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スタートアップ企業の成長フェーズを徹底解説!資金調達からEXITまで

2025-09-07
目次

スタートアップ企業の経営者や支援者の皆様にとって、自社の現在地を正確に把握し、次のステップを見据えることは事業成功の鍵となります。企業の成長は一直線ではなく、特有の課題や目標を持つ複数の「フェーズ」に分かれています。本記事では、スタートアップ企業の成長フェーズを「シード期」「アーリー期」「ミドル期」「レイター期」の4つに分類し、それぞれの概要、資金調達方法、直面する課題、そして最終的なEXIT戦略までを網羅的に解説いたします。

スタートアップ企業の4つの成長フェーズ

スタートアップ企業の成長過程は、一般的に4つの主要なフェーズに分類されます。それぞれのフェーズは、事業の成熟度、組織規模、資金調達の目的、そして直面する課題において大きく異なります。自社がどのフェーズに位置しているかを理解することは、適切な経営戦略を立てる上で不可欠です。

シード期:事業の種を蒔く段階

シード期は、事業アイデアを着想し、その実現可能性を検証する創業前後の段階です。文字通り「種(Seed)」の時期であり、まだ具体的な製品やサービスは存在しないか、プロトタイプの開発段階にあります。このフェーズの主な目的は、ビジネスモデルの構築と市場調査(PMF: プロダクトマーケットフィットの検証)です。

主な活動 事業アイデアの具体化、ビジネスプランの作成、市場調査、顧客ヒアリング、プロトタイプ開発
組織規模 創業者を含め1名~数名程度

アーリー期:事業の離陸段階

アーリー期は、開発した製品やサービスを市場に投入し、初期の顧客を獲得する段階です。事業が本格的に始動し、売上が発生し始めますが、まだ収益は不安定で赤字経営となることが一般的です。PMFを達成し、事業を本格的に拡大させるための基盤を築くことが最重要課題となります。

主な活動 製品・サービスの正式リリース、初期顧客の獲得、マーケティング・営業活動の開始、顧客フィードバックに基づく改善
組織規模 5名~20名程度

ミドル期(グロース期):急成長と事業拡大の段階

ミドル期、またはグロース期は、事業が軌道に乗り、売上が急激に増加する成長段階です。市場での認知度も高まり、黒字化を達成する企業も現れます。このフェーズでは、顧客基盤の拡大、組織体制の強化、そして事業のスケールアップが主なテーマとなります。

主な活動 本格的な事業拡大、人員増強、マーケティング・営業体制の強化、新規顧客層の開拓、黒字化の達成
組織規模 20名~100名程度

レイター期:成熟と安定の段階

レイター期は、事業が安定し、継続的な黒字経営が定着する成熟段階です。市場で確固たる地位を築き、安定した収益基盤が確立されます。このフェーズの企業は、IPO(新規株式公開)やM&A(合併・買収)といったEXIT戦略を具体的に検討し始めます。また、新規事業の立ち上げや海外展開など、さらなる成長を目指す動きも活発になります。

主な活動 経営の安定化、市場シェアの確立、IPO・M&Aの準備、新規事業開発、海外展開
組織規模 100名以上

各成長フェーズにおける資金調達方法

スタートアップの成長には資金が不可欠です。各フェーズの特性に応じて、適切な資金調達方法を選択することが極めて重要です。調達額の目安や主要な資金提供者もフェーズごとに異なります。

シード期の資金調達

シード期は事業実績がないため、資金調達の難易度が最も高い時期です。主にアイデアや創業メンバーの将来性に対して投資が行われます。

調達額目安 数百万円~5,000万円程度
主な調達先 自己資金、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル(シード特化型)、日本政策金融公庫(新創業融資制度)、クラウドファンディング、補助金・助成金

アーリー期の資金調達

製品・サービスがリリースされ、初期のトラクション(顧客からの反応)が見え始めるため、シード期よりも大規模な資金調達が可能になります。調達した資金は、主にマーケティングや人材採用に投じられます。

調達額目安 5,000万円~数億円程度(シリーズA)
主な調達先 ベンチャーキャピタル(VC)、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)、日本政策金融公庫

ミドル期(グロース期)の資金調達

事業の成長性が明確になり、黒字化も見えてくるため、より大規模な資金調達が実現可能です。事業拡大を加速させるための資金需要が高まります。

調達額目安 数億円~数十億円程度(シリーズB、シリーズC)
主な調達先 ベンチャーキャピタル(VC)、金融機関からの融資(信用保証協会付融資など)

レイター期の資金調達

安定した収益基盤と高い信用力を背景に、多様な資金調達手段が選択可能になります。IPOに向けた準備資金や、大規模な新規事業投資が目的となります。

調達額目安 数十億円以上(シリーズD以降、プレIPOファイナンス)
主な調達先 ベンチャーキャピタル(VC)、PEファンド、金融機関からの融資(プロパー融資)

成長フェーズごとの主要な課題

スタートアップの成長フェーズに関するよくある質問まとめ

Q. スタートアップの成長フェーズとは何ですか?

A. スタートアップの成長フェーズとは、企業の創業から事業が成熟するまでの段階を区分したものです。一般的に「シード」「アーリー」「ミドル」「レイター」の4つに分けられ、それぞれのフェーズで事業の目標や課題、必要な資金調達額が異なります。

Q. 「シード期」と「アーリー期」の主な違いは何ですか?

A. シード期は、製品やサービスのアイデアを検証し、プロトタイプを開発する段階です。一方、アーリー期は、完成した製品・サービスを市場に投入し、PMF(プロダクトマーケットフィット)の達成を目指して初期の顧客を獲得していく段階という違いがあります。

Q. PMFとは何ですか?どのフェーズで重要になりますか?

A. PMFとは「プロダクトマーケットフィット」の略で、自社の製品が特定の市場(マーケット)に適しており、顧客の課題を解決できている状態を指します。主にアーリー期からミドル期にかけて達成することが、事業を急成長させる上で非常に重要となります。

Q. 資金調達の「シリーズA」や「シリーズB」とは何ですか?

A. 主にベンチャーキャピタルなどから行われる資金調達のラウンド(段階)を指します。一般的に、アーリー期にシリーズA、事業が軌道に乗り始めるミドル期にシリーズBの調達が行われます。アルファベットが進むほど、企業の評価額が上がっていることを示します。

Q. 「グロース期(ミドル期)」では何を目指しますか?

A. グロース期(ミドル期)は、事業を急拡大させるフェーズです。PMFを達成した製品・サービスを軸に、マーケティングや営業活動を強化してユーザー数や売上を飛躍的に伸ばし、事業の黒字化や組織体制の強化を目指します。

Q. 「レイターステージ」はどのような段階ですか?

A. レイターステージは、事業モデルが確立され、市場で安定した地位を築いた成熟段階です。このフェーズでは、さらなる事業拡大を進めるとともに、IPO(株式公開)やM&A(合併・買収)といったイグジット(出口戦略)を本格的に目指します。

事務所概要
社名
公認会計士事務所プライムパートナーズ
住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5丁目2−33
IsaI AkasakA 17階
電話番号
03-6773-5062
対応責任者
公認会計士 島本 雅史

本記事は正確な情報提供を心掛けておりますが、執筆時点の情報に基づいているため、法改正や人的ミス、個別のケースにより適用が異なる可能性があります。最新の情報や具体的なご相談については、お気軽に弊所の会計士までお問い合わせください。

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