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財務会計

リスク分担型企業年金の会計処理|確定拠出制度に準じた処理の要件

目次
  1. リスク分担型企業年金の概要
  2. 規約に定められる3種類の掛金
  3. 調整率による給付額の増減
  4. 会計上の分類の判定
  5. 確定拠出制度と確定給付制度の判断基準
  6. 確定拠出制度に準じた会計処理となる要件
  7. 確定給付制度となる場合と分類の再判定
  8. 確定拠出制度に準じた会計処理となる場合の処理
  9. 各期の掛金の費用処理
  10. リスク対応掛金相当額の総額を負債計上しない理由
  11. 確定給付制度として会計処理する場合の取扱い
  12. 既存制度からの移行の会計処理
  13. 移行時に認識する損益
  14. 特別掛金相当額の未払金計上
  15. 取扱いが示されていない移行のパターン
  16. 開示(注記事項)
  17. 適用時期
  18. 実務上の留意点
  19. まとめ
  20. 参考文献
  21. よくある質問
  22. リスク分担型企業年金は必ず確定拠出制度として会計処理できますか。
  23. リスク対応掛金相当額の総額を負債として計上する必要はありますか。
  24. 確定給付企業年金から移行した場合、損益はどこに表示しますか。
  25. 確定拠出制度に分類した後、確定給付制度に分類が変わることはありますか。

リスク分担型企業年金は、法令上は確定給付企業年金法に基づく企業年金でありながら、会計上は一定の要件を満たす場合に確定拠出制度に分類されます。この「法令上の分類」と「会計上の分類」のねじれが、実務で最も誤解されやすい論点です。

企業の拠出義務が規約に定められた標準掛金相当額・特別掛金相当額・リスク対応掛金相当額の拠出に限定され、それ以外に実質的な拠出義務を負っていない場合に限り確定拠出制度に分類され、該当しないものは確定給付制度に分類されます(実務対応報告第33号 第3項、第4項)。「必ず確定拠出制度になる」という理解は誤りです。企業会計基準委員会 実務対応報告第33号 リスク分担型企業年金の会計処理等に関する実務上の取扱い

リスク分担型企業年金の概要

リスク分担型企業年金は、「『日本再興戦略』改訂2015」に基づく施策として導入された、新たな確定給付企業年金の仕組みです。制度の特徴は、給付額の算定に関して調整率が規約に定められる点にあります。調整率は、積立金の額、掛金額の予想額の現価、通常予測給付額の現価および財政悪化リスク相当額(通常の予測を超えて財政の安定が損なわれる危険に対応する額)に応じて定まる数値です(実務対応報告第33号 第1項、第2項)。

規約に定められる3種類の掛金

規約に定められる掛金の内訳は次の3つです。規約上はこれらを合算した額が掛金として定められるため、実務対応報告第33号では「相当額」の語が用いられています。導入時の財政計算では、これら3つを合算した額が各期の掛金額として規約に定められます(実務対応報告第33号 第3項(注)、第16項(1)、第16項(4))。

標準掛金相当額 給付に要する費用に充てるため事業主が将来にわたって平準的に拠出する掛金。予定利率等の算定基礎率に基づき計算されます。
特別掛金相当額 年金財政計算における過去勤務債務の額に基づき計算される掛金。導入時にすでに生じている積立不足に対応します。
リスク対応掛金相当額 財政悪化リスク相当額に対応するために拠出する掛金。リスク分担型企業年金に固有の掛金です。
各期の掛金額 = 標準掛金相当額 + 特別掛金相当額 + リスク対応掛金相当額

財政悪化リスク相当額は、事業主が拠出するリスク対応掛金額と、財政状況に応じた給付の調整によって分担され、各々の範囲は労使合意によりあらかじめ定められます。各期のリスク対応掛金額の計算方法は3つ(5年以上20年以内の予定拠出期間で均等に拠出、下限・上限リスク対応掛金額の範囲内で拠出、未拠出額に15%以上50%以下の割合を乗じて拠出)あり、いずれも各期の拠出額または割合があらかじめ規約に定められます(実務対応報告第33号 第16項(2)、第16項(3))。

調整率による給付額の増減

給付額は、加入者期間または当該加入者期間における給与の額等に基づいて算定された金額に、調整率を乗じて算出されます。

給付額 = 加入者期間や給与の額等に基づき算定された金額 × 調整率

積立金と掛金収入現価の合計が給付現価を下回る場合は、一を下回る調整率により給付額が減額調整されます。調整率は財政計算時および毎事業年度の財政決算時に見直され、この仕組みにより自動的に給付額が増減して財政の均衡が図られる設計です(実務対応報告第33号 第16項(6))。一方、少なくとも5年ごとの財政計算で財政悪化リスク相当額等が再計算されても、新たな労使合意に基づく規約の改訂がない限り当初の掛金は見直されません(実務対応報告第33号 第16項(5))。この「掛金が固定され給付が変動する」構造が、会計上の位置づけを決めています。

会計上の分類の判定

確定拠出制度と確定給付制度の判断基準

退職給付会計基準は、確定拠出制度を「一定の掛金を外部に積み立て、事業主である企業が当該掛金以外に退職給付に係る追加的な拠出義務を負わない退職給付制度」、確定給付制度を「確定拠出制度以外の退職給付制度」と定義しています(企業会計基準第26号 退職給付に関する会計基準 第4項、第5項)。したがって分類は、①企業が一定の掛金以外に追加的な拠出義務を負うか否か、②一定の掛金を外部に積み立てているか否かが判断基準になります(実務対応報告第33号 第17項)。企業会計基準委員会 企業会計基準第26号 退職給付に関する会計基準

①について、リスク分担型企業年金は自動的に給付額が増減して財政の均衡が図られるため追加の掛金拠出が要求されないことが想定されており、基本的に企業は追加的な拠出義務を負っていないと考えられます(実務対応報告第33号 第18項)。②も、各期のリスク対応掛金相当額等が導入時にあらかじめ規約に定められるため、一定の掛金を外部に積み立てているものと考えられます(実務対応報告第33号 第19項)。

関連コラム退職給付に関する会計基準の実務ポイントと会計処理▸

確定拠出制度に準じた会計処理となる要件

リスク分担型企業年金のうち、企業の拠出義務が、給付に充当する各期の掛金として規約に定められた3つの掛金相当額の拠出に限定され、企業がそのほかに拠出義務を実質的に負っていないものは、確定拠出制度に分類されます(実務対応報告第33号 第3項)。判断対象は「給付に充当する各期の掛金」に限られ、制度の実施に要する事務費を負担するための掛金は判定に影響しません(実務対応報告第33号 第20項)。一方、次の2点は確定拠出制度への分類を崩し得る事情として明示されています。

  • 特例掛金の定めがある場合:積立金の額が零となることが見込まれる場合に給付に充てるため必要な掛金(確定給付企業年金法施行規則第64条に基づく掛金。実務上「特例掛金」と称されることがあります)を規約に定め、3つの掛金相当額に追加して拠出することがあり得ます。この場合、将来拠出する他の掛金を減額して掛金の現価相当額の総額が変わらないように拠出する旨を規約にあらかじめ定める場合を除いては、企業は追加的な拠出義務を実質的に負っていると考えられます(実務対応報告第33号 第18項)。
  • 他制度で給付を増額する義務がある場合:給付額の減額調整に対応して、企業がリスク分担型企業年金以外の退職給付制度における給付額を増額する義務を負う場合には、当該義務を考慮する必要があります(実務対応報告第33号 第20項)。

なお、拠出義務を実質的に負っているか否かは個々の企業の事実関係に即した判断が求められるため、実務対応報告第33号で取扱いを示した場合を除き具体的な判断基準は示されていません(実務対応報告第33号 第20項)。企業会計基準委員会 実務対応報告第33号 リスク分担型企業年金の会計処理等に関する実務上の取扱い

確定給付制度となる場合と分類の再判定

上記の要件を満たさないリスク分担型企業年金は、確定給付制度に分類されます(実務対応報告第33号 第4項)。また、確定拠出制度に分類された後も、直近の分類に影響を及ぼす事象が新たに生じた場合には分類を再判定します(実務対応報告第33号 第5項)。その例として新たな労使合意に基づく規約の改訂が挙げられており、分類は導入時に一度確定して終わりではありません(実務対応報告第33号 第22項)。

確定拠出制度に準じた会計処理となる場合の処理

各期の掛金の費用処理

退職給付会計基準では、確定拠出制度について要拠出額をもって費用処理し、未拠出の額は未払金として計上します。この費用は退職給付費用に含め、原則として売上原価または販売費及び一般管理費に計上されます(企業会計基準第26号 退職給付に関する会計基準 第31項、第32項、第28項)。これを受けて、確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金では、規約に基づきあらかじめ定められた各期の掛金の金額を各期において費用として処理します(後述の移行時に未払金等として計上した特別掛金相当額を除きます)(実務対応報告第33号 第7項)。確定拠出制度については要拠出額をもって費用処理することとされており、確定給付制度のように積立状況を示す額を負債として計上する処理は行いません(企業会計基準第26号 退職給付に関する会計基準 第31項、第13項)。リスク対応掛金相当額は各期の労働サービスの提供との対応関係が明らかでないため、一般に支払額をもって報酬費用とみなされると整理されています(実務対応報告第33号 第24項)。

リスク対応掛金相当額の総額を負債計上しない理由

導入時にリスク対応掛金相当額の総額が算定され、基金の解散または規約の終了がない限り企業は拠出の義務を負っています。それでも導入時にその総額を負債として計上しないこととされました。理由は、リスク対応掛金相当額は導入時に費用計上する必要がなく対応する負債を計上する必要もないこと、および仮に総額を負債計上し見合いの資産を計上しても得られる情報が必ずしも有用ではないことの2点です(実務対応報告第33号 第25項)。負債として認識しない代わりに、後述の注記で将来キャッシュ・フローの情報が提供されます。

確定給付制度として会計処理する場合の取扱い

ここは誤解が生じやすい部分です。確定給付制度に分類されるリスク分担型企業年金の会計処理および開示に関する取扱いは、実務対応報告第33号では示されていません。退職給付会計基準等に従うことに特段の論点はないと判断されたためです(実務対応報告第33号 第21項)。根拠は退職給付会計基準に求めることになります。

具体的には、退職給付債務から年金資産の額を控除した額(積立状況を示す額)を負債として計上します(年金資産が退職給付債務を超える場合は資産として計上)。退職給付費用は、勤務費用、利息費用、期待運用収益、数理計算上の差異および過去勤務費用に係る当期の費用処理額から構成され、注記は確定給付制度に求められる11項目を記載します(企業会計基準第26号 退職給付に関する会計基準 第13項、第14項、第30項)。

もうひとつ、実務上の空白があります。確定拠出制度に分類されたリスク分担型企業年金が、再判定の結果として確定給付制度に分類されることとなった場合の会計処理は、実務対応報告第33号では示されていません(実務対応報告第33号 第22項)。処理を決め打ちせず、事実関係を整理したうえで個別に判断する必要があります。

既存制度からの移行の会計処理

制度移行適用指針では、確定拠出制度への資産の移換は退職給付制度の終了に該当するとされています(実務対応報告第33号 第8項が引用する企業会計基準適用指針第1号 退職給付制度間の移行等に関する会計処理 第4項(3))。これを踏まえ、確定給付制度に分類される退職給付制度から確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金に移行する場合は、退職給付制度の終了に該当します(実務対応報告第33号 第9項)。企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第1号 退職給付制度間の移行等に関する会計処理

関連コラム退職給付制度間の移行の会計処理|制度終了と終了損益の実務▸

移行時に認識する損益

移行の時点で、移行した部分に係る退職給付債務と、その減少分相当額に係るリスク分担型企業年金に移行した資産の額との差額を損益として認識します。

移行時に認識する損益 = 移行した部分に係る退職給付債務 − 移行した資産の額

移行した部分に係る退職給付債務は、移行前の計算基礎に基づいて数理計算した退職給付債務と、移行後の計算基礎に基づいて数理計算した退職給付債務との差額として算定します。移行した部分に係る未認識過去勤務費用および未認識数理計算上の差異も損益として認識し、その金額は移行時点の退職給付債務の比率その他合理的な方法により算定します。これらにより認識される損益は、原則として特別損益に純額で表示します(実務対応報告第33号 第10項(1)(2)(4))。移行年度に一括して影響が出るため、金額の事前試算が欠かせません。設例1では、退職給付債務6,500に対し年金資産4,000の全額を移行するケースについて、差額2,500の損益認識と未認識数理計算上の差異50の損益計上が示されています(実務対応報告第33号 設例1)。

特別掛金相当額の未払金計上

移行の時点で規約に定める各期の掛金に特別掛金相当額が含まれる場合には、その総額を未払金等として計上します(実務対応報告第33号 第10項(3))。設例2では、特別掛金相当額の総額が456である場合に、退職給付費用(終了損益)456を借方・未払金456を貸方として計上し、移行後の個別貸借対照表に未払金456が計上されることが示されています(実務対応報告第33号 設例2)。

特別掛金相当額は導入時にすでに生じた積立不足に対応するもので導入後に総額が見直されないため、移行前の確定給付制度に関する事業主からの支払または現金拠出額の確定額に該当すると考えられたことによる取扱いです(実務対応報告第33号 第28項)。リスク対応掛金相当額は総額を負債計上しない一方、特別掛金相当額は総額を負債計上する点を混同しないよう注意が必要です。

取扱いが示されていない移行のパターン

確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金から既存の確定給付企業年金へ移行する場合や、既存の確定給付企業年金にリスク対応掛金額の仕組みを導入した後に確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金へ移行する場合等の会計処理も、実務対応報告第33号では示されていません(実務対応報告第33号 第29項)。基準に定めがある前提で計画を進めないことが重要です。

開示(注記事項)

退職給付会計基準では、確定拠出制度について、制度の概要、確定拠出制度に係る退職給付費用の額、その他の事項を注記します。連結財務諸表において注記している場合には、個別財務諸表において記載することを要しません(企業会計基準第26号 退職給付に関する会計基準 第32-2項、実務対応報告第33号 第11項)。このうち「制度の概要」と「その他の事項」は、リスク分担型企業年金の導入を受けて平成28年改正会計基準で追加されたものです(企業会計基準第26号 退職給付に関する会計基準 第78-3項)。実務対応報告第33号 第12項が求める注記事項は次のとおりです。

制度の概要 標準掛金相当額のほかにリスク対応掛金相当額があらかじめ規約に定められること、財政状況に応じて給付額が増減し年金に関する財政の均衡が図られることなど(第12項(1))
退職給付費用の額 実務対応報告第33号 第7項に基づき費用処理した額(第12項(2))
翌期以降の
リスク対応掛金相当額
規約に定められる所定の方法によりあらかじめ定められた、翌期以降に拠出することが要求されるリスク対応掛金相当額と、その拠出に関する残存年数(第12項(3))

3つ目の注記が求められたのは、確定拠出年金の掛金は将来の拠出の総額が確定していないのに対し、リスク対応掛金相当額は導入時に総額が算定され拠出の義務を負っているという違いによります。将来キャッシュ・フローの金額と各期の損益への影響を財務諸表利用者が理解できるようにする趣旨で、拠出完了後は標準掛金相当額のみが拠出されるため、将来キャッシュ・フローの変化も予測できます(実務対応報告第33号 第32項)。企業会計基準委員会 実務対応報告第33号 リスク分担型企業年金の会計処理等に関する実務上の取扱い

適用時期

実務対応報告第33号は平成28年(2016年)12月16日に公表され、平成29年(2017年)1月1日以後適用されています(実務対応報告第33号 第13項)。確定給付企業年金法施行令等の改正の施行日に合わせたもので、早期適用の定めは置かれていません(実務対応報告第33号 第33項)。同日公表の企業会計基準第26号の平成28年改正も、確定拠出制度に係る注記事項を整備するための改正として平成29年1月1日以後適用されています(企業会計基準第26号 退職給付に関する会計基準 第38-2項、第49-2項)。

実務上の留意点

上場準備企業を含む実務でとくに問題になりやすい論点は次のとおりです。いずれも、実務対応報告第33号が個々の企業の事実関係に即した判断を求めている領域に関わります。

  • 分類判定の根拠を文書化する:拠出義務を実質的に負っているか否かの具体的な判断基準は示されていません(実務対応報告第33号 第20項)。規約の該当条項、労使合意の内容、事務費掛金の位置づけを整理し、確定拠出制度に分類した理由を説明できる資料を残すことが要になります。
  • 特例掛金の規約上の定めを確認する:他の掛金を減額して掛金の現価相当額の総額が変わらないように拠出する旨が規約にあるかどうかで、追加的な拠出義務の有無の評価が変わります(実務対応報告第33号 第18項)。規約案の段階で確認すべき事項です。
  • 他制度との関係と規約改訂を点検する:給付額が減額調整された際に他制度で給付額を増額する義務を負っていないかを確認します(実務対応報告第33号 第20項)。規約の改訂は分類に影響を及ぼす事象の例として挙げられているため(実務対応報告第33号 第22項)、改訂の検討段階で会計上の影響を確認する運用が望まれます。
  • 注記情報の入手経路を整える:翌期以降に拠出することが要求されるリスク対応掛金相当額と残存年数の注記が求められます(実務対応報告第33号 第12項(3))。これらの情報は基金や受託機関から入手することになるため、決算スケジュールに入手工程を組み込むと期末の負荷を抑えられます。

まとめ

リスク分担型企業年金は、企業の拠出義務が規約に定められた3つの掛金相当額に限定され、そのほかに実質的な拠出義務を負っていない場合に、会計上は確定拠出制度に分類されます。要件を満たさない場合は確定給付制度に分類されるため(実務対応報告第33号 第3項、第4項)、判定の検討過程そのものが実務上の成果物になります。

確定拠出制度に分類される場合は、規約にあらかじめ定められた各期の掛金の金額を各期の費用として処理し、リスク対応掛金相当額の総額は負債計上せず、翌期以降のリスク対応掛金相当額と残存年数を注記します(実務対応報告第33号 第7項、第25項、第12項(3))。既存の確定給付制度からの移行は退職給付制度の終了に該当し、認識される損益は原則として特別損益に純額で表示されます(実務対応報告第33号 第9項、第10項(4))。

一方、確定給付制度に分類された場合の取扱い、再判定により確定給付制度となった場合の会計処理、リスク分担型企業年金から既存の確定給付企業年金へ移行する場合の会計処理を、実務対応報告第33号は示していません(実務対応報告第33号 第21項、第22項、第29項)。定めがない領域を定めがあるかのように扱わないことが最大の注意点です。制度設計や規約により結論が変わるため、具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。

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参考文献

よくある質問

リスク分担型企業年金は必ず確定拠出制度として会計処理できますか。

いいえ。企業の拠出義務が規約に定められた3つの掛金相当額の拠出に限定され、そのほかに拠出義務を実質的に負っていないものだけが確定拠出制度に分類され、該当しないものは確定給付制度に分類されます(実務対応報告第33号 第3項、第4項)。規約の内容によって結論が分かれます。

リスク対応掛金相当額の総額を負債として計上する必要はありますか。

導入時に総額を負債として計上することはしません(実務対応報告第33号 第25項)。処理は、規約にあらかじめ定められた各期の掛金の金額を各期の費用とする方法によります(実務対応報告第33号 第7項)。負債計上に代えて、翌期以降に拠出することが要求されるリスク対応掛金相当額と残存年数の注記が求められます(実務対応報告第33号 第12項(3))。

確定給付企業年金から移行した場合、損益はどこに表示しますか。

確定給付制度に分類される退職給付制度から確定拠出制度に分類されるリスク分担型企業年金への移行は、退職給付制度の終了に該当します(実務対応報告第33号 第9項)。認識される損益は原則として特別損益に純額で表示します(実務対応報告第33号 第10項(4))。規約に定める各期の掛金に特別掛金相当額が含まれる場合は、その総額を未払金等として計上します(実務対応報告第33号 第10項(3))。

確定拠出制度に分類した後、確定給付制度に分類が変わることはありますか。

あり得ます。直近の分類に影響を及ぼす事象が新たに生じた場合には分類を再判定することとされており(実務対応報告第33号 第5項)、新たな労使合意に基づく規約の改訂がその例です(実務対応報告第33号 第22項)。ただし、再判定の結果として確定給付制度に分類されることとなった場合の会計処理は示されていないため(実務対応報告第33号 第22項)、個別の判断が必要になります。

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。

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