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財務会計

リース期間の判定|延長・解約オプションと新リース会計基準

目次
  1. リース期間の判定の全体像
  2. 借手のリース期間の3つの構成要素
  3. 解約権の所在による解約不能期間の違い
  4. リース開始日と判定の基準時点
  5. 行使することが合理的に確実かの判断
  6. 経済的インセンティブを生じさせる要因
  7. 判定でつまずきやすい論点
  8. リース期間の判定が当初測定に与える影響
  9. 延長オプションの行使が合理的に確実とはいえない場合
  10. 延長オプションの行使が合理的に確実である場合
  11. リース期間の見直しが必要となる事象
  12. 重要な事象または重要な状況の発生
  13. 解約不能期間に変更が生じた場合
  14. 見直し時の会計処理
  15. 短期リース・少額リースとの関係
  16. 適用時期と適用初年度の実務
  17. まとめ
  18. 参考文献
  19. よくある質問
  20. リース期間はいつの時点で判定しますか。
  21. 延長する可能性が高いというだけで、延長オプションの対象期間をリース期間に含めますか。
  22. 貸手だけが中途解約できる契約の期間は、どのように扱いますか。
  23. いったん決めたリース期間を見直す必要があるのは、どのような場合ですか。
  24. 短期リースの12か月は、契約期間で判定するのですか。
  25. 新リース会計基準はいつから適用されますか。

リース期間の判定の全体像

新リース会計基準における借手のリース期間は、解約不能期間を起点に、オプションの対象期間を加えて決定します。具体的には、借手が原資産を使用する権利を有する解約不能期間に、借手が行使することが合理的に確実である延長オプションの対象期間と、借手が行使しないことが合理的に確実である解約オプションの対象期間の両方を加えた期間がリース期間です(リースに関する会計基準 第15項、第31項)。契約書に書かれた年数がそのままリース期間になるとは限らない点が、実務でつまずきやすいところです。

借手のリース期間は、使用権資産とリース負債の当初測定額に直接影響します。判定を1年誤れば、貸借対照表に計上される金額も、その後の減価償却費と利息相当額の期間配分も変わります。上場準備企業では、事務所の賃貸借契約や車両・機器のリースなど、延長オプションや解約オプションが付いた契約が多く、判定の根拠を文書として残せているかが監査上の論点になります。

借手のリース期間の3つの構成要素

借手のリース期間は、次の3つの期間の合計として組み立てます(リースに関する会計基準 第15項)。どの期間に該当するかを契約条項ごとに切り分けることが、判定作業の出発点になります。

解約不能期間 借手が原資産を使用する権利を有する、契約を解除することができない期間
延長オプションの対象期間 借手が行使することが合理的に確実である延長オプションの対象となる期間
解約オプションの対象期間 借手が行使しないことが合理的に確実である解約オプションの対象となる期間

延長オプションは「行使することが合理的に確実か」を、解約オプションは「行使しないことが合理的に確実か」を判断します。方向が逆になるため、社内の判定シートを作る際は設問の立て方を誤らないよう注意が必要です。なお、契約期間の中途において契約を解除することができないリースに準ずるリースには、法的形式上は解約可能であっても、解約に際し相当の違約金を支払わなければならない等の理由から事実上解約不能と認められるリースが含まれます。

解約権の所在による解約不能期間の違い

解約する権利を契約のどちらの当事者が持っているかによって、期間の取扱いが変わります。借手のみが解約する権利を有する場合と、貸手のみが解約する権利を有する場合とで、次のように整理されます(リースに関する会計基準 第31項)。

借手のみが解約する権利を
有している場合
当該権利は借手が利用可能なオプションとして、借手のリース期間を決定するにあたって考慮する
貸手のみが解約する権利を
有している場合
当該期間は、借手の解約不能期間に含まれる

実務では、貸手側にのみ中途解約権が留保されている契約を「解約可能だからリース期間は短くてよい」と誤読しやすい点に注意が必要です。貸手のみが解約権を持つ期間は、借手にとっては解約できない期間であるため、解約不能期間に取り込みます。契約書のどの条項がどちらの当事者の権利かを、判定の前に必ず特定してください。

リース開始日と判定の基準時点

リース期間は、リース開始日を基準時点として判定します。リース開始日とは、貸手が、借手による原資産の使用を可能にする日をいいます(リースに関する会計基準 第18項)。契約を締結した日でも、リース料の支払を開始した日でもなく、借手が原資産を実際に使用できる状態になった日である点が重要です。

借手は、リース開始日にリース負債を計上し、当該リース負債にリース開始日までに支払った借手のリース料、付随費用および資産除去債務に対応する除去費用を加算し、受け取ったリース・インセンティブを控除した額により使用権資産を計上します(リースに関する会計基準 第33項、リースに関する会計基準の適用指針 第18項)。したがって、リース開始日をいつと捉えるかが、判定の基準時点と当初計上の時点の双方を規定します。

不動産のリースでは、契約締結から引渡しまでに数か月空くことや、内装工事のためのフリーレント期間が設けられることがあります。実務では、鍵の引渡しや使用開始通知など、借手が使用を開始できる状態になったことを示す証憑を契約ごとに保存しておくと、判定の基準時点を後から説明しやすくなります。

行使することが合理的に確実かの判断

リース期間の判定で最も判断を要するのが、「合理的に確実」であるかどうかの評価です。借手は、延長オプションを行使することまたは解約オプションを行使しないことが合理的に確実であるかどうかを判定するにあたって、経済的インセンティブを生じさせる要因を考慮します(リースに関する会計基準の適用指針 第17項)。経営者の意向や更新の希望といった主観的な見込みだけで結論を出すものではありません。

経済的インセンティブを生じさせる要因

適用指針では、考慮すべき要因として次の5つが例示されています(リースに関する会計基準の適用指針 第17項)。個々の契約について、これらの要因を一つずつ当てはめ、行使する経済的な動機がどの程度強いかを評価します。

対象期間に係る契約条件 延長オプションまたは解約オプションの対象期間に係るリース料、違約金、残価保証、購入オプションなどの条件
賃借設備の改良 大幅な賃借設備の改良の有無
解約に関連するコスト リースの解約に関連して生じるコスト
原資産の重要性 企業の事業内容に照らした原資産の重要性
オプションの行使条件 延長オプションまたは解約オプションの行使条件

例えば、延長期間のリース料が市場相場より明らかに低く設定されている場合や、多額の内装投資を行っており移転すると当該投資が回収できない場合には、延長オプションを行使する経済的インセンティブが強く働きます。反対に、汎用性の高い設備で代替物件を容易に確保できる場合には、行使が合理的に確実とはいいにくくなります。判定の結論だけでなく、どの要因をどう評価したかを記録に残すことが実務上の要点です。

判定でつまずきやすい論点

実務で多いのは、更新実績が長いという事実だけを根拠にリース期間を長期に設定してしまうケースです。過去の更新実績は判断材料の一つにはなりますが、判定はあくまで将来にわたる経済的インセンティブの評価に基づいて行います。原資産を長期にわたり使用する可能性があるというだけでは、その全期間がリース期間になるとは限りません。

また、同種の契約を一括して同じリース期間で処理してしまうことも避けるべきです。オプションの条件や設備投資の状況は個別性が高く、同じ賃貸借契約書のひな型でも結論が分かれることがあります。契約単位で判定し、判定結果と根拠を紐付けて管理する運用が求められます。

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リース期間の判定が当初測定に与える影響

リース期間の判定結果は、リース負債の現在価値計算の期間そのものを決めるため、当初測定額に大きく影響します。借手は、リース負債の計上額を算定するにあたって、原則として、リース開始日において未払である借手のリース料からこれに含まれている利息相当額の合理的な見積額を控除し、現在価値により算定します(リースに関する会計基準 第34項、リースに関する会計基準の適用指針 第19項)。割引率は、貸手の計算利子率を知り得る場合は当該利率、知り得ない場合は借手の追加借入に適用されると合理的に見積られる利率によります(リースに関する会計基準の適用指針 第37項)。

以下は、事務所の賃借契約を題材とした自社作例です。金額の単位は千円とし、年間リース料10,000千円を各年度末に後払いするものとします。解約不能期間は5年で、契約には3年間の延長オプションが付されており、貸手の計算利子率を知り得ないため借手の追加借入利子率3%を割引率として用います。付随費用、リース・インセンティブおよび資産除去債務はないものとします(リースに関する会計基準 第33項、第34項)。

延長オプションの行使が合理的に確実とはいえない場合

延長オプションを行使することが合理的に確実であるとはいえないと判定した場合、借手のリース期間は解約不能期間の5年となります。リース負債は、5年分の借手のリース料を割引率3%で現在価値に割り引いて算定します。

年間リース料10,000千円 × 年金現価係数4.579707(割引率3%・5年) = 45,797千円

リース開始日の仕訳は次のとおりです。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
使用権資産 45,797 リース負債 45,797

延長オプションの行使が合理的に確実である場合

同じ契約であっても、延長オプションの対象期間のリース料が市場相場を大きく下回るなど、行使する経済的インセンティブが強く働き、行使することが合理的に確実であると判定した場合には、借手のリース期間は解約不能期間5年に延長オプションの対象期間3年を加えた8年になります(リースに関する会計基準 第15項、第31項)。

年間リース料10,000千円 × 年金現価係数7.019692(割引率3%・8年) = 70,197千円
借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
使用権資産 70,197 リース負債 70,197

同一の契約でありながら、リース期間の判定だけで当初計上額に次の差が生じます。総資産と有利子負債の水準、自己資本比率などの財務指標にも影響するため、判定は経理処理の細目ではなく、決算数値そのものを左右する論点として扱う必要があります。

70,197千円 − 45,797千円 = 24,400千円

なお、計上された使用権資産は、その後の期間にわたって償却されるとともに、減損の検討対象にもなります。契約上の諸条件に照らして原資産の所有権が借手に移転すると認められるリース以外のリースに係る使用権資産については、原則として、借手のリース期間を耐用年数とし、残存価額をゼロとして減価償却費を算定します(リースに関する会計基準 第38項)。ここでもリース期間の判定結果がそのまま償却期間になります。

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リース期間の見直しが必要となる事象

リース期間は、リース開始日に判定して終わりではありません。借手は、リースの契約条件の変更が生じていない場合であっても、借手のリース期間に変更があるときには、リース負債の計上額の見直しを行います(リースに関する会計基準 第40項)。見直しの契機となる事象は2つに整理できます。

重要な事象または重要な状況の発生

借手は、リースの契約条件の変更が生じていない場合で、次の2つのいずれも満たす重要な事象または重要な状況が生じたときに、延長オプションを行使することまたは解約オプションを行使しないことが合理的に確実であるかどうかについて見直し、借手のリース期間を変更してリース負債の計上額の見直しを行います(リースに関する会計基準 第41項)。

借手の統制 当該事象または状況が借手の統制下にあること
判断への影響 延長オプションを行使することまたは解約オプションを行使しないことが合理的に確実であるかどうかの借手の決定に影響を与えること

2つの要件をいずれも満たすことが求められる点が重要です。例えば、借手が原資産に多額の追加設備投資を実施した場合や、当該拠点を事業の中核として位置付ける組織再編を行った場合は、借手の統制下にあり、かつ行使判断に影響する事象に当たり得ます。一方、市場賃料の一般的な変動のように借手の統制下にない事象は、これだけをもって見直しの契機とはなりません。

解約不能期間に変更が生じた場合

もう一つの契機は、解約不能期間そのものの変更です。借手は、リースの契約条件の変更が生じていない場合で、延長オプションの行使等により借手の解約不能期間に変更が生じた結果、借手のリース期間を変更するときには、リース負債の計上額の見直しを行います(リースに関する会計基準 第42項)。実際に延長オプションを行使した時点や、解約オプションの行使期限が経過した時点が典型例です。

見直し時の会計処理

見直しを行う場合、借手は、該当する事象が生じた日にリース負債について当該事象の内容を反映した借手のリース料の現在価値まで修正し、当該リース負債の修正額に相当する金額を使用権資産に加減します(リースに関する会計基準の適用指針 第46項)。損益に直接計上するのではなく、原則として使用権資産の帳簿価額を調整する点が特徴です。ただし、使用権資産の帳簿価額をゼロまで減額してもなおリース負債の測定の減額がある場合には、残額を損益に計上します。

前掲の作例において、リース開始日から一定期間が経過した後に重要な事象が生じ、延長オプションを行使することが合理的に確実であると判断を改めた結果、修正後のリース負債が見直し直前の帳簿価額を12,000千円上回ったとします。単位は千円で、見直しは当該事象が生じた日に行います(リースに関する会計基準 第41項、リースに関する会計基準の適用指針 第46項)。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
使用権資産 12,000 リース負債 12,000

なお、リース期間に変更がなくても借手のリース料に変更がある場合には、別途リース負債の見直しが必要になります。原資産を購入するオプションの行使についての判定に変更がある場合、残価保証に基づく支払見込額に変動がある場合、指数またはレートに応じて決まる借手の変動リース料に変動がある場合が該当します(リースに関する会計基準の適用指針 第47項)。リース期間の見直しと混同しないよう、判定の区分を明確にしておくことが実務上のポイントです。

短期リース・少額リースとの関係

リース期間の判定は、簡便的な取扱いを適用できるかどうかも左右します。短期リースとは、リース開始日において、借手のリース期間が12か月以内であり、購入オプションを含まないリースをいいます(リースに関する会計基準の適用指針 第4項(2))。契約期間が12か月以内であっても、延長オプションの行使が合理的に確実であるためリース期間が12か月を超えると判定される場合には、短期リースには該当しません。

短期リースに該当する場合、借手は、リース開始日に使用権資産およびリース負債を計上せず、借手のリース料を借手のリース期間にわたって原則として定額法により費用として計上することができます。この取扱いは、対応する原資産を自ら所有していたと仮定した場合に貸借対照表において表示するであろう科目ごと、または性質および企業の営業における用途が類似する原資産のグループごとに適用するか否かを選択できます(リースに関する会計基準の適用指針 第20項)。

短期リースの
簡便的な取扱い
リース開始日において借手のリース期間が12か月以内で購入オプションを含まないリースについて、使用権資産およびリース負債を計上せず、原則として定額法により費用計上できる
少額リースの
簡便的な取扱い
重要性が乏しい減価償却資産について購入時に費用処理する方法を採用している場合の基準額以下のリース、企業の事業内容に照らして重要性の乏しいリースで契約1件当たりの金額に重要性が乏しいリース、新品時の原資産の価値が少額であるリースについて、同様に費用計上できる

少額リースの簡便的な取扱いのうち、企業の事業内容に照らして重要性の乏しいリースに該当するものについては、リース契約1件当たりの金額の算定の基礎となる対象期間は、原則として借手のリース期間とします。ただし、当該借手のリース期間に代えて、契約上、契約に定められた期間とすることもできます(リースに関する会計基準の適用指針 第22項、第23項)。ここでもリース期間の判定結果が金額基準の分母になります。

短期リースについては、リース期間の変更が生じた場合の取扱いも定められています。借手は、短期リースに関する簡便的な取扱いを適用していたリースについて、借手のリース期間に変更がある場合で、変更前の借手のリース期間の終了時点から変更後の借手のリース期間の終了時点までが12か月以内であるときは、変更後のリースについて短期リースとして取り扱う方法などを選択することができます(リースに関する会計基準の適用指針 第50項)。

適用時期と適用初年度の実務

企業会計基準第34号は、2027年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から適用されます。ただし、2025年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から適用することができ、早期適用が認められています(リースに関する会計基準 第58項)。本会計基準の適用により、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」および企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」等の適用は終了します(リースに関する会計基準 第59項)。

強制適用 2027年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から適用
早期適用 2025年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から適用可能

我が国のリース会計は、2007年3月に企業会計基準第13号および企業会計基準適用指針第16号が公表され、当時の国際的な会計基準と整合的なものとなりました。その後、IFRS第16号およびTopic 842が公表されたことを受けて審議が重ねられ、2024年9月13日に企業会計基準第34号および企業会計基準適用指針第33号が公表されています。借手のすべてのリースについて資産および負債を計上する点が、従来からの最も大きな変更です。

適用初年度においては、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱い、原則として、新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用します。ただし、適用初年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年度の累積的影響額を適用初年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用することもできます(リースに関する会計基準の適用指針 第118項)。

リース期間の判定に関しては、経過措置として実務上の便法が用意されています。適用指針第118項ただし書きの方法を選択する借手は、契約にリースを延長または解約するオプションが含まれている場合に、借手のリース期間や借手のリース料を決定するにあたってリース開始日以後に入手した情報を使用することができます(リースに関する会計基準の適用指針 第123項、第124項(4))。過去のリース開始日時点の判断を再現する負担を軽減できるため、移行作業の初期段階でこの便法を採用するかどうかを決めておくことをおすすめします。

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まとめ

借手のリース期間は、解約不能期間に、行使することが合理的に確実である延長オプションの対象期間と、行使しないことが合理的に確実である解約オプションの対象期間を加えて決定します(リースに関する会計基準 第15項、第31項)。判定の基準時点はリース開始日であり、貸手が借手による原資産の使用を可能にする日を指します(リースに関する会計基準 第18項)。

「合理的に確実」の判断は、経営者の見込みではなく、契約条件・設備改良・解約コスト・原資産の重要性・行使条件といった経済的インセンティブを生じさせる要因に基づいて行います(リースに関する会計基準の適用指針 第17項)。また、借手の統制下にあり行使判断に影響する重要な事象または重要な状況が生じた場合や、解約不能期間に変更が生じた場合には、リース期間を見直してリース負債の計上額を修正します(リースに関する会計基準 第41項、第42項)。

企業会計基準第34号は2027年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から適用され、2025年4月1日以後開始する年度からの早期適用も認められます(リースに関する会計基準 第58項)。契約の棚卸しと判定ルールの整備には相応の時間がかかるため、対象契約の洗い出しから着手することをおすすめします。リース期間の判定は個々の契約条件に強く依存するため、具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。

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参考文献

よくある質問

リース期間はいつの時点で判定しますか。

リース開始日を基準時点として判定します。リース開始日とは、貸手が、借手による原資産の使用を可能にする日をいい、契約締結日ではありません(リースに関する会計基準 第18項)。借手は、このリース開始日に使用権資産およびリース負債を計上します(リースに関する会計基準 第33項)。

延長する可能性が高いというだけで、延長オプションの対象期間をリース期間に含めますか。

含めません。延長オプションの対象期間を加えるのは、借手が行使することが合理的に確実である場合に限られます(リースに関する会計基準 第15項、第31項)。この判定にあたっては、対象期間に係る契約条件、大幅な賃借設備の改良の有無、解約に関連して生じるコスト、事業内容に照らした原資産の重要性、行使条件といった経済的インセンティブを生じさせる要因を考慮します(リースに関する会計基準の適用指針 第17項)。

貸手だけが中途解約できる契約の期間は、どのように扱いますか。

貸手のみがリースを解約する権利を有している場合、当該期間は借手の解約不能期間に含まれます(リースに関する会計基準 第31項)。借手のみが解約する権利を有している場合は、借手が利用可能なオプションとして、リース期間を決定するにあたって考慮します。

いったん決めたリース期間を見直す必要があるのは、どのような場合ですか。

契約条件の変更が生じていない場合でも、借手の統制下にあり、かつ延長オプションの行使または解約オプションの不行使が合理的に確実であるかどうかの決定に影響を与える重要な事象または重要な状況が生じたときは、見直しが必要です(リースに関する会計基準 第41項)。また、延長オプションの行使等により解約不能期間に変更が生じた結果リース期間を変更するときも、リース負債の計上額の見直しを行います(リースに関する会計基準 第42項)。

短期リースの12か月は、契約期間で判定するのですか。

契約期間ではなく、借手のリース期間で判定します。短期リースとは、リース開始日において借手のリース期間が12か月以内であり、購入オプションを含まないリースをいいます(リースに関する会計基準の適用指針 第4項(2))。したがって、契約期間が12か月以内でも、延長オプションの行使が合理的に確実でリース期間が12か月を超える場合は、短期リースの簡便的な取扱いを適用できません(リースに関する会計基準の適用指針 第20項)。

新リース会計基準はいつから適用されますか。

2027年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から適用されます。ただし、2025年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から早期適用することができます(リースに関する会計基準 第58項)。適用初年度は、原則として遡及適用しますが、累積的影響額を期首の利益剰余金に加減する方法も認められています(リースに関する会計基準の適用指針 第118項)。

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。

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