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財務会計

株主資本等変動計算書の注記記載例|増減表と配当注記のひな形

目次
  1. 株主資本等変動計算書の注記事項の全体像
  2. 発行済株式の種類及び総数に関する注記の記載例
  3. 増減表のひな形
  4. 変動事由の概要の文例
  5. 自己株式の種類及び株式数に関する注記の記載例
  6. 連結で開示する自己株式数の範囲
  7. 新株予約権及び自己新株予約権に関する注記の記載例
  8. 記載対象から除く範囲と省略できる場合
  9. 配当に関する事項の注記の記載例
  10. 当期中に効力が発生した配当のひな形
  11. 基準日が当期・効力発生日が翌期となる配当のひな形
  12. 配当財産が金銭以外の場合
  13. 会社法の計算書類と有価証券報告書で異なる記載の粒度
  14. 注記作成でつまずきやすい点
  15. 適用時期と改正の経緯
  16. まとめ
  17. 参考文献
  18. よくある質問
  19. 株主資本等変動計算書の注記は連結と個別で何が違いますか
  20. 会社法の計算書類でも増減表の形で注記が必要ですか
  21. 配当の注記に配当の原資を書くのはどの場合ですか
  22. 新株予約権の注記を省略できるのはどのような場合ですか

株主資本等変動計算書の注記は、本表に並ぶ金額だけでは分からない「株式の数」と「配当の条件」を補う開示です。実務で迷いやすいのは、どの項目を何列の表で書き、どこまで変動事由を書き込むかという点です。

本記事では、発行済株式・自己株式・新株予約権の増減表と、配当に関する事項の注記について、そのまま下敷きに使えるひな形を示します。あわせて、会社法の計算書類と有価証券報告書とで求められる記載の粒度が違うことも整理します。数値はすべて当事務所の作例で、当期を2025年4月1日から2026年3月31日までの事業年度としています。

株主資本等変動計算書の注記事項の全体像

連結株主資本等変動計算書に注記する事項は、次の4つです(株主資本等変動計算書に関する会計基準 第9項(1))。いずれも本表の金額ではなく、株式の数や配当の条件を示すための開示です。

発行済株式の
種類及び総数
株式の種類ごとに、当期首と当期末の発行済株式総数、当期に増加・減少した株式数、変動事由の概要を記載します。
自己株式の
種類及び株式数
株式の種類ごとに、当期首と当期末の自己株式数、当期に増加・減少した株式数、変動事由の概要を記載します。
新株予約権及び
自己新株予約権
目的となる株式の種類と数、当期末残高を記載します。自己新株予約権は新株予約権との対応が分かるように記載します。
配当に関する事項 配当金の総額、1株当たり配当額、基準日、効力発生日を記載します。効力発生日が翌期となるものは配当の原資も記載します。

個別株主資本等変動計算書の注記事項は、自己株式の種類及び株式数に関する事項です。ただし、個別株主資本等変動計算書にも、発行済株式・新株予約権・配当に関する事項に準ずる事項を注記することは妨げられていません。また、連結財務諸表を作成しない会社は、自己株式に関する事項に代えて、連結での4項目に準ずる事項を個別株主資本等変動計算書に注記します(株主資本等変動計算書に関する会計基準 第9項(2))。

注記の前提となる本表の側では、株主資本の各項目を当期首残高・当期変動額・当期末残高に区分し、当期変動額は変動事由ごとに金額を表示します(株主資本等変動計算書に関する会計基準 第6項)。本表と注記は「変動事由」という共通の軸でつながっているため、本表に立てた変動事由と注記の変動事由の概要は、同じ言葉で揃えておくと読み手が迷いません。

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発行済株式の種類及び総数に関する注記の記載例

発行済株式については、株式の種類ごとに、当期首及び当期末の発行済株式総数と、当期に増加又は減少した発行済株式数を記載します。さらに、株式の種類ごとに変動事由の概要を記載します(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第13項(1))。

増減表のひな形

増減表は「当期首-増加-減少-当期末」の4つの数量を横に並べ、当期首+増加-減少=当期末が成り立つ形にします。単位は株です。

株式の種類 当期首株式数 当期増加株式数 当期減少株式数 当期末株式数
普通株式 12,000,000 400,000 200,000 12,200,000

変動事由の概要の文例

変動事由の概要は、表の直後に短い文章で添えます。増加と減少を分け、それぞれ原因となった行為と株式数を一致させて書くのが基本です。

(記載例)発行済株式数の増加400,000株は、新株予約権の行使による新株の発行によるものです。減少200,000株は、取締役会決議に基づく自己株式の消却によるものです。

種類株式発行会社の場合は、普通株式とA種優先株式のように、種類ごとに行を分けて記載します。株式併合・株式分割のように株式数が大きく動く事象があった年度では、その旨と比率まで書き添えると、読み手が前期との連続性を追えます。

自己株式の種類及び株式数に関する注記の記載例

自己株式についても、株式の種類ごとに、当期首及び当期末の自己株式数と、当期に増加又は減少した自己株式数、そして変動事由の概要を記載します(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第13項(2))。表の形は発行済株式とまったく同じです。

株式の種類 当期首株式数 当期増加株式数 当期減少株式数 当期末株式数
普通株式 150,000 260,000 210,000 200,000

(記載例)自己株式数の増加260,000株は、取締役会決議に基づく取得250,000株及び単元未満株式の買取請求10,000株によるものです。減少210,000株は、自己株式の消却200,000株及び単元未満株式の売渡請求10,000株によるものです。

連結で開示する自己株式数の範囲

実務で漏れやすいのが、連結で開示する自己株式数の範囲です。連結株主資本等変動計算書に開示する自己株式数は、親会社が保有する株式数と、子会社又は関連会社が保有する親会社株式又は投資会社の株式のうち親会社等の持分に相当する株式数との合計によります(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第13項(2))。

そのため、親会社の株主名簿だけを見ていると数量が足りません。持株会社体制や持分法適用会社が親会社株式を保有しているケースでは、決算期ごとに保有状況を確認する手続を組み込んでおく必要があります。持分比率が動いた年度は、株式数そのものが変わらなくても持分相当株式数が変動する点にも注意が必要です。

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新株予約権及び自己新株予約権に関する注記の記載例

新株予約権については、目的となる株式の種類、目的となる株式の数、そして当期末残高を記載します。目的となる株式の数は、権利行使されたものと仮定した場合の増加株式数をいい、種類ごとに当期首及び当期末の数と当期に増加・減少する数を、変動事由の概要を含めて記載します。権利行使期間の初日が到来していない新株予約権については、それが明らかになるように記載します(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第13項(3))。

当期末残高は、親会社の新株予約権と連結子会社の新株予約権を区分して記載します。ストック・オプションとして交付されたものも、それぞれの残高に含めます(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第13項(3))。単位は株数が株、残高が千円です。

区分 目的となる株式の種類 当期首株式数 当期増加株式数 当期減少株式数 当期末株式数 当期末残高(千円)
提出会社(親会社) 普通株式 600,000 300,000 440,000 460,000 48,000
連結子会社 普通株式 — — — — 12,000
合計 — 600,000 300,000 440,000 460,000 60,000

(記載例)当期増加300,000株は新株予約権の発行によるものです。当期減少440,000株は、権利行使400,000株及び権利の失効40,000株によるものです。当期末の新株予約権のうち200,000株分は、権利行使期間の初日が到来していません。

記載対象から除く範囲と省略できる場合

目的となる株式の種類と数の記載対象からは、連結子会社が発行した新株予約権と、ストック・オプション等に関する会計基準により注記事項とされるものは除かれます。また、当期末における新株予約権の目的となる株式の数が、当期末の発行済株式総数(自己株式を保有している場合は当該自己株式数を控除した株式数)に対して重要性が乏しいと認められる場合には、種類と数の注記を省略することができます(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第13項(3))。

実務では、この重要性の判定を毎期あらためて行わずに前期の取扱いを踏襲してしまう例が見られます。新株予約権を追加発行した年度や自己株式を大量に取得した年度は分母も動くため、判定をやり直しておくと安全です。

自己新株予約権については、新株予約権との対応が明らかとなるように記載します。親会社が発行した新株予約権を親会社が保有している場合は種類・数・当期末残高に関する事項を、連結子会社が発行した新株予約権を当該子会社が保有している場合は当期末残高に関する事項を記載します(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第13項(3))。

配当に関する事項の注記の記載例

剰余金の配当は、株主資本の変動事由として当期変動額に表示するとともに、配当に関する事項を注記します(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第7項)。本表の「剰余金の配当」の金額と、注記の配当金の総額の合計は一致します。

配当金の総額は、1株当たり配当額に基準日現在の配当対象株式数を乗じて求めます。配当対象株式数は発行済株式総数から自己株式数を控除した数です。

配当金の総額 = 1株当たり配当額 × 基準日現在の配当対象株式数

当期中に効力が発生した配当のひな形

配当財産が金銭である場合には、株式の種類ごとの配当金の総額、1株当たり配当額、基準日及び効力発生日を記載します(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第13項(4))。決議機関と決議日を左端に置き、期中に行った配当を決議順に並べます。

決議 株式の種類 配当金の総額(千円) 1株当たり配当額(円) 基準日 効力発生日
2025年6月20日 定時株主総会 普通株式 237,000 20 2025年3月31日 2025年6月23日
2025年11月7日 取締役会 普通株式 118,500 10 2025年9月30日 2025年12月5日

基準日が当期・効力発生日が翌期となる配当のひな形

基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるものについては、配当の原資と、配当金の総額・1株当たり配当額・基準日・効力発生日に準ずる事項を記載します(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第13項(4))。前の表との違いは配当の原資の列が加わる点です。

決議 株式の種類 配当の原資 配当金の総額(千円) 1株当たり配当額(円) 基準日 効力発生日
2026年6月19日 定時株主総会 普通株式 利益剰余金 240,000 20 2026年3月31日 2026年6月22日

この配当は当期の株主資本を減少させていないため、本表の当期変動額には含まれません。注記だけに現れる点が、前の表との決定的な違いです。翌期の定時株主総会の議案が確定していない段階で決算を締める会社では、決議予定の内容を注記する形になるため、承認までのスケジュールを開示部門と共有しておく必要があります。

配当財産が金銭以外の場合

配当財産が金銭以外の場合(分割型の会社分割を含みます)には、配当財産の種類と帳簿価額、1株当たり配当額、基準日及び効力発生日を記載します。配当の効力発生日における時価をもって純資産を減少させる場合には、当該時価により評価した後の帳簿価額を記載します(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第13項(4))。

なお、いわゆる分割型の会社分割は、会社法上は新設分割設立会社又は吸収分割承継会社の株式の現物配当として取り扱われます。そのため、変動事由の表示方法は、剰余金の配当として記載する方法と、分割型の会社分割による減少として記載する方法のいずれかを選択したうえで、金銭以外の配当としての注記を行います(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第7項)。

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会社法の計算書類と有価証券報告書で異なる記載の粒度

同じ「株主資本等変動計算書に関する注記」でも、会社法の計算書類(個別注記表・連結注記表)で求められる内容と、会計基準・適用指針に基づく有価証券報告書の記載とでは粒度が違います。会社計算規則が求めるのは原則として事業年度末日の数であり、増減表までは要求されていません(会社計算規則 第105条、会社計算規則 第106条)。

発行済株式の数 会社計算規則は事業年度末日(連結会計年度末日)の数のみを求めます。会計基準・適用指針では当期首・増加・減少・当期末と変動事由の概要まで記載します。
自己株式の数 会社計算規則は事業年度末日の数のみを求め、連結注記表には規定がありません。会計基準・適用指針では増減と変動事由の概要まで記載します。
新株予約権の
目的となる株式の数
会社計算規則は期末日の数のみを求め、権利行使期間の初日が到来していないものは除きます。会計基準・適用指針では増減と当期末残高まで記載します。
株式引受権に係る
株式の数
会社計算規則は期末日の数を求めます。株主資本等変動計算書に関する会計基準は注記事項として掲げていません。
剰余金の配当 会社計算規則は配当財産の総額等を求めます。会計基準・適用指針では1株当たり配当額・基準日・効力発生日まで記載します。

また、連結注記表を作成する株式会社は、個別注記表の株主資本等変動計算書に関する注記のうち、自己株式の数に関する事項以外を省略することができます(会社計算規則 第105条)。上場準備企業では、会社法の計算書類を先に整えてから有価証券報告書の様式に移行することが多いため、この差分を把握しないまま開示資料を作ると、増減表と変動事由の概要が丸ごと抜け落ちます。監査対応の初期に、どちらの水準で作るのかを決めておくことをおすすめします。

注記作成でつまずきやすい点

決算・監査の直前に指摘を受けやすい論点を、チェックリストの形でまとめます。いずれも当事務所が上場準備や会計監査の現場で繰り返し目にするものです。

  • 増減表の当期首株式数が、前期の注記の当期末株式数と一致していない。
  • 発行済株式の増加株式数と、新株予約権の権利行使による減少株式数が食い違っている。
  • 連結の自己株式数に、子会社・関連会社が保有する親会社株式の持分相当分が含まれていない。
  • 変動事由の概要が「増加」「減少」としか書かれておらず、原因となった行為が特定できない。
  • 基準日が当期・効力発生日が翌期の配当について、配当の原資の記載が漏れている。
  • 本表の「剰余金の配当」の金額と、配当注記の配当金の総額の合計が一致していない。
  • 新株予約権の重要性の判定を前期のまま踏襲し、当期の分母の変動を反映していない。

なお、株主資本以外の各項目は当期変動額を純額で表示するのが原則ですが、主な変動事由ごとにその金額を表示することもでき、この表示は注記による開示によることもできます(株主資本等変動計算書に関する会計基準 第8項、株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第9項、第10項)。その他利益剰余金の内訳科目や評価・換算差額等の内訳科目についても、本表への記載に代えて注記により開示することが認められています(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第4項、第5項)。本表を簡潔にしたい会社は、この選択肢を検討する余地があります。

適用時期と改正の経緯

株主資本等変動計算書は、会社法の施行日以後終了する連結会計年度及び事業年度から作成されています(株主資本等変動計算書に関する会計基準 第11項)。制度として定着して久しく、注記事項も上記の4項目で運用が固まっています。

株主資本等変動計算書に関する会計基準は2005年に公表され、その後2010年に改正されています。2010年の改正は、会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準により遡及処理における累積的影響額を期首残高に反映する取扱いが定められたことを踏まえたものです。さらに2013年にも改正され、当期純利益を親会社株主に帰属する当期純利益とした点や、企業結合会計基準における暫定的な会計処理の確定に関する取扱いが反映されました(株主資本等変動計算書に関する会計基準 第13-3項、第13-4項)。会計基準本体の改正は、この2013年の改正が最後です。

一方、株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針は、2005年の公表後、2010年、2013年に続いて2025年にも改正されています。2025年に改正された適用指針の適用時期は、2025年に改正された包括利益の表示に関する会計基準と同様とされています(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第14-4項)。当該包括利益会計基準は2025年4月1日以後最初に開始する連結会計年度の期首から適用されており、2025年3月31日以後最初に終了する連結会計年度の年度末に係る連結財務諸表から適用することもできるとされています(包括利益の表示に関する会計基準 第16-6項)。したがって、3月決算の会社ではすでに2025年改正後の適用指針に基づいて注記を作成しています。

なお、中間連結株主資本等変動計算書及び中間個別株主資本等変動計算書は、株主資本等変動計算書に準じて作成します(株主資本等変動計算書に関する会計基準 第10項)。ただし、2025年改正包括利益会計基準の経過的な取扱いを適用する場合には、2025年3月31日以後最初に終了する連結会計年度に係る中間連結財務諸表には2025年改正適用指針を適用しないとされています(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第14-4項)。

まとめ

株主資本等変動計算書の注記は、発行済株式・自己株式・新株予約権及び自己新株予約権・配当の4項目で構成されます。前3者はいずれも「当期首+増加-減少=当期末」の増減表に変動事由の概要を添える形で、配当は決議機関・配当金の総額・1株当たり配当額・基準日・効力発生日を並べる形で記載します。

作成にあたっての要点は3つです。第1に、増減表の数量は前期の注記・本表・株主名簿と突き合わせ、増減の理由と株式数を一致させること。第2に、連結の自己株式数には子会社・関連会社の保有分の持分相当を含めること。第3に、基準日が当期で効力発生日が翌期の配当には配当の原資を書き添えることです。

会社法の計算書類では期末日の数だけで足りる一方、有価証券報告書では増減と変動事由まで求められます。上場準備の段階でこの差分を把握しておくと、様式の作り直しを避けられます。個別の判断に迷う場合は、公認会計士へのご相談をおすすめします。

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参考文献

よくある質問

株主資本等変動計算書の注記は連結と個別で何が違いますか

連結株主資本等変動計算書には、発行済株式の種類及び総数、自己株式の種類及び株式数、新株予約権及び自己新株予約権に関する事項、配当に関する事項の4項目を注記します。個別株主資本等変動計算書の注記事項は自己株式の種類及び株式数に関する事項です。ただし、個別に他の3項目に準ずる事項を注記することは妨げられておらず、連結財務諸表を作成しない会社は連結での4項目に準ずる事項を個別に注記します(株主資本等変動計算書に関する会計基準 第9項)。

会社法の計算書類でも増減表の形で注記が必要ですか

会社計算規則が個別注記表・連結注記表に求めているのは、原則として事業年度末日(連結会計年度末日)の発行済株式の数・自己株式の数・新株予約権の目的となる株式の数などであり、増減表そのものは求められていません(会社計算規則 第105条、会社計算規則 第106条)。増減と変動事由の概要まで記載するのは、会計基準・適用指針に基づく有価証券報告書の水準です。

配当の注記に配当の原資を書くのはどの場合ですか

基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるものについて、配当の原資を記載します。あわせて、配当金の総額・1株当たり配当額・基準日・効力発生日に準ずる事項を記載します(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第13項(4))。当期中に効力が発生した配当については、配当の原資の記載は求められていません。

新株予約権の注記を省略できるのはどのような場合ですか

当期末における新株予約権の目的となる株式の数が、当期末の発行済株式総数(自己株式を保有している場合は当該自己株式数を控除した株式数)に対して重要性が乏しいと認められる場合には、目的となる株式の種類と数の注記を省略することができます。また、連結子会社が発行した新株予約権と、ストック・オプション等に関する会計基準により注記事項とされるものは、記載対象から除かれます(株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針 第13項(3))。

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。

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