外貨預金の期末換算【仕訳例】決算時レートと税務の換算方法
目次
- 会計上の外貨預金の換算ルール
- 決算時の為替相場と平均相場の例外
- 短期・長期で換算方法を分けない
- 為替差損益の表示区分
- 期末換算の仕訳例
- 税務上の期末時換算法と発生時換算法
- 届出がない場合の法定換算方法
- 選定の届出と変更の承認申請
- 税務で使う為替相場
- 為替相場が著しく変動した場合の特例
- 会計と税務の差が生じるかの判定表
- 別表四の調整と税効果の仕訳例
- 発生時換算法を選んだ場合の申告調整
- 繰延税金負債の計上
- 払戻し・別通貨への振替時の為替差損益
- 満期払戻し時の仕訳と申告調整の解消
- 別通貨の預金へ振り替える場合
- 決算前の確認ポイント
- まとめ
- 参考文献
- よくある質問
- 決算日の換算にはTTMとTTBのどちらを使いますか。
- 会計で期末換算し、税務は発生時換算法の場合、別表四はどう調整しますか。
- 短期と長期の外貨預金はどのように区分しますか。
- 外貨預金の引出しや別通貨への振替で生じた差額はどう処理しますか。
- 外貨預金の換算方法を届け出ていない場合はどうなりますか。
外貨預金は、決算時の為替相場で円換算し直し、帳簿価額との差額を当期の為替差損益として計上します。満期までの期間が1年以内か1年超かで会計処理が変わることはありません(外貨建取引等会計処理基準 一2(1)②、一2(2)、外貨建取引等会計処理基準の改訂に関する意見書 三2)。
一方、法人税では外貨預金の期末換算に期末時換算法と発生時換算法の2つがあり、届出をしていなければ、満期日までが1年以内の短期の外貨預金は期末時換算法、それ以外は発生時換算法で換算します。会計と税務で方法がずれると、別表四での申告調整と税効果の仕訳が必要になります。本記事では、会計と税務の組み合わせごとに調整の要否を表で整理し、自社で作成した数値例で期末・払戻し時の仕訳まで確認します。
会計上の外貨預金の換算ルール
外貨預金の会計処理は、外貨建取引等会計処理基準(以下「外貨基準」)と、その実務上の取扱いを定めた移管指針第2号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」(以下「外貨実務指針」)に従います。外貨基準は1999年10月22日の改訂後の内容で、2000年4月1日以後開始する事業年度から適用されています(外貨建取引等会計処理基準の改訂に関する意見書 四1)。外貨実務指針は日本公認会計士協会の会計制度委員会報告第4号として公表され、関連基準に合わせた改正が重ねられてきました。同協会での最後の改正は2022年の法人税等会計基準等への対応で、2024年7月1日に企業会計基準委員会の移管指針として公表され、公表日以後適用されています(外貨実務指針 第1項、第1-7項、第47-15項)。移管後も、2024年11月の年次改善プロジェクトによる修正と、2026年10月の企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」の改正に伴う修正が反映されていますが、本記事で引用している項の内容は変わっていません。
外貨基準は、決算時に決算時の為替相場で換算する外貨建金銭債権債務に外貨預金が含まれると明記しています(外貨建取引等会計処理基準 一2(1)②)。預入時に預入時の為替相場で記録した円貨額を、期末ごとに決算時の為替相場で付け替え、その換算差額を原則として当期の為替差損益とします(外貨建取引等会計処理基準 一1、一2(2))。なお、手元に持っている外国通貨(外貨の現金)も、決算時の為替相場で換算します(外貨建取引等会計処理基準 一2(1)①)。
関連コラム外貨建取引の会計処理|為替換算と在外子会社の換算実務▸
決算時の為替相場と平均相場の例外
決算時の直物為替相場には、決算日の直物為替相場のほか、決算日の前後一定期間の直物為替相場に基づく平均相場も使えます(外貨建取引等会計処理基準 注解(注8))。ただし、平均相場はいつでも選べるわけではありません。決算日前後の相場の動きからみて、決算日の直物為替相場が異常と認められる場合に限り使えます。平均を取る期間は決算日を含むおおむね1か月以内で、使った場合は決算日の直物為替相場と、実際に使った平均相場の両方を注記します(外貨実務指針 第11項)。
外貨基準は「決算時の直物為替相場」と定めるだけで、銀行が公表する仲値(TTM)と買相場(TTB)のどちらを使うかまでは決めていません。税務の取扱い(後述)との整合も考えて、自社の方針として決め、毎期同じ方法で換算するのが実務の基本です。
短期・長期で換算方法を分けない
1999年の改訂前は、外貨建金銭債権債務を短期と長期に分けて換算していました。改訂後の外貨基準は、短期・長期の区分をせずにすべて決算時の為替相場で換算し、換算差額は原則として当期の損益とする考え方を採っています(外貨建取引等会計処理基準の改訂に関する意見書 三2)。2年満期の定期預金でも、普通預金と同じく毎期末に決算時の為替相場で換算し直します。満期までの期間で換算方法が分かれるのは税務のほうで、ここが会計と税務の差が生まれる出発点です。
為替差損益の表示区分
決算時の換算で生じた換算差損益と、払戻しなどの決済で生じた決済差損益は、どちらも為替差損益として処理します。損益計算書では、差益と差損を相殺した純額で営業外損益に表示します。ただし、経常取引以外の取引から生じて金額に重要性がある場合や、特殊な要因で一事業年度に異常かつ多額に発生した場合は、特別損益に表示します(外貨実務指針 第28項)。
期末換算の仕訳例
ここからは、次の設例で仕訳を確認します(単位:円、預金利息は考慮しません)。3月決算の会社が、X1年10月1日に円預金から14,500,000円を振り替え、100,000ドルの1年定期預金(満期X2年9月30日)に預け入れました。預入時の為替相場は1ドル=145円、X2年3月31日(決算日)の為替相場は1ドル=150円です。
決算時の為替相場による円換算額と帳簿価額との差額500,000円を、当期の為替差損益として計上します(外貨建取引等会計処理基準 一2(1)②、一2(2))。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 外貨預金 | 500,000 | 為替差損益 | 500,000 |
円高で決算時の為替相場が預入時を下回れば、借方が為替差損益、貸方が外貨預金となるだけで、考え方は同じです。複数の通貨や口座で差益と差損が混在する場合も、損益計算書には純額で表示します(外貨実務指針 第28項)。
税務上の期末時換算法と発生時換算法
法人税法では、事業年度終了の時に有する外貨預金の円換算額を、発生時換算法または期末時換算法のうち法人が選んだ方法で計算します(法人税法 第61条の9第1項第3号)。発生時換算法は、預入れのときに使った為替相場のまま期末の円換算額とする方法、期末時換算法は、期末時の為替相場で換算し直す方法です(法人税法 第61条の9第1項第1号イ、ロ)。期末時換算法による為替換算差額は、その事業年度の益金の額または損金の額に算入します(法人税法 第61条の9第2項)。
なお、外国通貨(外貨の現金)は期末時換算法しか認められておらず、選択の余地はありません(法人税法 第61条の9第1項第4号)。
届出がない場合の法定換算方法
換算方法は、外国通貨の種類ごとに、外貨預金を満期日で2つに分けた区分ごとに選びます。満期日が事業年度終了の日の翌日から1年を経過した日の前日までに到来するもの(以下「短期外貨預金」)と、それ以外のもの(以下「長期外貨預金」)です(法人税法施行令 第122条の4第5号、第6号)。二以上の事業所がある法人は、事業所ごとに選ぶこともできます(法人税法施行令 第122条の4)。
方法を選ばなかった場合の法定換算方法は、短期外貨預金が期末時換算法、長期外貨預金が発生時換算法です(法人税法施行令 第122条の7)。会計は満期にかかわらず期末換算するため、届出をしていない会社が2年満期などの長期外貨預金を持っていると、それだけで会計と税務の換算額がずれます。満期日の定めがない外貨普通預金をどちらの区分で扱うかは、届出の前に顧問税理士と確認しておくと安全です。
選定の届出と変更の承認申請
法定換算方法以外を選ぶ場合は、その外貨預金を取得した事業年度について、確定申告書の提出期限(仮決算による中間申告書を出す場合はその提出期限)までに、所轄税務署長へ書面で届け出ます。前の事業年度に同じ通貨・同じ区分の外貨建資産等について届出をすべき場合は、改めて届け出る必要はありません(法人税法施行令 第122条の5)。いったん届け出た方法は、その区分の外貨預金をいったん持たなくなっても効力が続きます(法人税基本通達 13の2−2−14)。
方法を変えるには、新しい方法を採用する事業年度開始の日の前日までに変更承認申請書を提出し、承認を受けなければなりません(法人税法施行令 第122条の6第1項、第2項)。現在の方法を採用してから3年を経過していないときは、特別な理由がない限り、相当期間を経過していないものとして却下の対象になります(法人税法施行令 第122条の6第3項、法人税基本通達 13の2−2−15)。
税務で使う為替相場
期末時換算法で使う為替相場は、事業年度終了の日の電信売買相場の仲値(TTM)が原則です。継続適用を条件に、通貨の種類ごとに外貨建ての資産のすべてを電信買相場(TTB)で換算することもできます。事業年度終了の日を含む1か月以内の一定期間の平均値を継続して使うことや、期末日の相場が異常に変動している場合に平均値を使うことも認められています(法人税基本通達 13の2−2−5)。
発生時換算法の基礎となる預入時の円換算も、取引日のTTMが原則です(法人税基本通達 13の2−1−2)。円を払って外国通貨を買い、ただちに外貨預金に預け入れた場合は、実際に支払った円貨の額をその円換算額とすることもできます(法人税基本通達 13の2−1−2(注)4)。
為替相場が著しく変動した場合の特例
発生時換算法を選んでいても、期末に有する外貨預金に係る為替相場が著しく変動した場合は、その外貨預金の預入れを期末に行ったものとみなして換算し直すことができます。対象は、同じ通貨で相場が著しく変動したもののすべてです(法人税法施行令 第122条の3第1項)。「著しく変動した場合」に当たるかは、通達に示された算式で個々の外貨預金ごとに割合を計算し、おおむね15%以上となるかで判定します(法人税基本通達 13の2−2−10)。
会計と税務の差が生じるかの判定表
会計では外貨預金を常に決算時の為替相場で換算するので、申告調整が要るかどうかは、税務でどの方法を採っているかだけで決まります。区分と届出の状況ごとに整理すると、次のとおりです。
| 短期外貨預金 (届出なし) |
法定の期末時換算法となり、会計と同じ換算額になるため申告調整は不要 |
|---|---|
| 短期外貨預金 (発生時換算法を届出) |
税務は預入時の相場のままとなり、会計の換算差額を別表四で調整し、税効果を認識する |
| 長期外貨預金 (届出なし) |
法定の発生時換算法となり、会計の換算差額を別表四で調整し、税効果を認識する |
| 長期外貨預金 (期末時換算法を届出) |
会計と同じ換算額になるため申告調整は不要 |
| 外国通貨(外貨の現金) | 税務も期末時換算法のみで、会計と一致するため申告調整は不要 |
(法人税法 第61条の9第1項第3号、第4号、法人税法施行令 第122条の4第5号、第6号、第122条の7)
実務で見落としが多いのは3行目です。長期の外貨定期預金を新たに組んだ年に届出を検討しないまま決算を迎えると、会計で計上した為替差損益が税務上は益金・損金にならず、申告調整の漏れにつながります。反対に、評価益に課税されるのを避けたい場合には、短期外貨預金について発生時換算法を届け出る選択肢もあります。どちらを選んでも、預金を払い戻すまでの通算の所得は変わらず、変わるのは課税のタイミングです。
関連コラム外貨建有価証券の換算【仕訳例】保有目的別の為替相場と換算差額▸
別表四の調整と税効果の仕訳例
発生時換算法を選んだ場合の申告調整
先ほどの設例の会社が、米ドルの短期外貨預金について発生時換算法を届け出ていたとします。税務上の期末の円換算額は預入時の14,500,000円のままなので、会計で計上した為替差益500,000円は、税務上の益金になりません(法人税法 第61条の9第1項第1号イ、第3号)。
この500,000円は、別表四で所得金額から減算(留保)し、別表五(一)に外貨預金の税務上の帳簿価額との差としてマイナス500,000円を記載して翌期へ繰り越します。払い戻した事業年度に、この差額を逆方向に調整して解消します(後述)。
繰延税金負債の計上
会計上の外貨預金15,000,000円と課税所得計算上の外貨預金14,500,000円との差額500,000円は一時差異です(税効果会計に係る会計基準の適用指針 第4項(3))。払い戻した期に課税所得を増やす効果を持つので将来加算一時差異に当たり、原則として繰延税金負債を計上し、相手勘定は法人税等調整額とします(税効果会計に係る会計基準の適用指針 第4項(4)②、第8項(2)、第9項)。法定実効税率を30%と仮定すると、仕訳は次のとおりです(単位:円)。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 法人税等調整額 | 150,000 | 繰延税金負債 | 150,000 |
円高で会計上の換算差損が出た場合は、将来減算一時差異となり繰延税金資産を計上します。この場合は、回収可能性を判断したうえで計上額を決めます(税効果会計に係る会計基準の適用指針 第4項(4)①、第8項(1))。
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払戻し・別通貨への振替時の為替差損益
満期払戻し時の仕訳と申告調整の解消
外貨預金の払戻しは外貨建金銭債権の決済に当たり、決済に伴って生じた損益は原則として当期の為替差損益として処理します。外国通貨を円に替える円転換もこれに含まれます(外貨建取引等会計処理基準 一3)。設例の続きとして、X2年9月30日の満期に100,000ドルを払い戻し、1ドル=148円で円転して円預金に入金したとします(単位:円)。
会計では前期末の帳簿価額15,000,000円との差200,000円が為替差損になり、あわせて前期に計上した繰延税金負債を取り崩します。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 14,800,000 | 外貨預金 | 15,000,000 |
| 為替差損益 | 200,000 | ||
| 繰延税金負債 | 150,000 | 法人税等調整額 | 150,000 |
税務では預入時の14,500,000円が帳簿価額なので、300,000円の益金となります。会計の差損200,000円との差500,000円を別表四で加算(留保)し、前期に別表五(一)へ繰り越したマイナス500,000円を解消します。2期を通算すると、会計の為替差損益は差益500,000円と差損200,000円の差引300,000円で、税務の300,000円と一致します。
別通貨の預金へ振り替える場合
米ドル預金を払い戻してユーロ預金に預け替えるときも、米ドル預金はその時点で決済されたものとして扱い、帳簿価額と振替時の為替相場による円換算額との差額を為替差損益とします(外貨建取引等会計処理基準 一3)。新しいユーロ預金は、振替時の為替相場による円換算額で記録し直し、次の決算で改めて換算します(外貨建取引等会計処理基準 一1、一2(1)②)。
外貨預金の受取外貨を円に戻さず外貨建ての固定資産の取得などに再投資する場合に、換算差額を繰り延べて取得価額に加減できる取扱いがあります。ただし、取得の当初から再投資の計画が正式な文書で明確であり、かつ同じ通貨同士の取引であることが条件です(外貨実務指針 第24項)。別の通貨への振替や、当初に計画していなかった振替では換算差額を繰り延べられず、いったん円転したものとして差額をその時点で為替差損益とします(外貨実務指針 第67項)。
決算前の確認ポイント
外貨預金を持つ会社は、決算前に次の点を順に確かめると、換算と申告調整の漏れを防ぎやすくなります。
- 口座一覧の作成:通貨・満期日・預入時の円貨額を口座ごとに一覧にし、短期外貨預金と長期外貨預金に振り分ける
- 届出の確認:通貨・区分ごとに、届け出た換算方法と法定換算方法のどちらが適用されるかを確認する
- 使う為替相場:会計と税務で、TTMかTTBか、平均相場を使うかの方針が過年度と同じか確認する
- 申告調整と税効果:発生時換算法が適用される預金について、別表四・別表五(一)の調整と繰延税金資産・負債を計上しているか
- 期中の払戻し・振替:前期から繰り越した申告調整の差額を、払戻しの期に解消しているか
まとめ
外貨預金は、会計では満期の長短にかかわらず決算時の為替相場で換算し、換算差額を為替差損益として純額で営業外損益に表示します。税務では短期外貨預金が期末時換算法、長期外貨預金が発生時換算法を法定換算方法とし、届出によって選び直すことができます。税務が発生時換算法になる預金では、別表四で換算差額を調整し、税効果会計で繰延税金資産・負債を計上します。払戻しの期にはその差額を逆方向に戻すところまでを1セットとして管理するのが確実です。
実際には、通貨や口座の数、満期日の定め、為替予約の有無などで処理が分かれます。具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。
お問い合わせはこちら参考文献
- 企業会計基準委員会 企業会計審議会 外貨建取引等会計処理基準
- 企業会計基準委員会 移管指針第2号 外貨建取引等の会計処理に関する実務指針
- 企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第28号 税効果会計に係る会計基準の適用指針
- e-Gov法令検索 法人税法
- e-Gov法令検索 法人税法施行令
- 国税庁 法人税基本通達 第13章の2 第1節 外貨建取引に係る会計処理等
- 国税庁 法人税基本通達 第13章の2 第2節 外貨建資産等の換算等
よくある質問
決算日の換算にはTTMとTTBのどちらを使いますか。
会計上は「決算時の直物為替相場」で換算し、外貨基準はTTMとTTBのどちらを使うかまでは定めていません(外貨建取引等会計処理基準 一2(1)②、注解(注8))。税務の期末時換算法は事業年度終了の日のTTMが原則で、継続適用を条件に、通貨ごとに外貨建ての資産すべてをTTBで換算することもできます(法人税基本通達 13の2−2−5)。会計と税務で同じ相場を使えば、相場の違いによる申告調整は生じません。
会計で期末換算し、税務は発生時換算法の場合、別表四はどう調整しますか。
期末に会計で計上した換算差益は別表四で減算、換算差損は加算し、いずれも留保として別表五(一)で翌期へ繰り越します。税務上は預入時の為替相場のまま換算するためです(法人税法 第61条の9第1項第1号イ)。払い戻した期には逆方向に調整して差額を解消し、あわせて税効果会計で繰延税金負債または繰延税金資産を計上・取り崩します(税効果会計に係る会計基準の適用指針 第8項)。
短期と長期の外貨預金はどのように区分しますか。
税務上は、満期日が事業年度終了の日の翌日から1年を経過した日の前日までに到来するものを短期、それ以外を長期として、通貨の種類ごとに換算方法を選びます(法人税法施行令 第122条の4第5号、第6号)。会計上は短期・長期を区別せず、いずれも決算時の為替相場で換算します(外貨建取引等会計処理基準 一2(1)②)。
外貨預金の引出しや別通貨への振替で生じた差額はどう処理しますか。
払戻しや円転換は外貨建金銭債権の決済に当たり、帳簿価額との差額を当期の為替差損益として処理します(外貨建取引等会計処理基準 一3)。別通貨の預金に振り替える場合も、元の預金を決済したものとして差額を為替差損益とし、新しい預金は振替時の為替相場で記録します。損益計算書では換算差損益と合わせ、純額で営業外損益に表示します(外貨実務指針 第28項)。
外貨預金の換算方法を届け出ていない場合はどうなりますか。
法定換算方法が適用され、短期外貨預金は期末時換算法、長期外貨預金は発生時換算法で換算します(法人税法施行令 第122条の7)。法定以外の方法を選ぶには、その外貨預金を取得した事業年度の確定申告書の提出期限までに届出が必要です(法人税法施行令 第122条の5)。すでに選んだ方法を変えるには、新しい方法を採用する事業年度開始の日の前日までに変更承認申請書を提出します(法人税法施行令 第122条の6第2項)。
本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。


