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財務会計

電子記録債権の会計処理|でんさいの仕訳と貸借対照表の表示

目次
  1. 電子記録債権の定義と制度上の位置づけ
  2. 電子記録債権法と発生・譲渡の要件
  3. 会計処理の基本的な考え方
  4. 貸借対照表の表示科目と区分掲記
  5. 営業取引に関連して発生した場合
  6. 貸付金・借入金に関連して発生した場合
  7. 営業取引以外の取引に基づいて発生した場合
  8. でんさいの仕訳
  9. 売掛金に関連して発生させ譲渡した場合(債権者)
  10. 債務者側の仕訳
  11. 貸付金・営業外取引の仕訳
  12. 譲渡時の消滅の認識と保証記録の注記
  13. 受取手形との異同
  14. 適用時期と改正の状況
  15. まとめ
  16. 参考文献
  17. よくある質問
  18. 電子記録債権の会計処理は手形と同じですか。
  19. 発生記録があった時点でどのような仕訳を行いますか。
  20. 電子記録債権を割引いた場合の損失はどの科目で処理しますか。
  21. 電子記録債権に関する注記はどのような場合に必要ですか。
  22. 実務対応報告第27号はいつから適用されていますか。

電子記録債権は、その発生又は譲渡について電子記録を要件とする金銭債権であり、会計処理上は手形債権に準じて取り扱うことが適当とされています。貸借対照表では、手形債権が指名債権とは別に区分掲記される取引について、「電子記録債権(又は電子記録債務)」等の科目で区分掲記します。本記事では、実務対応報告第27号「電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い」に基づき、発生記録・譲渡記録時の仕訳、貸借対照表の表示、注記、受取手形との異同を実務の観点から整理します。(参考:企業会計基準委員会 実務対応報告第27号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い)

電子記録債権の定義と制度上の位置づけ

電子記録債権とは、その発生又は譲渡について、電子記録(磁気ディスク等をもって電子債権記録機関が作成する記録原簿への記録事項の記録)を要件とする金銭債権です。その取引の安全を確保し事業者の資金調達の円滑化等を図る観点から、従来の指名債権や手形債権とは異なる新しい債権の類型として制度化されたものであり、実務上は「でんさい」と呼ばれることもあります。(参考:企業会計基準委員会 実務対応報告第27号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い)

実務では、紙の手形の作成・保管・印紙税の負担を避けつつ、売掛債権を早期に資金化する手段として利用が広がっています。上場準備の局面では、決済手段の切替えに伴って貸借対照表の科目構成が変わるため、期中の会計処理と表示科目のルールを社内規程レベルで固めておくことが求められます。

電子記録債権法と発生・譲渡の要件

電子記録債権は、平成19年6月27日に公布され、平成20年12月1日に施行された「電子記録債権法」(平成19年法律第102号)に基づく債権です。当事者間の合意のみで発生したり譲渡の効力が生じたりする指名債権と異なり、電子記録債権の発生や譲渡については、手形の作成、交付、裏書と同様に、発生記録や譲渡記録という当事者間の合意以外の行為が必要とされます。(参考:企業会計基準委員会 実務対応報告第27号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い)

また、手形債権と同様に、原則として、善意取得や人的抗弁の切断の効力が認められています。会計処理を考えるうえでは、この「原因関係とは独立して発生する金銭債権」という性質が出発点になります。売掛金という原因債権とは別個の債権が新たに発生する点が、単なる決済条件の変更とは異なるところです。

会計処理の基本的な考え方

電子記録債権は、流動性を高めつつ、その取引の安全を確保するため、手形債権と同様に、原因関係とは独立して発生する金銭債権です。紙媒体ではなく電子記録により発生し譲渡され、分割が容易に行えるなど手形債権と異なる側面はあるものの、手形債権の代替として機能することが想定されており、会計処理上は、今後も並存する手形債権に準じて取り扱うことが適当と考えられています。(参考:企業会計基準委員会 実務対応報告第27号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い)

したがって、電子記録債権に特有の会計基準が新たに設けられているわけではありません。発生の認識、貸借対照表価額、消滅の認識といった基本的な取扱いは、金銭債権として企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従います。電子記録債権を含む債権の貸借対照表価額は、取得価額から貸倒見積高に基づいて算定された貸倒引当金を控除した金額です。(参考:企業会計基準委員会 企業会計基準第10号 金融商品に関する会計基準)

電子記録債権の貸借対照表価額 = 取得価額 − 貸倒見積高に基づいて算定された貸倒引当金

実務では、決済手段が手形から電子記録債権に切り替わっても、債権区分(一般債権・貸倒懸念債権・破産更生債権等)の判定と貸倒見積高の算定方法は変わりません。監査対応では、電子記録債権を受取手形とは別の科目に振り替えたことで、貸倒引当金の算定対象から漏れていないかが論点になりやすい点に留意が必要です。

関連コラム貸倒見積高の算定と債権区分の基本:金融商品会計基準の徹底解説▸

貸借対照表の表示科目と区分掲記

貸借対照表上、手形債権が指名債権とは別に区分掲記される取引に関しては、電子記録債権についても指名債権とは別に区分掲記することとし、「電子記録債権(又は電子記録債務)」等、電子記録債権を示す科目をもって表示します。ここでいう「手形債権が指名債権とは別に区分掲記される取引」とは、例えば売掛金や買掛金に係る取引が該当します。(参考:企業会計基準委員会 実務対応報告第27号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い)

取引の類型別に整理すると、表示科目の考え方は次のとおりです。

売掛金・買掛金など
通常の営業取引に関連して発生
指名債権とは別に区分掲記し、「電子記録債権」「電子記録債務」等の科目で表示する
貸付金・借入金等に関連して発生 「貸付金」「借入金」等として表示し、科目は振り替えない
固定資産又は有価証券の売買
その他通常の営業取引以外の
取引に基づいて発生
「営業外電子記録債権」「営業外電子記録債務」等の科目で表示する
重要性が乏しい場合 区分掲記せず、「受取手形」「支払手形」(営業外の場合は「営業外受取手形」「営業外支払手形」又は「その他の資産」「その他の負債」)に含めて表示することができる

営業取引に関連して発生した場合

現行の企業会計上、営業取引により発生した債権及び債務(営業債権及び債務)については、貸借対照表上、「売掛金」「受取手形」のように法的な形態に沿って表示することから、電子記録債権についてもその性質を示す適当な科目で表示することが適当と考えられています。ただし、重要性が乏しいときには、「受取手形」(又は「支払手形」)に含めて表示することができます。(参考:企業会計基準委員会 実務対応報告第27号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い)

貸付金・借入金に関連して発生した場合

貸付金や借入金等については、現行の企業会計上、証書貸付や手形貸付等に区分掲記せずに「貸付金」「借入金」等として表示していることから、それらに関連して電子記録債権が発生しても手形債権に準じて取り扱うため、科目は振り替えないことになります。営業債権とは扱いが異なる点に注意が必要です。(参考:企業会計基準委員会 実務対応報告第27号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い)

営業取引以外の取引に基づいて発生した場合

固定資産又は有価証券の売買その他通常の営業取引以外の取引に基づいて電子記録債権を発生させた場合には、未収金・未払金から「営業外電子記録債権」「営業外電子記録債務」に振り替えます。重要性が乏しいときには、「営業外受取手形」「営業外支払手形」又は「その他の資産」「その他の負債」に含めて表示することができます。(参考:企業会計基準委員会 実務対応報告第27号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い)

実務では、営業外の電子記録債権・債務は金額が小さく発生頻度も低いため、重要性の判断を根拠資料とともに残しておくことが有用です。表示科目の設定と重要性の判断基準を勘定科目設定表に明記しておけば、期をまたいだ表示の一貫性を確保できます。

関連コラム金融商品会計基準の表示区分と注記事項を徹底解説▸

でんさいの仕訳

実務対応報告第27号には、理解に資するための設例が参考として示されています。以下は、金額100の取引を前提とした設例に基づく仕訳です。設例に示された前提条件は、経済環境や各企業の実情等に応じて異なることに留意する必要があります。(参考:企業会計基準委員会 実務対応報告第27号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い)

売掛金に関連して発生させ譲渡した場合(債権者)

債権者側は、商品の売買により売掛金を計上し、発生記録により電子記録債権が発生した時点で電子記録債権に振り替えます。その後、譲渡記録による譲渡または決済に応じて電子記録債権を消滅させます。

  • 商品100の売買: (借)売掛金 100 /(貸)売上 100
  • 発生記録により電子記録債権100が発生: (借)電子記録債権 100 /(貸)売掛金 100
  • 譲渡記録により現金95と引換えに譲渡: (借)現金 95・電子記録債権売却損 5 /(貸)電子記録債権 100
  • 譲渡記録により買掛金100と引換えに譲渡: (借)買掛金 100 /(貸)電子記録債権 100
  • 債権100が決済された場合: (借)現金 100 /(貸)電子記録債権 100

電子記録債権を買掛金の支払に充てる譲渡は、手形の裏書譲渡に相当する処理です。実務では、割引に相当する現金化と、仕入債務の決済に充てる譲渡とで損益が生じるかどうかが異なるため、記録機関のデータと会計処理の対応関係を明確にしておくことが重要です。

債務者側の仕訳

債務者側は、発生記録により電子記録債権に係る債務が発生した時点で買掛金を電子記録債務に振り替えます。債権者が電子記録債権を譲渡しても、債務者側では仕訳は生じません。

  • 商品100の売買: (借)仕入 100 /(貸)買掛金 100
  • 発生記録により電子記録債権に係る債務100が発生: (借)買掛金 100 /(貸)電子記録債務 100
  • 債権者が電子記録債権を譲渡した場合: 仕訳なし
  • 債務100の決済: (借)電子記録債務 100 /(貸)現金 100

電子記録債務は支払手形や買掛金と同じ金銭債務であり、債務額をもって貸借対照表価額とします。(参考:企業会計基準委員会 企業会計基準第10号 金融商品に関する会計基準)

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貸付金・営業外取引の仕訳

貸付金に関連して電子記録債権を発生させた場合、科目を振り替えないため、発生記録の時点では仕訳なしとなります。その後、譲渡記録により現金95と引換えに譲渡した場合は「(借)現金 95・貸付債権売却損 5 /(貸)貸付金 100」、決済された場合は「(借)現金 100 /(貸)貸付金 100」となります。借入側も、発生記録の時点では仕訳なしで、決済時に借入金を減額します。(参考:企業会計基準委員会 実務対応報告第27号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い)

固定資産の売買その他通常の営業取引以外の取引では、未収金・未払金から営業外の科目へ振り替えます。

  • 固定資産100の売却(債権者): (借)未収金 100 /(貸)固定資産 100
  • 発生記録により電子記録債権100が発生: (借)営業外電子記録債権 100 /(貸)未収金 100
  • 債権100の決済: (借)現金 100 /(貸)営業外電子記録債権 100
  • 固定資産100の取得(債務者)の発生記録: (借)未払金 100 /(貸)営業外電子記録債務 100

譲渡時の消滅の認識と保証記録の注記

譲渡記録により電子記録債権を譲渡する際の会計処理は、金融資産の消滅の認識要件を満たしていることを前提としています。金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転するのは、①譲渡された金融資産に対する譲受人の契約上の権利が譲渡人及びその債権者から法的に保全されていること、②譲受人が譲渡された金融資産の契約上の権利を直接又は間接に通常の方法で享受できること、③譲渡人が譲渡した金融資産を当該金融資産の満期日前に買戻す権利及び義務を実質的に有していないこと、の要件がすべて充たされた場合です。(参考:企業会計基準委員会 企業会計基準第10号 金融商品に関する会計基準)

消滅の認識要件を充たした場合には、金融資産の消滅を認識するとともに、帳簿価額とその対価としての受払額との差額を当期の損益として処理します。電子記録債権を額面を下回る金額で現金化した場合の差額が、電子記録債権売却損に相当します。

電子記録債権売却損 = 電子記録債権の帳簿価額 − 譲渡の対価としての受取額

また、譲渡記録により電子記録債権を譲渡する際に、保証記録も行っている場合には、受取手形の割引高又は裏書譲渡高と同様に、財務諸表に注記を行います。保証記録を伴う譲渡では譲渡人が遡求義務を負う関係になるため、手形の割引・裏書と同様の開示が求められる整理です。(参考:企業会計基準委員会 実務対応報告第27号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い)

実務では、保証記録の有無が注記の要否を分けるため、記録機関から取得する記録事項の一覧に保証記録の有無を含めて把握できる体制を整えておく必要があります。上場準備では、この注記が漏れると偶発債務の開示不備につながるため、決算スケジュールに保証記録残高の集計手続を組み込むことが実務的な対応になります。

受取手形との異同

電子記録債権は手形債権に準じて取り扱いますが、権利の発生・譲渡の方法や媒体には違いがあります。主な異同は次のとおりです。(参考:企業会計基準委員会 実務対応報告第27号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い)

手形債権(受取手形・支払手形) 電子記録債権(電子記録債権・電子記録債務)
原因関係とは独立して発生する金銭債権 原因関係とは独立して発生する金銭債権(同じ性質)
手形の作成、交付、裏書により発生・譲渡する 電子債権記録機関の記録原簿への発生記録・譲渡記録により発生・譲渡する
紙媒体の証券により権利を表章する 紙媒体ではなく電子記録により発生し譲渡される
債権の分割は容易ではない 債権の分割が容易に行える
原則として善意取得や人的抗弁の切断の効力が認められる 原則として善意取得や人的抗弁の切断の効力が認められる
営業取引では「受取手形」「支払手形」として区分掲記する 営業取引では「電子記録債権」「電子記録債務」等として区分掲記する
割引高又は裏書譲渡高を財務諸表に注記する 保証記録も行っている場合に同様に財務諸表に注記する

会計処理そのものは手形債権に準じるため、両者を並存させている企業では同一の内部統制の枠組みで管理できます。一方で表示科目が分かれるため、勘定科目の設計と残高の内訳管理は分けて行う必要があります。

適用時期と改正の状況

実務対応報告第27号は2009年(平成21年)4月9日に公表され、公表日以後適用することとされています。すでに適用済みの取扱いであり、電子記録債権を利用する企業の会計処理及び表示に適用されています。2009年(平成21年)4月3日開催の第174回企業会計基準委員会に出席した委員13名全員の賛成により承認され、公表に至ったものです。(参考:企業会計基準委員会 実務対応報告第27号 電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い)

実務対応報告第27号は、公表後に改正されていません。他方、その前提となる企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」は複数回改正されています。1999年(平成11年)1月に企業会計審議会から公表された会計基準を引き継ぎ、2006年(平成18年)8月11日に企業会計基準委員会から公表された後、2007年(平成19年)改正では金融商品取引法の施行による有価証券の範囲の拡大に対応する技術的な改正が行われ、2008年(平成20年)改正ではすべての金融商品についてその状況や時価等に関する事項の開示の充実を図る改正が行われました。(参考:企業会計基準委員会 企業会計基準第10号 金融商品に関する会計基準)

さらに2019年(令和元年)改正では、企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第31号「時価の算定に関する会計基準の適用指針」の公表に伴い、主として時価の定義を見直すなど時価の算定に関する事項が改正されました。この2019年改正会計基準は、2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されています。(参考:企業会計基準委員会 企業会計基準第30号 時価の算定に関する会計基準等の公表)

直近では、2026年6月2日に改正企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」等が公表されています。この改正は、金融資産の譲受人が金融商品会計基準の要件を充たす特別目的会社である場合の金融資産の消滅範囲を明確化するものであり、あわせて改正移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」及び改正企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」が公表されました。2026年改正の金融商品会計基準等は、2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首以後に実施される金融資産の譲渡から適用されます。また、2026年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首以後に実施される金融資産の譲渡から早期適用することもできます。電子記録債権の通常の譲渡に直接関係する改正ではありませんが、消滅の認識を判断する際の前提となる基準であるため、最新の内容を確認しておくことが望まれます。(参考:企業会計基準委員会 改正企業会計基準第10号 金融商品に関する会計基準等の公表)

電子記録債権の表示科目の設定、重要性の判断、保証記録に係る注記の範囲は、取引の実態や金額的重要性によって結論が変わり得ます。具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。公認会計士事務所プライムパートナーズ/株式会社プライムパートナーズコンサルティングでは、上場準備企業・中堅企業の会計処理と開示の整備を支援しています。

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まとめ

電子記録債権は、発生又は譲渡について電子記録を要件とする金銭債権であり、会計処理上は手形債権に準じて取り扱います。売掛金・買掛金など通常の営業取引に関連して発生した場合は「電子記録債権」「電子記録債務」等の科目で指名債権とは別に区分掲記し、貸付金・借入金に関連する場合は科目を振り替えず、営業取引以外の取引では営業外の科目を用います。重要性が乏しいときは手形債権等に含めて表示することができます。譲渡時は金融商品会計基準の消滅の認識要件を前提に帳簿価額と対価の差額を当期の損益として処理し、保証記録を行っている場合は受取手形の割引高又は裏書譲渡高と同様に財務諸表に注記します。表示科目の設計と保証記録の把握体制を整えることが、正確な会計処理と開示の第一歩となります。

参考文献

よくある質問

電子記録債権の会計処理は手形と同じですか。

会計処理上は、手形債権に準じて取り扱うことが適当とされています。電子記録債権は紙媒体ではなく電子記録により発生し譲渡され、分割が容易に行えるなど手形債権と異なる側面がありますが、手形債権の代替として機能することが想定されているためです。ただし、貸借対照表の表示科目は「電子記録債権」「電子記録債務」等として区分掲記します。

発生記録があった時点でどのような仕訳を行いますか。

売掛金に関連して電子記録債権を発生させた場合には、「(借)電子記録債権 /(貸)売掛金」として電子記録債権を示す科目に振り替えます。債務者側は「(借)買掛金 /(貸)電子記録債務」となります。一方、貸付金や借入金に関連して発生した場合は科目を振り替えないため、発生記録の時点では仕訳は生じません。

電子記録債権を割引いた場合の損失はどの科目で処理しますか。

金融資産の消滅の認識要件を充たしたうえで額面を下回る金額で譲渡した場合、帳簿価額とその対価としての受取額との差額を当期の損益として処理します。実務対応報告第27号の設例では、売掛金に関連して発生した電子記録債権を現金95と引換えに譲渡した場合、差額5を電子記録債権売却損として計上する処理が示されています。

電子記録債権に関する注記はどのような場合に必要ですか。

譲渡記録により電子記録債権を譲渡する際に、保証記録も行っている場合には、受取手形の割引高又は裏書譲渡高と同様に、財務諸表に注記を行います。保証記録を伴わない譲渡ではこの注記は求められないため、記録事項から保証記録の有無を把握できる体制が必要です。

実務対応報告第27号はいつから適用されていますか。

実務対応報告第27号は2009年(平成21年)4月9日に公表され、公表日以後適用することとされています。すでに適用済みの取扱いであり、公表後に改正は行われていません。

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。

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