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財務会計

未公開企業のストックオプション|本源的価値による会計処理

目次
  1. 未公開企業に認められる本源的価値による算定
  2. 「未公開企業」の範囲
  3. 単位当たりの本源的価値の定義と算定時点
  4. 本源的価値による費用計上額
  5. 費用計上額がゼロとなる仕組みと誤解
  6. 権利確定日以前の会計処理
  7. 権利確定日以後の会計処理
  8. 権利行使時の払込資本への振替
  9. 権利不行使による失効
  10. 本源的価値によった場合の開示
  11. 公開企業となった後の取扱い
  12. 適用時期と上場準備における実務上の留意点
  13. 自社株式の評価方法の選択
  14. まとめ
  15. 参考文献
  16. よくある質問

未公開企業については、ストック・オプションの公正な評価単価に代えて、ストック・オプションの単位当たりの本源的価値の見積りに基づいて会計処理を行うことができます(ストック・オプション等に関する会計基準 第13項)。ここでいう単位当たりの本源的価値とは、算定時点においてストック・オプションが権利行使されると仮定した場合の単位当たりの価値であり、その時点における原資産である自社の株式の評価額と行使価格との差額をいいます(同 第13項)。

この特例は、上場前のスタートアップがストック・オプションを設計するうえで避けて通れない論点です。付与日の自社株式の評価額と行使価格を同額に設定すれば本源的価値はゼロとなり、結果として費用がほとんど計上されない一方、自社株式の評価方法や注記については別途の対応が求められます。この記事では、適用できる会社の範囲、本源的価値の算定、権利確定日以前と以後の会計処理、権利不行使による失効、開示、そして公開企業となった後の取扱いまでを、企業会計基準第8号と企業会計基準適用指針第11号の条項番号を示しながら整理します。

未公開企業に認められる本源的価値による算定

ストック・オプションの原則的な会計処理では、付与日における公正な評価単価にストック・オプション数を乗じて公正な評価額を算定し、対象勤務期間を基礎とする方法その他の合理的な方法に基づいて各会計期間の費用計上額を求めます(ストック・オプション等に関する会計基準 第5項、第6項(1))。公正な評価単価は市場価格を観察できないため、ブラック・ショールズ式や二項モデルなどの株式オプション価格算定モデルを用いて見積ることになります(同 第6項(2)、第48項)。

ところが未公開企業では、自社の株価を参照できないため、損益計算に反映させるに足りるだけの信頼性をもって公正な評価額を見積ることが困難な場合が多いと考えられています(同 第60項)。そこで、未公開企業では一般投資家がいないことも考慮し、公正な評価単価に代えて単位当たりの本源的価値の見積りによることが認められました(同 第60項、第13項)。

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「未公開企業」の範囲

会計基準にいう「公開企業」とは、株式を証券取引所に上場している企業、またはその株式が組織された店頭市場に登録されている企業をいい、「未公開企業」とはそれ以外の企業をいいます(ストック・オプション等に関する会計基準 第2項(14))。ここでいう証券取引所および店頭市場には海外の証券取引所および店頭市場が含まれ、組織された店頭市場とは株価を公表するシステムが存在する店頭市場を指します(同 第2項(14))。

判定は企業ごとに行われるため、公開企業の企業集団内にある未公開の子会社であっても、単位当たりの本源的価値による算定を選択できます(同 第63項)。上場会社の非上場子会社が自社株式を原資産とするストック・オプションを付与する場合に関係する取扱いです。

公開企業 株式を証券取引所に上場している企業、または組織された店頭市場に登録されている企業(海外の市場を含みます)
未公開企業 公開企業以外の企業。公開企業の企業集団内にある未公開の子会社も含まれます
選択できる算定方法 公正な評価単価による方法と、単位当たりの本源的価値による方法のいずれも認められます

本源的価値による算定は義務ではありません。適用指針では、未公開株式の価値やストック・オプション価値の算定技法の進化も想定し、企業の置かれた状況と用いる算定技法によっては十分な信頼性をもって公正な評価単価を見積る可能性もあることから、両方の方法をともに認めることが適当と整理されています(ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針 第59項)。

単位当たりの本源的価値の定義と算定時点

単位当たりの本源的価値は、算定時点においてストック・オプションが権利行使されると仮定した場合の単位当たりの価値であり、当該時点における原資産である自社の株式の評価額と行使価格との差額として算定されます(ストック・オプション等に関する会計基準 第13項)。行使価格とは、権利行使にあたり払い込むべきものとして定められたストック・オプションの単位当たりの金額です(同 第2項(5))。

単位当たりの本源的価値 = 自社の株式の評価額 − 行使価格

本源的価値による算定を選択した場合、会計基準の他の項にある「公正な評価単価」を「単位当たりの本源的価値」と読み替えて適用します(同 第13項)。この結果、公正な評価単価の算定について定めた第6項(1)の適用に関しては、付与日現在で単位当たりの本源的価値を見積り、条件変更の場合を除いてその後は見直さないことになります(同 第13項、第6項(1))。

権利行使日における本源的価値に基づいて費用を計上する方法も検討されましたが、付与日以後の予期せざる株価変動の影響まで含めて付与日の価値の代理数値とみなせるかについて評価が分かれたため、損益計算上は付与日における価値によることとされました(同 第62項、第63項)。その代わりに、後述する注記による開示が求められています(同 第63項)。

本源的価値による費用計上額

ストック・オプションを付与し、これに応じて企業が従業員等から取得するサービスは、その取得に応じて費用として計上し、対応する金額を、権利の行使または失効が確定するまでの間、貸借対照表の純資産の部に新株予約権として計上します(ストック・オプション等に関する会計基準 第4項)。各会計期間における費用計上額は、公正な評価額のうち、対象勤務期間を基礎とする方法その他の合理的な方法に基づき当期に発生したと認められる額です(同 第5項)。

ストック・オプションの公正な評価額 = 単位当たりの本源的価値 × ストック・オプション数

ストック・オプション数は、付与された数から権利不確定による失効の見積数を控除して算定します(同 第7項(1))。付与日から権利確定日の直前までに失効の見積数に重要な変動が生じた場合には数を見直し、権利確定日には権利の確定した数と一致させます(同 第7項(2)、第7項(3))。対象勤務期間は付与日から権利確定日までの期間であり、権利確定日が明らかでない場合には、原則として権利行使期間の開始日の前日を権利確定日とみなします(同 第2項(9)、第2項(7))。

費用計上額がゼロとなる仕組みと誤解

本源的価値によった場合には、原資産である自社の株式の評価額が行使価格を上回る状態で付与された場合を除き、ストック・オプションの価値がゼロとなる結果、事実上費用が計上されないこととなります(ストック・オプション等に関する会計基準 第61項)。行使価格を付与日の自社株式の評価額と同額かそれ以上に設定する実務が広く見られるのは、この構造によるものです。

ただし、費用がゼロになることと、会計上の対応が不要になることは別です。実務で誤解が生じやすい点を整理すると次のとおりです。

自社株式の評価は必要 本源的価値は自社の株式の評価額と行使価格の差額であるため、評価額を算定しなければ本源的価値がゼロであることを説明できません(会計基準 第13項)
注記は免除されない 本源的価値による算定を行う場合には、各期末における本源的価値の合計額等の注記が必要です(会計基準 第16項(5))
評価方法も開示対象 価値算定の基礎となる自社の株式の評価方法についても注記します(適用指針 第31項)
見直しは行わない 付与日後に株価が上昇しても、損益計算上の費用計上額は付与日の本源的価値に基づいたままです(会計基準 第13項、第6項(1))

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権利確定日以前の会計処理

単位当たりの本源的価値がプラスとなる場合には、原則的な処理と同じ流れで費用計上が行われます。次の作例は、未公開企業が付与したストック・オプションについて、付与日の自社株式の評価額が1株700円、行使価格が1株600円、権利不確定による失効の見積数を控除した後のストック・オプション数が10,000個(1個につき1株)、対象勤務期間が24か月であるケースです。単位当たりの本源的価値は100円、公正な評価額は1,000千円となり、付与から12か月が経過した期の費用計上額は500千円です(ストック・オプション等に関する会計基準 第4項、第5項、第13項。単位:千円)。

(700円 − 600円) × 10,000個 = 1,000,000円
1,000,000円 × 12か月 ÷ 24か月 = 500,000円
借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
株式報酬費用 500 新株予約権 500

行使価格が付与日の自社株式の評価額と同額であれば単位当たりの本源的価値はゼロとなり、公正な評価額もゼロとなるため、この仕訳自体が生じません。上場準備の局面では、この差額がゼロであることを裏付ける自社株式の評価資料の整備が実質的な作業になります。

権利確定日以後の会計処理

権利行使時の払込資本への振替

ストック・オプションが権利行使され、これに対して新株を発行した場合には、新株予約権として計上した額のうち、当該権利行使に対応する部分を払込資本に振り替えます(ストック・オプション等に関する会計基準 第8項)。払込資本のうち資本金と資本準備金への配分は会社法の定めに従います。なお、新株予約権の行使に伴い自己株式を処分した場合には、自己株式の取得原価と、新株予約権の帳簿価額および権利行使に伴う払込金額の合計額との差額が自己株式処分差額となります(同 第8項)。

先の作例で、権利確定数10,000個のうち6,000個が権利行使され、企業が新株を発行し、払込金額の2分の1を資本金、残額を資本準備金としたとします。払込金額は600円×6,000株=3,600千円、振り替える新株予約権は100円×6,000個=600千円です(同 第8項。単位:千円)。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
現金預金 3,600 資本金 2,100
新株予約権 600 資本準備金 2,100

権利不行使による失効

権利不行使による失効が生じた場合には、新株予約権として計上した額のうち、当該失効に対応する部分を利益として計上します。この会計処理は、当該失効が確定した期に行います(ストック・オプション等に関する会計基準 第9項)。権利が確定した後に権利行使されないまま失効しても、これと引換えに提供されたサービスが既に消費されている以上、過去における費用の認識自体は否定されないという考え方に基づくものです(同 第46項)。

この利益は、原則として特別利益に計上し、「新株予約権戻入益」等の科目名称を用いることが適当と考えられています(同 第47項)。先の作例で、残る4,000個が権利行使期間中に行使されないまま失効した場合の仕訳は次のとおりです(同 第9項、第47項。単位:千円)。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
新株予約権 400 新株予約権戻入益 400

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本源的価値によった場合の開示

単位当たりの本源的価値による算定を行う場合には、通常のストック・オプションの注記に加えて、次の2つの合計額を注記します(ストック・オプション等に関する会計基準 第16項(5))。損益計算上は付与日の価値で固定される一方、付与日以後の本源的価値の動きは注記で開示するという整理です(同 第63項)。

各期末における合計額 当該ストック・オプションの各会計期間の末日における本源的価値の合計額
権利行使分の合計額 各会計期間中に権利行使されたストック・オプションの権利行使日における本源的価値の合計額

このうち権利行使日における本源的価値の合計額の計算は、月中の平均株価を基礎として算定する等の簡便で合理的な算定方法によることができます(ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針 第32項)。また、未公開企業においてストック・オプションを付与している場合には、公正な評価単価の見積方法として、その価値算定の基礎となる自社の株式の評価方法についても注記します(同 第31項)。

このほか、会計基準を適用したことによる財務諸表への影響額として、当該会計期間に計上した費用の額とその科目名称、および権利不行使による失効が生じた場合に利益として計上した額を注記します(同 第24項)。ストック・オプションの内容、規模および変動状況の注記では、株式の公開前に付与したストック・オプションと公開後に付与したストック・オプションを集約して記載することはできない点にも注意が必要です(同 第27項)。

公開企業となった後の取扱い

本源的価値による算定が認められるのは未公開企業に限られます(ストック・オプション等に関する会計基準 第63項)。公開後の企業については、公開後の日は浅くとも自社の株価を参照できること、一般投資家のいない未公開企業と同列に考えられないこと、公開直後の企業に認めるとしてもその範囲を一律に画することが困難であることなどが理由として挙げられています(同 第63項)。したがって、公開企業となった後に新たに付与するストック・オプションは、公正な評価単価によって算定することになります。

一方、未公開企業であった時期に付与したストック・オプションについては、単位当たりの本源的価値を付与日現在で見積り、その後は見直さないため、公開企業となった後も付与日の本源的価値に基づく費用計上を継続します(同 第13項、第6項(1))。上場したことを理由に過去分をさかのぼって公正な評価単価で計算し直すことはありません。

ただし、条件変更を行う場合には比較の基準が変わります。会計基準の適用開始前に付与したストック・オプションの条件を適用開始後に変更した場合、条件変更時にも未公開企業であれば、企業の選択に従い、単位当たりの本源的価値または公正な評価単価に基づいて付与日と条件変更日の単価を比較します(ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針 第21項(1))。これに対して、条件変更時に公開企業となっている場合には、付与日における単位当たりの本源的価値または公正な評価単価と、条件変更日における公正な評価単価とを比較します(同 第21項(2))。

適用時期と上場準備における実務上の留意点

企業会計基準第8号および企業会計基準適用指針第11号は平成17年(2005年)12月27日に公表され、会社法の施行日以後に付与されるストック・オプション、自社株式オプションおよび交付される自社の株式について適用されています(ストック・オプション等に関する会計基準 第17項)。適用の可否に関する法的な不明確さを回避するため、早期適用は行わないこととされました(同 第70項)。適用指針は平成18年(2006年)5月31日に改正されており、会社法の施行日より前に付与されたストック・オプションについてまで付与日における公正な評価単価の注記を求めるものではないことが明確化されています。

自社株式の評価方法の選択

適用指針では、未公開企業における自社の株式価値の評価方法をあらかじめ定めることは必ずしも適切ではないとしたうえで、純資産法、キャッシュ・フロー法、配当還元法、取引事例比準法等が実務上用いられていることを示しています(ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針 第60項)。もっとも、ここで利用すべき評価方法は、当該株式を第三者に新規に発行する場合の価格を決定する際に用いられるような合理的な評価方法である必要があるとされています(同 第60項)。直近の第三者割当増資の払込価額と大きく乖離した評価額を用いていると、監査手続のなかで説明を求められる典型的な論点です。

評価方法の継続適用については、企業価値の実態を最もよく表し得る評価方法は企業の発展段階に応じて異なり得ることから、その開示を条件に、それぞれの評価時点において企業価値を最もよく表し得ると考えられる方法を採用すればよいと整理されています(同 第61項)。純資産法から取引事例比準法へ変更すること自体が直ちに否定されるわけではありませんが、変更の理由を説明できる状態にしておくことが前提になります。実務では、上場申請の準備段階になってから過年度の付与分の評価根拠を再構築しようとして苦労するケースが少なくありません。付与のつど評価資料と取締役会・株主総会の決議内容を対応づけて保存しておくことが、結果として最も負担の軽い進め方です。

まとめ

未公開企業は、ストック・オプションの公正な評価単価に代えて、単位当たりの本源的価値の見積りに基づく会計処理を選択できます(ストック・オプション等に関する会計基準 第13項)。単位当たりの本源的価値は、算定時点における自社の株式の評価額と行使価格との差額であり、付与日現在で見積ったうえで、条件変更の場合を除きその後は見直しません(同 第13項、第6項(1))。行使価格を付与日の自社株式の評価額以上に設定すれば本源的価値はゼロとなり、事実上費用が計上されない結果となります(同 第61項)。

費用が計上されない場合でも、開示の負担が消えるわけではありません。各期末における本源的価値の合計額と、各会計期間中に権利行使されたストック・オプションの権利行使日における本源的価値の合計額を注記し(同 第16項(5))、あわせて価値算定の基礎となる自社の株式の評価方法も注記します(ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針 第31項)。本源的価値による算定が認められるのは未公開企業に限られるため、公開企業となった後に新たに付与するものは公正な評価単価によることになります(会計基準 第63項)。

自社株式の評価は、資本政策・税務・会計のいずれにも影響する論点であり、上場申請の過程で必ず検証の対象になります。具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。

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参考文献

よくある質問

未公開企業は必ず本源的価値で会計処理しなければならないのですか。
いいえ。会計基準は、未公開企業について公正な評価単価に代えて単位当たりの本源的価値の見積りに基づいて会計処理を行うことが「できる」と定めており、選択が認められています(ストック・オプション等に関する会計基準 第13項)。適用指針でも、企業の置かれた状況と用いる算定技法によっては十分な信頼性をもって公正な評価単価を見積る可能性があるとして、公正な評価単価による方法と本源的価値による方法をともに認めることが適当と整理されています(ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針 第59項)。

行使価格を自社株式の評価額と同額にすれば費用は計上されないのですか。
本源的価値によった場合、自社の株式の評価額が行使価格を上回る状態で付与された場合を除き、ストック・オプションの価値がゼロとなる結果、事実上費用が計上されないこととなります(ストック・オプション等に関する会計基準 第61項)。ただし、本源的価値がゼロであることを示すには自社の株式の評価額そのものの算定が必要であり、その評価方法は注記の対象になります(ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針 第31項)。費用がゼロであることと開示が不要であることは別の問題です。

上場した後、未公開の時期に付与したストック・オプションの費用計上は変わりますか。
変わりません。単位当たりの本源的価値は付与日現在で見積り、条件変更の場合を除きその後は見直さないため、公開企業となった後も付与日の本源的価値に基づく処理を継続します(ストック・オプション等に関する会計基準 第13項、第6項(1))。一方、本源的価値による算定が認められるのは未公開企業に限られるため、公開後に新たに付与するストック・オプションは公正な評価単価によって算定します(同 第63項)。

本源的価値によった場合、どのような注記が必要ですか。
当該ストック・オプションの各期末における本源的価値の合計額と、各会計期間中に権利行使されたストック・オプションの権利行使日における本源的価値の合計額を注記します(ストック・オプション等に関する会計基準 第16項(5))。後者の計算は、月中の平均株価を基礎として算定する等の簡便で合理的な算定方法によることができます(ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針 第32項)。加えて、価値算定の基礎となる自社の株式の評価方法も注記します(同 第31項)。

権利行使されないまま失効した場合はどう処理しますか。
権利不行使による失効が生じた場合には、新株予約権として計上した額のうち当該失効に対応する部分を利益として計上し、この処理は失効が確定した期に行います(ストック・オプション等に関する会計基準 第9項)。この利益は原則として特別利益に計上し、「新株予約権戻入益」等の科目名称を用いることが適当と考えられています(同 第47項)。過去に計上した費用を取り消すのではなく、失効時に利益を計上する点が特徴です。

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。

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