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財務会計

サブリースの会計処理|中間的な貸手の仕訳と転リース取引

目次
  1. サブリース取引の定義と登場人物
  2. ヘッドリースと中間的な貸手
  3. 転リース取引との位置づけ
  4. 中間的な貸手の会計処理の全体像
  5. サブリースの分類判定|使用権資産を基礎とする点
  6. 判定と測定に用いる利率
  7. ヘッドリースに短期リース・少額リースを適用した場合
  8. サブリースがファイナンス・リースに該当する場合の会計処理
  9. ヘッドリース開始日の仕訳例
  10. サブリース開始日の仕訳例
  11. サブリースがオペレーティング・リースに該当する場合の会計処理
  12. 期末の仕訳例
  13. 転リース取引とリスクを負わない場合の特例
  14. 転リース取引の会計処理
  15. 中間的な貸手がヘッドリースに対してリスクを負わない場合
  16. 表示・注記と適用時期
  17. 実務上の留意点
  18. まとめ
  19. 参考文献
  20. よくある質問
  21. サブリース取引と転リース取引はどう違いますか。
  22. サブリースの分類は原資産と使用権資産のどちらを基礎に判定しますか。
  23. ヘッドリースに短期リースの簡便的な取扱いを適用した場合、サブリースはどう分類しますか。
  24. サブリースがファイナンス・リースに該当すると、ヘッドリースのリース負債も消滅しますか。
  25. 新リース会計基準のサブリースの定めはいつから適用されますか。

サブリース取引の会計処理は、新リース会計基準(企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」)のもとで、借りた資産をさらに貸す「中間的な貸手」が、借手と貸手の二つの立場を同時に持つ点に難しさがあります。ヘッドリースについては借手として使用権資産とリース負債を計上し、サブリースについては貸手としてファイナンス・リースかオペレーティング・リースかを分類する、という二段構えの処理が求められます。

本稿では、サブリース取引の定義から、中間的な貸手の会計処理の全体像、分類判定の具体的な基準、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースそれぞれの仕訳例、転リース取引の特例、表示・注記と適用時期までを、企業会計基準第34号および企業会計基準適用指針第33号の条項に沿って整理します。2027年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度から強制適用されるため、不動産の又貸しやグループ内転貸を行っている企業は、早い段階で契約の棚卸しと処理方針の決定が必要になります。

サブリース取引の定義と登場人物

サブリース取引とは、原資産が借手から第三者にさらにリース(サブリース)され、当初の貸手と借手との間のリースが依然として有効である取引をいいます(リースに関する会計基準の適用指針 第4項(12))。ポイントは、当初のリース契約が解消されずに存続したまま、その上に第二のリース契約が重なるという構造です。

ヘッドリースと中間的な貸手

当初の貸手と借手との間のリースを「ヘッドリース」といい、ヘッドリースにおける借手を「中間的な貸手」といいます(リースに関する会計基準の適用指針 第4項(12))。中間的な貸手は、原資産の所有者から見れば借手であり、サブリースの借手から見れば貸手です。この二重の立場が、そのまま会計処理の二重構造につながります。

ヘッドリース(借手の立場) 原資産の所有者である当初の貸手から資産を借りる契約。中間的な貸手は借手としての会計処理を行う
サブリース(貸手の立場) 借りた資産をさらに第三者へ貸す契約。中間的な貸手は貸手としての会計処理を行う

典型例としては、事業会社が本社ビルの一部フロアを賃借し、その一部をグループ会社や外部企業へ転貸するケース、不動産管理会社が一括借上げした物件を入居者へ貸し出すケースなどが挙げられます。

転リース取引との位置づけ

サブリース取引のうち、ヘッドリースの原資産の所有者から当該原資産のリースを受け、さらに同一資産を概ね同一の条件で第三者にリースする取引を「転リース取引」といいます(リースに関する会計基準の適用指針 第93項)。転リース取引はサブリース取引の一類型であり、条件がほぼ素通しであることから、後述のとおり簡便な会計処理が認められています。

中間的な貸手の会計処理の全体像

中間的な貸手は、ヘッドリースについて借手のリースの会計処理を行い、サブリースについてはサブリースがファイナンス・リースとオペレーティング・リースのいずれに該当するかにより会計処理を行います(リースに関する会計基準の適用指針 第89項)。つまり、ヘッドリースとサブリースは相殺されず、それぞれ別個に会計処理される点が出発点になります。

ヘッドリース側では、リース開始日にリース負債を計上し、当該リース負債にリース開始日までに支払ったリース料や付随費用を加算するなどして使用権資産を計上します(リースに関する会計基準 第33項)。リース負債の計上額は、原則として、リース開始日において未払である借手のリース料からこれに含まれている利息相当額の合理的な見積額を控除し、現在価値により算定します(リースに関する会計基準 第34項)。

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サブリース側では、貸手としてファイナンス・リースかオペレーティング・リースかを分類したうえで、分類に応じた処理を行います。ここで重要なのは、分類の判定対象が原資産そのものではなく、ヘッドリースから生じた使用権資産である点です。この考え方を押さえておかないと、判定の基礎とする金額や期間を取り違えることになります。

なお、中間的な貸手が計上した使用権資産は、サブリースがファイナンス・リースに該当する場合には消滅を認識し、オペレーティング・リースに該当する場合には引き続き貸借対照表に残ります。分類の結論が、貸借対照表の見え方を大きく左右します。

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サブリースの分類判定|使用権資産を基礎とする点

中間的な貸手のサブリースは、次のいずれかに該当する場合にファイナンス・リースと判定されます(リースに関する会計基準の適用指針 第91項)。いずれも、原資産ではなく使用権資産を基礎として判定する点が、通常の貸手の分類判定と異なります。

現在価値基準 サブリースにおける貸手のリース料の現在価値が、独立第三者間取引における使用権資産のリース料の概ね90パーセント以上であること
経済的耐用年数基準 サブリースにおける貸手のリース期間が、ヘッドリースにおける残りの借手のリース期間の概ね75パーセント以上であること

経済的耐用年数基準については、現在価値基準の判定結果が90パーセントを大きく下回ることが明らかな場合は除かれます(リースに関する会計基準の適用指針 第91項)。通常の貸手のリースでは、現在価値基準は原資産の現金購入価額と比較し、経済的耐用年数基準は原資産の経済的耐用年数と比較しますが(リースに関する会計基準の適用指針 第62項)、サブリースではその比較対象が使用権資産に置き換わります。

判定と測定に用いる利率

現在価値の算定にあたっては、サブリースにおける貸手のリース料の現在価値と使用権資産の見積残存価額の現在価値の合計額が、独立第三者間取引における使用権資産のリース料と等しくなるような利率を用います(リースに関する会計基準の適用指針 第90項)。ここでいう独立第三者間取引における使用権資産のリース料とは、当該使用権資産に係るサブリースのリース開始日に現金で全額が支払われるものと仮定した場合のリース料であり、サブリースを実行するために必要な知識を持つ自発的な独立第三者の当事者が行うと想定した場合のリース料をいいます。

もっとも、この利率の算出が容易でない場合には、ヘッドリースに用いた割引率を用いることができます(リースに関する会計基準の適用指針 第90項)。実務では、独立第三者間取引を想定したリース料の見積りが難しい場面が多く、この代替的な取扱いが現実的な選択肢になります。

ヘッドリースに短期リース・少額リースを適用した場合

ヘッドリースについて短期リースまたは少額リースに関する簡便的な取扱いを適用し、使用権資産およびリース負債を計上していない場合には、サブリースはオペレーティング・リースに分類します(リースに関する会計基準の適用指針 第91項、第20項、第22項)。使用権資産が計上されていない以上、それを基礎とするファイナンス・リース判定が成り立たないためです。

この定めは、ヘッドリース側で簡便的な取扱いを選択するかどうかが、サブリース側の分類にまで波及することを意味します。簡便的な取扱いの適用範囲を決める際には、サブリースの有無も併せて検討する必要があります。

関連コラム短期リース・少額リースの免除規定|適用要件と実務上の判断ポイント▸

サブリースがファイナンス・リースに該当する場合の会計処理

サブリースがファイナンス・リースに該当する場合、中間的な貸手は、サブリースのリース開始日に次の会計処理を行います(リースに関する会計基準の適用指針 第89項(1))。第一に、サブリースした使用権資産の消滅を認識します。第二に、サブリースにおける貸手のリース料の現在価値と使用権資産の見積残存価額の現在価値の合計額でリース投資資産またはリース債権を計上します。第三に、リース投資資産またはリース債権の計上および使用権資産の取崩しに伴う損益は、原則として純額で計上します。

リース投資資産又はリース債権 = サブリースにおける貸手のリース料の現在価値 + 使用権資産の見積残存価額の現在価値

計上科目は、所有権移転ファイナンス・リースであればリース債権、所有権移転外ファイナンス・リースであればリース投資資産となります(リースに関する会計基準 第46項)。転貸を前提としたサブリースでは、所有権移転外ファイナンス・リースとしてリース投資資産を用いる場面が多くなります。

ヘッドリース開始日の仕訳例

前提として、A社が建物の1フロアを所有者B社から5年間借り受け、年間リース料12,000千円を毎期末に後払いするものとします。ヘッドリースの割引率を年3パーセントとすると、リース負債の現在価値は54,957千円となり、同額を使用権資産として計上します(リースに関する会計基準 第33項、第34項)。以下の仕訳の単位は千円です。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
使用権資産 54,957 リース負債 54,957

サブリース開始日の仕訳例

続けて、A社が同じ日に当該フロアをC社へ5年間サブリースし、年間リース料13,000千円を毎期末に後払いで受け取るものとします。サブリースのリース期間がヘッドリースの残存期間と一致するため使用権資産の見積残存価額はゼロとなり、割引率3パーセントで算定したサブリースの貸手のリース料の現在価値は59,536千円です。このサブリースはファイナンス・リースに該当するものとし、使用権資産の消滅を認識するとともにリース投資資産を計上し、差額を純額で損益に計上します(リースに関する会計基準の適用指針 第89項(1)、第90項)。単位は千円です。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
リース投資資産 59,536 使用権資産 54,957
サブリース差益 4,579

基準は損益を純額で計上することを求めていますが、表示科目名そのものは定めていません。適用指針は、使用権資産のサブリースによる収益を損益計算書において区分して表示していない場合に、当該収益が含まれる科目および金額を注記することを求めており(リースに関する会計基準の適用指針 第101項(2)①)、科目の設定は企業の判断に委ねられていると読めます。上記の「サブリース差益」は自社作例における仮の科目名であり、実務では取引の性格や重要性に応じた科目を選択することになります。

なお、ヘッドリースに係るリース負債は消滅しません。使用権資産だけが消滅し、リース負債はヘッドリースの支払スケジュールに従って利息法により配分されながら残高が減少していきます(リースに関する会計基準 第36項)。資産側がリース投資資産に置き換わり、負債側はリース負債のまま残る、という非対称な状態になる点に注意が必要です。

サブリースがオペレーティング・リースに該当する場合の会計処理

サブリースがオペレーティング・リースに該当する場合、中間的な貸手は、サブリースにおける貸手のリース期間中に、サブリースから受け取る貸手のリース料についてオペレーティング・リースの会計処理を行います(リースに関する会計基準の適用指針 第89項(2))。貸手のオペレーティング・リースは、通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理となり、貸手のリース料は貸手のリース期間にわたり原則として定額法で計上します(リースに関する会計基準 第48項、リースに関する会計基準の適用指針 第82項)。

この場合、ヘッドリースから生じた使用権資産の消滅は認識しません。使用権資産は貸借対照表に残り、原則として借手のリース期間を耐用年数、残存価額をゼロとして減価償却を継続します(リースに関する会計基準 第38項)。損益計算書には、使用権資産の減価償却費、リース負債に係る利息費用、サブリースからの受取リース料が並ぶことになります。

期末の仕訳例

前提はファイナンス・リースの例と同じヘッドリース(使用権資産54,957千円、リース負債54,957千円、割引率年3パーセント、年間支払リース料12,000千円)とし、サブリースがオペレーティング・リースに該当して年間13,000千円を受け取るものとします。1年目の期末における使用権資産の減価償却費は54,957千円を5年で定額償却した10,991千円、リース負債に係る利息費用は期首残高に3パーセントを乗じた1,649千円です。単位は千円です。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
減価償却費 10,991 使用権資産 10,991
現金預金 13,000 受取リース料 13,000
支払利息 1,649 現金預金 12,000
リース負債 10,351

ファイナンス・リースに該当する場合と比べると、貸借対照表に使用権資産が残る分だけ総資産が大きくなり、損益計算書では減価償却費と受取リース料が総額で表示される点が異なります。同じ転貸取引であっても、分類の結論によって財務指標への影響が変わるため、分類判定は形式的に処理せず、契約条件に即して検討する必要があります。

関連コラム新リース会計基準の貸手の会計処理|分類判定と仕訳・変更点▸

転リース取引とリスクを負わない場合の特例

サブリース取引には、原則的な処理のほかに二つの特例が用意されています。いずれも、中間的な貸手が実質的に仲介的な立場にとどまる場合に、総額処理の負担を軽減する趣旨のものです。

転リース取引の会計処理

転リース取引について、貸手としてのリースがヘッドリースの原資産を基礎として分類する場合にファイナンス・リースに該当するときは、次の会計処理を行うことができます(リースに関する会計基準の適用指針 第93項)。まず、貸借対照表上、リース債権またはリース投資資産とリース負債の双方を計上します。次に、損益計算書上、支払利息、売上高、売上原価等は計上せずに、貸手として受け取るリース料と借手として支払うリース料との差額を手数料収入として各期に配分し、転リース差益等の名称で計上します。

リース債権またはリース投資資産とリース負債は、利息相当額控除後の金額で計上することが原則ですが、利息相当額控除前の金額で計上することもできます。控除する際の割引率は、リース負債から利息相当額を控除する際の割引率を使用します(リースに関する会計基準の適用指針 第93項)。純額の手数料収入だけを損益に計上するため、転貸そのものによって売上高が膨らむことはありません。

中間的な貸手がヘッドリースに対してリスクを負わない場合

サブリース取引のうち、次の要件をいずれも満たす取引については、中間的な貸手は、貸借対照表においてヘッドリースにおける使用権資産およびリース負債を計上せず、かつ、損益計算書において受け取るリース料の発生時または当該リース料の受領時のいずれか遅い時点で、貸手として受け取るリース料と借手として支払うリース料の差額を損益に計上することができます(リースに関する会計基準の適用指針 第92項)。

  • 中間的な貸手は、サブリースの借手からリース料の支払を受けない限り、ヘッドリースの貸手に対してリース料を支払う義務を負わないこと
  • 中間的な貸手のヘッドリースにおける支払額は、サブリースにおいて受け取る金額にあらかじめ定められた料率を乗じた金額であること
  • 中間的な貸手は、サブリースの契約条件(サブリースにおける借手の決定を含む)および、サブリースの借手が存在しない期間における原資産の使用方法のいずれを決定する権利も有さないこと

三つの要件をすべて満たす場合に限られる点に注意が必要です。中間的な貸手が空室リスクを負う一般的なマスターリース契約では、二つ目や三つ目の要件を満たさないことが多く、この特例は適用できません。契約書上の支払義務の連動性や、テナント選定権の所在を丁寧に確認する必要があります。

表示・注記と適用時期

サブリース取引については、次の事項を注記します(リースに関する会計基準の適用指針 第101項(2))。第一に、使用権資産のサブリースによる収益を損益計算書において区分して表示していない場合、当該収益が含まれる科目および金額です。第二に、中間的な貸手がヘッドリースに対してリスクを負わない場合の特例を適用した取引について計上した損益を区分して表示していない場合、当該損益が含まれる科目および金額です。第三に、転リース取引に係るリース債権またはリース投資資産とリース負債を利息相当額控除前の金額で計上した場合に、これらを貸借対照表において区分して表示していないときの科目および金額です。

本体表示については、借手としてのヘッドリースに係る使用権資産は、対応する原資産を自ら所有していたと仮定した場合の科目に含める方法か、原資産の表示区分において使用権資産として区分する方法のいずれかにより表示します(リースに関する会計基準 第49項)。貸手として計上したリース債権およびリース投資資産は、貸借対照表において区分して表示するか、それぞれが含まれる科目および金額を注記します(リースに関する会計基準 第52項)。

適用時期については、企業会計基準第34号は2027年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から適用されます。ただし、2025年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から早期適用することができます(リースに関する会計基準 第58項)。本会計基準の適用により、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」および企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」等の適用は終了します(リースに関する会計基準 第59項)。

実務上の留意点

サブリース取引の対応で最初につまずきやすいのは、そもそも転貸契約を網羅的に把握できていないことです。従来の基準ではオペレーティング・リース取引として賃貸借処理していた転貸が、新基準では使用権資産とリース負債の計上を伴うため、契約の洗い出しが処理の前提になります。子会社が親会社から借りたオフィスの一部を孫会社へ転貸しているようなグループ内取引も対象に含まれます。

次に、分類判定に必要な情報の入手が課題になります。現在価値基準の判定には独立第三者間取引における使用権資産のリース料の見積りが必要ですが、実際にはこの見積りが容易でないことも多いため、ヘッドリースに用いた割引率を用いる代替的な取扱いを選択するかどうかを、判定方針としてあらかじめ決めておくことが有用です(リースに関する会計基準の適用指針 第90項)。

また、ファイナンス・リースに該当すると判定された場合には、使用権資産の消滅を認識する一方でリース負債は残るため、資産と負債の対応関係が崩れます。財務制限条項や自己資本比率への影響を事前に試算し、必要に応じて金融機関等との調整を行っておくことが望まれます。連結財務諸表上は、グループ内のサブリースがヘッドリースと相殺消去される点も併せて確認しておく必要があります。

まとめ

サブリース取引の会計処理は、中間的な貸手がヘッドリースについて借手として使用権資産とリース負債を計上し、サブリースについて貸手として分類判定を行う、という二層構造で理解すると整理しやすくなります。分類判定の基礎が原資産ではなく使用権資産である点、ヘッドリースに短期リースまたは少額リースの簡便的な取扱いを適用した場合はサブリースがオペレーティング・リースに分類される点は、実務で誤りやすい論点です。

加えて、転リース取引の簡便的な処理と、中間的な貸手がヘッドリースに対してリスクを負わない場合の特例という二つの選択肢があり、いずれも要件が明確に定められています。2027年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度からの強制適用に向けて、転貸契約の洗い出し、分類判定の方針決定、システムおよび開示体制の整備を計画的に進めることが重要です。判断に迷う契約条件や、財務指標への影響が大きい取引については、具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。

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参考文献

よくある質問

サブリース取引と転リース取引はどう違いますか。

転リース取引は、サブリース取引の一類型です。サブリース取引とは、原資産が借手から第三者にさらにリースされ、当初の貸手と借手との間のリースが依然として有効である取引をいいます(リースに関する会計基準の適用指針 第4項(12))。このうち、ヘッドリースの原資産の所有者から当該原資産のリースを受け、さらに同一資産を概ね同一の条件で第三者にリースする取引が転リース取引です(リースに関する会計基準の適用指針 第93項)。転リース取引に該当し、かつ貸手としてのリースがファイナンス・リースに該当するときは、受取リース料と支払リース料の差額を手数料収入として計上する簡便な処理が認められています。

サブリースの分類は原資産と使用権資産のどちらを基礎に判定しますか。

使用権資産を基礎に判定します。現在価値基準では、サブリースにおける貸手のリース料の現在価値が独立第三者間取引における使用権資産のリース料の概ね90パーセント以上であるかを、経済的耐用年数基準では、サブリースにおける貸手のリース期間がヘッドリースにおける残りの借手のリース期間の概ね75パーセント以上であるかを判定します(リースに関する会計基準の適用指針 第91項)。原資産の現金購入価額や経済的耐用年数と比較する通常の貸手の判定(リースに関する会計基準の適用指針 第62項)とは比較対象が異なります。

ヘッドリースに短期リースの簡便的な取扱いを適用した場合、サブリースはどう分類しますか。

オペレーティング・リースに分類します。ヘッドリースについて短期リースまたは少額リースに関する簡便的な取扱いを適用して使用権資産およびリース負債を計上していない場合、サブリースはオペレーティング・リースに分類することとされています(リースに関する会計基準の適用指針 第91項、第20項、第22項)。ファイナンス・リース判定の基礎となる使用権資産が計上されていないためです。

サブリースがファイナンス・リースに該当すると、ヘッドリースのリース負債も消滅しますか。

消滅しません。サブリースがファイナンス・リースに該当する場合に消滅を認識するのは、サブリースした使用権資産です(リースに関する会計基準の適用指針 第89項(1))。ヘッドリースに係るリース負債は、当初の貸手に対する支払義務として存続し、利息相当額を利息法により各期に配分しながら残高が減少していきます(リースに関する会計基準 第36項)。その結果、資産側はリース投資資産またはリース債権、負債側はリース負債という構成になります。

新リース会計基準のサブリースの定めはいつから適用されますか。

2027年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から適用されます。ただし、2025年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から早期適用することもできます(リースに関する会計基準 第58項)。適用指針の適用時期も会計基準と同様です(リースに関する会計基準の適用指針 第112項)。

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。

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