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その他有価証券評価差額金とは|全部・部分純資産直入法と税効果の仕訳

2026-01-14
目次

その他有価証券評価差額金とは、売買目的有価証券・満期保有目的の債券・子会社株式及び関連会社株式のいずれにも該当しない有価証券(その他有価証券)を期末に時価評価したときに生じる評価差額を、当期の損益ではなく純資産の部に計上するための科目です。評価差額の処理方法には全部純資産直入法部分純資産直入法の2つがあり、純資産の部に計上する金額には必ず税効果会計を適用します(金融商品に関する会計基準 第18項)。

本記事では、上場準備企業の経理・財務の実務を念頭に、その他有価証券の範囲と期末評価の考え方から、全部純資産直入法と部分純資産直入法の対比仕訳、税効果会計の適用、洗い替えによる翌期首の振戻し、市場価格のない株式等の扱いまでを、数値例と仕訳表で整理します。

その他有価証券と評価差額金の基本

はじめに、どの有価証券がその他有価証券に該当し、期末にどのような評価を受けるのかを確認します。ここを押さえておくと、後半の仕訳や税効果の話が読み解きやすくなります。

その他有価証券に該当する範囲

その他有価証券とは、売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券をいいます(金融商品に関する会計基準 第18項)。長期的な時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券や、業務提携等の目的で保有する有価証券が含まれ、長期的には売却が想定される有価証券と位置付けられています(金融商品会計に関する実務指針 第72項)。

実務では「他の3区分に当てはまらないものの受け皿」として運用されます。政策保有株式、取引先との持合株式、長期保有目的の投資信託などが典型例です。有価証券の保有目的区分ごとの期末評価は次のとおりです。

売買目的有価証券 時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益として処理します(金融商品に関する会計基準 第15項)
満期保有目的の債券 取得原価をもって貸借対照表価額とします。取得価額と債券金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは償却原価法によります(金融商品に関する会計基準 第16項)
子会社株式及び
関連会社株式
取得原価をもって貸借対照表価額とします(金融商品に関する会計基準 第17項)
その他有価証券 時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は洗い替え方式に基づき純資産の部に計上します(金融商品に関する会計基準 第18項)
市場価格のない株式等 時価評価の対象とせず、取得原価をもって貸借対照表価額とします(金融商品に関する会計基準 第19項)

その他有価証券評価差額金という勘定科目

その他有価証券評価差額金は、純資産の部に置かれる評価差額の科目です。個別貸借対照表では株主資本以外の項目である評価・換算差額等に区分して表示します(貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 第7項、第8項)。損益計算書を経由しないため、この科目が増減しても当期純利益は動きません。

金額は評価差額そのものではなく、税効果額を控除した後の純額です(金融商品会計に関する実務指針 第73項)。全部純資産直入法を適用している場合は、評価差益部分と評価差損部分の純額が計上されます。

その他有価証券評価差額金 = 評価差額 × (1 − 法定実効税率)

期末に時価評価しないケース

その他有価証券に区分されていても、すべてが時価評価されるわけではありません。市場価格のない株式等は取得原価をもって貸借対照表価額とします(金融商品に関する会計基準 第19項)。市場価格のない株式とは市場において取引されていない株式をいい、出資金など株式と同様に持分の請求権を生じさせるものも同様に取り扱われます。

2019年改正会計基準では、時価の定義が時価算定会計基準に合わせて見直された一方、市場価格のない株式等については、何らかの方式により価額の算定が可能であってもそれを時価としないという従来の考え方が踏襲されました(金融商品に関する会計基準 第81-2項)。開示上も、市場価格のない株式等については時価を注記せず、金融商品の概要及び貸借対照表計上額を注記します(金融商品に関する会計基準 第40-2項(2))。

つまり「時価評価しない=評価差額金も生じない」という関係になります。非上場の政策保有株式が多い会社では、その他有価証券評価差額金がほとんど計上されないことも珍しくありません。

全部純資産直入法と部分純資産直入法の対比

その他有価証券の評価差額は、洗い替え方式に基づき、次のいずれかの方法で処理します(金融商品に関する会計基準 第18項)。原則は全部純資産直入法で、継続適用を条件として部分純資産直入法を適用することもできます(金融商品会計に関する実務指針 第73項)。

全部純資産直入法 評価差益と評価差損の合計額を純資産の部に計上します。損益計算書には影響しません(金融商品に関する会計基準 第18項(1))
部分純資産直入法 時価が取得原価を上回る銘柄の評価差益は純資産の部に計上し、時価が取得原価を下回る銘柄の評価差損は当期の損失として処理します(金融商品に関する会計基準 第18項(2))

なお、株式や債券など有価証券の種類ごとに両方法を区分して適用することも認められています(金融商品会計に関する実務指針 第73項)。以下では同じ数値例を使い、両方法の仕訳を並べて確認します。

全部純資産直入法の仕訳例

前提は次のとおりです(単位:千円)。A社株式は取得原価50,000、期末時価60,000で評価差益10,000。B社株式は取得原価30,000、期末時価26,000で評価差損4,000。法定実効税率は30%とし、繰延税金資産の回収可能性には問題がないものとします。全部純資産直入法では評価差益・評価差損の双方を純資産の部に計上し、それぞれに税効果を適用します(金融商品に関する会計基準 第18項(1)、金融商品会計に関する実務指針 第73項)。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
投資有価証券 10,000 繰延税金負債 3,000
その他有価証券評価差額金 7,000
繰延税金資産 1,200 投資有価証券 4,000
その他有価証券評価差額金 2,800

純資産に計上されるその他有価証券評価差額金は、貸方7,000と借方2,800の純額である4,200です。これは評価差額の純額6,000に(1 − 30%)を乗じた金額と一致します。損益計算書への影響はありません。

部分純資産直入法の仕訳例

同じ前提で部分純資産直入法を適用すると、評価差益のA社株式は純資産の部へ、評価差損のB社株式は当期の損失へと処理が分かれます(金融商品に関する会計基準 第18項(2))。損失計上した評価差損は税務上の損金となりませんが、会計と税務で費用の帰属年度が相違するため将来減算一時差異が生じ、繰延税金資産と法人税等調整額を計上します(税効果会計に係る会計基準 第二 一 2(1)①、第二 二 1)。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
投資有価証券 10,000 繰延税金負債 3,000
その他有価証券評価差額金 7,000
投資有価証券評価損 4,000 投資有価証券 4,000
繰延税金資産 1,200 法人税等調整額 1,200

ここが実務で最も間違えやすいところです。全部純資産直入法では評価差損に対応する繰延税金資産の相手勘定がその他有価証券評価差額金であるのに対し、部分純資産直入法では損益項目である法人税等調整額になります。同じ評価差損でも、税効果の相手勘定が純資産か損益かで分かれると覚えておくと整理しやすくなります。

2つの方法で財務諸表がどう変わるか

上記の設例を両方法で比べると、貸借対照表と損益計算書への影響は次のように異なります。

全部純資産直入法 その他有価証券評価差額金4,200千円を純資産の部に計上します。当期純利益への影響はありません
部分純資産直入法 その他有価証券評価差額金7,000千円を純資産の部に計上し、投資有価証券評価損4,000千円と法人税等調整額1,200千円(貸方)を損益計算書に計上します。税引後の当期純利益は2,800千円減少します

純資産合計はいずれの方法でも同額になりますが、部分純資産直入法では含み損が当期純利益に反映される点が異なります。保守主義の観点から、時価が取得原価を下回る銘柄の評価差額を損益計算書に計上する方法も認められることとされた経緯があります(金融商品に関する会計基準 第80項)。

その他有価証券評価差額金と税効果会計

その他有価証券の論点のなかでも、税効果会計の扱いは質問が集中する部分です。ここでは「なぜ適用するのか」「繰延税金資産と繰延税金負債のどちらが立つのか」「適用しない場合はあるのか」を順に整理します。

なぜ税効果会計を適用するのか

純資産の部に計上されるその他有価証券の評価差額については、税効果会計を適用しなければならないと定められています(金融商品に関する会計基準 第18項)。任意ではなく強制である点が出発点です。

理由は一時差異の発生にあります。会計上は時価で評価する一方、税務上は原則として取得原価のまま据え置かれるため、資産の評価替えにより生じた評価差額が直接純資産の部に計上され、かつ課税所得の計算に含まれていない状態になります。この場合、評価替えの対象となった有価証券の簿価修正は税効果会計上の一時差異に該当します(税効果会計に係る会計基準 第二 一 2(1)②、金融商品会計に関する実務指針 第73項)。

そのうえで、評価差額が直接純資産の部に計上される場合には、当該評価差額に係る繰延税金資産又は繰延税金負債を評価差額から控除して計上します(税効果会計に係る会計基準 第二 二 3)。税効果額を法人税等調整額に流さないため、当期純利益に影響しないまま純資産だけが調整される構造になります。

繰延税金負債 = 評価差益 × 法定実効税率
繰延税金資産 = 評価差損 × 法定実効税率

また、評価差額に課される当事業年度の所得に対する法人税、住民税及び事業税等がある場合には、法人税等に関する会計基準 第5項から第5-5項の処理を行います(金融商品に関する会計基準 第18項)。

繰延税金資産と繰延税金負債のどちらを計上するか

評価差額の符号と、その評価差額を純資産に直入するか損益に計上するかで、計上する科目と相手勘定が決まります(金融商品会計に関する実務指針 第73項)。

評価差益が生じた銘柄 繰延税金負債を計上し、評価差額から控除します。相手勘定はその他有価証券評価差額金です
評価差損が生じた銘柄
(純資産に直入する場合)
繰延税金資産を計上し、評価差額から控除します。相手勘定はその他有価証券評価差額金です
評価差損が生じた銘柄
(部分純資産直入法で損失計上する場合)
繰延税金資産を計上し、相手勘定は損益項目である法人税等調整額とします

貸借対照表上、繰延税金資産は投資その他の資産の区分に、繰延税金負債は固定負債の区分に表示し、同一納税主体のものは双方を相殺して表示します(「税効果会計に係る会計基準」の一部改正 第2項)。この表示区分の定めは2018年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されています(「税効果会計に係る会計基準」の一部改正 第6項)。

税効果が付かない・限定される場合

「税効果会計を適用しない」ケースがあるのか、という疑問もよく寄せられます。実務上は次の3つに整理できます。

  • そもそも評価差額が生じない場合。市場価格のない株式等は取得原価のままであり、時価評価しないため一時差異が生じません(金融商品に関する会計基準 第19項)。
  • 繰延税金資産の回収可能性が認められない場合。将来減算一時差異に係る繰延税金資産は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得、タックス・プランニング、将来加算一時差異の3つの観点から回収可能性を判断し、税金負担額を軽減できると認められる範囲内で計上します(繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針 第6項、第7項)。回収可能性が認められない部分には繰延税金資産が計上されず、結果として評価差損に税効果が付きません。
  • 回収可能性の見直しにより差額が生じた場合。評価差額を純資産の部に直接計上している場合、回収可能性の見直しにより生じた差額は法人税等調整額ではなく、見直しを行った年度の評価・換算差額等に直接計上します(繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針 第10項(2))。

上場準備の過程では、評価差損に対して機械的に繰延税金資産を立てていないか、会社分類に応じた回収可能性の検討がなされているかが監査上の論点になりやすい部分です。

関連コラム純資産の部の表示|貸借対照表の区分と株主資本の実務

洗い替え方式と翌期首の振戻し

その他有価証券の評価差額は、洗い替え方式に基づいて処理されます(金融商品に関する会計基準 第18項)。決算日ごとに時価評価を行い、翌期首にその評価差額を振り戻して取得原価に基づく帳簿価額へ戻す方法です。

翌期首の振戻し仕訳

前掲の全部純資産直入法の設例(A社株式の評価差益10,000千円、B社株式の評価差損4,000千円、法定実効税率30%)について、翌期首に行う振戻しの仕訳は次のとおりです(単位:千円)。期末に計上した仕訳をそのまま逆に起こす形になります。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
繰延税金負債 3,000 投資有価証券 10,000
その他有価証券評価差額金 7,000
投資有価証券 4,000 繰延税金資産 1,200
その他有価証券評価差額金 2,800

部分純資産直入法の場合も考え方は同じで、評価差益部分の純資産直入と、損失計上した評価差損部分の双方を翌期首に振り戻します。振戻し後は取得原価に基づく帳簿価額に戻るため、翌期末には改めて取得原価と時価を比較して評価差額を算定します。

期中に売却した場合の損益

評価差額は毎期末の時価と取得原価との比較により算定されるため、期中に売却した場合には、取得原価と売却価額との差額が売却損益として当期の損益に含まれます(金融商品に関する会計基準 第79項)。前期末の時価との差額ではない点に注意が必要です。売却原価は移動平均法や総平均法等により算定します(金融商品会計に関する実務指針 第76項)。

実務では、期首の振戻しを失念したまま売却処理を行い、売却損益が評価差額の分だけずれてしまう誤りが起こりがちです。有価証券の管理台帳で「取得原価」と「前期末時価」を別欄で管理しておくと、こうした誤りを防ぎやすくなります。

時価が著しく下落した場合の減損処理

その他有価証券のうち市場価格のない株式等以外のものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損失として処理しなければなりません(金融商品に関する会計基準 第20項)。この場合の時価は翌期首の取得原価となります(金融商品に関する会計基準 第22項)。

減損処理を行った銘柄については、期末日の時価により帳簿価額を付け替えて取得原価を修正し、以後は修正後の取得原価と毎期末の時価とを比較して評価差額を算定します(金融商品会計に関する実務指針 第91項)。減損処理は洗い替えではなく取得原価の切下げである点が、通常の評価差額の処理と決定的に異なります。

また、市場価格のない株式等については、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときに相当の減額を行い、評価差額は当期の損失として処理します(金融商品に関する会計基準 第21項)。時価評価の対象外であっても、減損の検討は必要になります。

関連コラム有価証券の減損処理とは?時価の著しい下落と判定基準を解説

表示・開示と方法の変更に関する実務

最後に、財務諸表上の表示と、処理方法を変更するときの取扱い、そして基準の適用時期を確認します。個別と連結で科目名が変わる点は、連結財務諸表を作り始めた会社がつまずきやすい論点です。

個別財務諸表と連結財務諸表での表示

個別貸借対照表 純資産の部の評価・換算差額等に、その他有価証券評価差額金として表示します(貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 第7項(1)、第8項)
連結貸借対照表 連結財務諸表上は評価・換算差額等をその他の包括利益累計額と読み替え、当期変動額はその他の包括利益に表示します(包括利益の表示に関する会計基準 第16項)

その他の包括利益の内訳項目は、その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定、退職給付に係る調整額等に区分して表示します(包括利益の表示に関する会計基準 第7項)。内訳項目は法人税等及び税効果を控除した後の金額で表示するか、控除前の金額で表示して関連する金額を一括して加減する方法によります(包括利益の表示に関する会計基準 第8項)。また、当期又は過去の期間にその他の包括利益に含まれていた部分は、組替調整額として内訳項目ごとに注記します(包括利益の表示に関する会計基準 第9項)。

関連コラム包括利益とその他の包括利益の表示|組替調整と計算書方式

全部と部分の変更は会計方針の変更

部分純資産直入法から全部純資産直入法への変更、又は全部純資産直入法から部分純資産直入法への変更は、同一の保有目的区分における評価差額に係る会計処理方法の変更であり、会計方針の変更に該当します。そのため、会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準に従って会計処理を行います(金融商品会計に関する実務指針 第81項)。

部分純資産直入法は継続適用が条件とされているため、業績に応じて期ごとに使い分けることはできません(金融商品会計に関する実務指針 第73項)。上場準備企業では、申請期をまたいで方針を変えると比較可能性の説明が求められるため、早い段階で方針を固めておくのが実務的です。

適用時期と改正の経緯

その他有価証券の時価評価と純資産直入の枠組みは、1999年公表の会計基準に始まります。当該会計基準は2000年4月1日以後開始する事業年度から適用され、その他有価証券の財務諸表における時価評価は2001年4月1日以後開始する事業年度から実施することが適当とされました(金融商品に関する会計基準 第41項(1))。

その後、本会計基準は2006年、2007年、2008年に改正されています(金融商品に関する会計基準 第41項(2)から(4))。直近では、時価の定義を時価算定会計基準に合わせて見直す2019年改正が行われ、2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されています(金融商品に関する会計基準 第41項(5))。いずれもすでに適用済みであり、現在の実務は2019年改正後の枠組みで運用されています。

まとめ

その他有価証券は原則として時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は洗い替え方式に基づいて処理します。評価差額の処理方法は、差益・差損の合計額を純資産の部に計上する全部純資産直入法が原則で、評価差損のみを当期の損失とする部分純資産直入法は継続適用を条件に選択できます。

純資産の部に計上する評価差額には税効果会計の適用が必須で、評価差益には繰延税金負債、評価差損には繰延税金資産を計上し、いずれも評価差額から控除します。部分純資産直入法で損失計上した評価差損だけは、相手勘定が法人税等調整額になる点が例外です。市場価格のない株式等は時価評価しないため評価差額金も生じませんが、実質価額が著しく低下した場合の減損の検討は必要になります。

評価差損に対する繰延税金資産の回収可能性や、全部・部分の変更に伴う会計方針の変更の取扱いは、会社の状況によって判断が分かれます。具体的なケースは公認会計士へのご相談をおすすめします。

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参考文献

よくある質問

その他有価証券とはどのような有価証券ですか。

売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券をいいます(金融商品に関する会計基準 第18項)。長期的な時価の変動により利益を得る目的で保有する有価証券や、業務提携等の目的で保有する有価証券が含まれます(金融商品会計に関する実務指針 第72項)。

その他有価証券評価差額金はどの区分に表示しますか。

個別貸借対照表では純資産の部の評価・換算差額等に表示します(貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 第7項、第8項)。連結貸借対照表では評価・換算差額等をその他の包括利益累計額と読み替えて表示します(包括利益の表示に関する会計基準 第16項)。

全部純資産直入法と部分純資産直入法はどちらを適用しますか。

原則は全部純資産直入法で、継続適用を条件として部分純資産直入法を適用することもできます(金融商品に関する会計基準 第18項、金融商品会計に関する実務指針 第73項)。株式や債券など有価証券の種類ごとに両方法を区分して適用することも認められています。

その他有価証券評価差額金になぜ税効果会計を適用するのですか。

会計上は時価評価する一方、税務上は取得原価のまま据え置かれ、評価差額が直接純資産の部に計上されて課税所得の計算に含まれないため、簿価修正が一時差異に該当するからです(税効果会計に係る会計基準 第二 一 2(1)②、金融商品に関する会計基準 第18項)。

評価差額に対して繰延税金資産と繰延税金負債のどちらを計上しますか。

評価差益には繰延税金負債、評価差損には繰延税金資産を計上し、いずれも評価差額から控除します(金融商品会計に関する実務指針 第73項、税効果会計に係る会計基準 第二 二 3)。部分純資産直入法で損失計上した評価差損については、繰延税金資産の相手勘定が法人税等調整額になります。

税効果が付かないことはありますか。

市場価格のない株式等は時価評価しないため評価差額が生じず、一時差異も生じません(金融商品に関する会計基準 第19項)。また、評価差損に係る繰延税金資産は回収可能性を判断し、税金負担額を軽減できると認められる範囲内でのみ計上します(繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針 第6項、第7項)。

洗い替え方式では翌期首にどのような処理をしますか。

期末に計上した評価差額と税効果額を逆仕訳で振り戻し、取得原価に基づく帳簿価額へ戻します(金融商品に関する会計基準 第18項)。評価差額は毎期末の時価と取得原価との比較により算定するため、期中に売却した場合は取得原価と売却価額との差額が売却損益となります(金融商品に関する会計基準 第79項)。

事務所概要
社名
公認会計士事務所プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
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電話番号
03-6773-5062
対応責任者
公認会計士 島本 雅史

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