般管理費に計上できますか。

原則として、金額や発生事由等に応じて営業外費用又は特別損失に計上します(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(4)①)。どちらに区分するかは、引当の原因となった事象の性質と金額の大きさを踏まえて判断します。

引当金を計上した後、保証債務の注記額はどうなりますか。

保証総額から債務保証損失引当金の設定額を控除した残額を注記します(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(4)⑤)。会社計算規則でも、注記対象となる保証債務等からは負債の部に計上したものが除かれています(会社計算規則 第103条第5号)。

損失見積額に幅がある場合はどう決めますか。

保証先の財政状態、担保価値、プロジェクトの損益見込み、他の保証人の負担能力などを総合的に判断し、見積損失の幅の中から最も合理的な金額を算定して計上します(監査・保証実務委員会実務指針第61号 4.(2))。算定の前提と根拠資料は、翌期の見直しに備えて残しておきます。

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。

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